「地域限定保育士」も追加 県、国家戦略特区計画に


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 地域を限定して規制を緩和する国家戦略特区の事業計画で、県はこれまで検討してきた外国人観光客のビザ発給要件緩和などの項目に加えて「地域限定保育士」も盛り込むことが30日までに分かった。年1回の保育士試験が年2回に増えることで保育士の資格取得者の増加が期待される。深刻化する保育士不足や待機児童問題の改善につなげたい構えだ。

 地域限定保育士は沖縄の他に神奈川県、大阪府、千葉県で国家戦略特区として導入される予定。県は初めてとなる地域限定保育士の筆記試験を10月ごろに設定している。合格者は最初の3年間は県内限定で保育士として働くことができ、3年以降は全国各地で保育士として働ける。
 ただし政府は昨年3月に国家戦略特区に沖縄を含む6地域を指定して1年が経過したが、沖縄だけ事業計画の認定を終えていない。3月に開かれた国家戦略特区諮問会議(議長・安倍晋三首相)では出席者から「事業進捗(ちょく)などが遅れている区域は指定の取り消しも含む厳格な対応を図っていくことを検討すべきだ」との意見も出た。
 計画策定が進まない大きな原因は、沖縄の事業計画を議論する区域会議が昨年10月の初会合以降開かれていないことにある。国家戦略特区を担当する内閣府は取材に対し、沖縄の指定取り消しについて「検討していない」と否定し、計画認定への作業を進める考えを示した。
 県は計画認定の遅れに関し「区域会議の日程調整(に時間がかかること)もあるのではないか。国から資料を求められれば、提出している」と述べ、計画策定に向けた作業を加速させる考えを示した。