ユーザー数140万人、ゲームから家電まで手元の商品の売りどきがわかる買取価格の比較サイト「ウリドキ」

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買取比較サイト「ウリドキ」

インターネット上にさまざまな情報が集まるようになった今、商品購入の意思決定にはネットを使った事前の下調べが欠かせません。商品の値段が高額になればなるほど下調べは入念になり、安心かつ満足して商品を購入していく。これと同じ習慣を、手持ちの商品を手放す時にやってもらおうと試みるのが、買取比較サイト「ウリドキ」です。これまで全くのブラックボックスだった中古品の買取価格の透明化に挑戦しています。

適正な買取価格を知る

ウリドキを一言で説明するなら、価格コムのネット買取版。手持ちの物を中古品として売る際に、さまざまなネット買取業者を比較することで、その時々に適正な買取価格を教えてくれます。買取価格を比較したら、実際の買取はウリドキを経由してネット買取業者のサイトで行う仕組みです。まさに手持ちの商品の「売りドキ」を把握できます。

サイトの立ち上げは2013年12月。月次の訪問者数は毎月15%と順調に伸び続け、累計ユーザー数は140万人を突破しています。ユーザーがウリドキにたどり着く主な方法は、検索エンジン経由。SEOに力を入れることで、「商品名(スペース)買取」と指名検索された場合の1ページ目への表示率は90%を誇っています。

ウリドキでは、PCやカメラなどの電化製品、また古本やフィギュアに至るまで幅広い商品ジャンルを取り扱っています。その中でもダントツで人気なのがゲーム。3DSやWiiなどの本体やゲームソフトなどの買取価格が集まっています。

「現時点で、80を超えるネット買取業者さんの買取情報を取り扱っています。1つの商品に対して、買取価格は5個、10個と多いため、毎日33万個の買取価格を更新しています。買取価格の動きが激しいゲームなどは、売りたいユーザーさんも敏感になるため、ウリドキでも一番人気の商品ジャンルです」(代表取締役 木暮康雄さん)

漫画全巻買取事業から派生した価格比較サイトの需要

運営会社ウリドキネットの代表取締役 木暮康雄さん
運営会社ウリドキネットの代表取締役 木暮康雄さん

およそ10年前にあたる2005年頃、まだ学生だった頃に会社を立ち上げた木暮康雄さん。今もサービス展開する漫画の全巻セットを販売する「全巻読破ドットコム」というサイトを運営してきました。日本で漫画の全巻セットを一番高く、早く買い取っている自信があった木暮さん。それをネットにも展開できないかと考え、別会社としてウリドキを立ち上げました。

「どこより高く、早く買い取っているという自信があり、それをアピールできる場所が欲しいと考えたんですが、探してもリスティング広告以外に適切なアウトレットがありませんでした。事業会社にアイディアを提案しにいったりしましたが、最終的に自分たちの手で専用のサイトをつくることにしました」

2015年夏には、サイトのデザインを大幅リニューアル。一新したデザインはフルスクリーンサーチで、ファーストビューの中央にでかでかと検索窓を配置したもの。自分の持ち物がいくらで売れるのかがすぐにわかるという目的検索の利便性を高める狙いでした。ところが、リニューアル後にサイトの回遊率はぐんと下がり、離脱率も上昇。ユーザーに対して実施した独自アンケート調査では、日本人の約60%が買取や譲渡などの売却経験を持っていないことが判明しました。

「サイトのデザインリニューアルは時期尚早でした。今はまだ、自分が持っているものがいくらで売れるのかを検索する行為が身近ではない。ですから、今はウリドキのサイト内で自由にネットサーフィンをしてもらって色々発見して、買取に出す文化をつくるステージだと考えています」

モノが循環する社会に

つい最近の2013年頃まで、フィギュアの買取価格は一切ネットに開示されることがなく、業者の言い値の価格で手放すしか術がありませんでした。ところが、2014年に買取価格を開示する業者が登場したことで、その後も買取価格の開示の動きは加速化しています。リスティングにかかる費用を見てみても、今では当時の3倍にまで跳ね上がっているほどです。

「買取業者さんからの反応は二極化していますね。「他店より高く買取ます」「強化買い取り期間」といった言葉でユーザーを集めてきたところがあるので、抵抗を感じる業者さんも当然いらっしゃいます。一方で、ネットに注力する新興企業などは、買取価格を透明化して一気にユーザーの信用を獲得しようと連携に積極的な業者さんもいらっしゃいます」

ウリドキは今後、現在の比較サイトから、ネット買取業者がショップを持つ買取のSaaS型オンラインモールへと進化します。ウリドキにショップを持つ業者に対しては、不健全になってしまいがちなキャッシュフローへの対策も検討しています。ネットではクレジットカード決済が大半を占め、キャッシュが少ない時期に買取を控えるなど買取事業に差し支えるからです。

「日本には、使われていないものが16兆円あると言われています。日本人にはものを大事にする習慣があるため捨てることができず、押入れの中に眠ったままになってしまっています。日本中に潜んでいる財産をお金に変えてあげることで、そこからまた消費が生まれる。ウリドキで、社会全体のモノの所有の最適化を促していきたいです」

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