2013年 大注目の女性声優を直撃! 種﨑敦美インタビュー

By, 2013年2月23日



2012年『となりの怪物くん』夏目あさ子役で本格デビューを果たした種﨑敦美。
2013年はさらなる飛躍が期待される、いま最も注目される女性声優のひとりである彼女に声優を目指したきっかけなどパーソナルなことからお仕事のことまでたっぷりと伺ってきた。

―まずは声優を目指したきっかけを教えて下さい。

種﨑敦美さん(以下、種﨑):元々俳優さんの演技には興味があったのですが、「声優」という職業を知ったきっかけは『美少女戦士セーラームーン』だったんです。
マニアックな話になってしまい恐縮ですが、第45話「セーラー戦士死す!悲壮なる最終戦」というお話を観た時に、その演技力に完全に魅了されてしまい、「よし声優になろう!」と思い立ちまして(笑)。

―小さい頃に、周りの友人、知人から「アニメに出てくるキャラクターっぽい声をしてるね」など言われたことはありますか?

種﨑:いえ、全然一度もないです(笑)。自分の意志で目指すことにしました。その頃からカセットテープに自分の声を吹き込んだりしはじめて、今でも家にその時のテープが残っています。

当時はどうしたら声優さんになれるのか分からなかったので、漠然とした気持ちでいました。私は大分県出身なのですが、そのうち「ここにいたら声優になれないっぽいぞ」というのが段々と分かり始めまして(笑)。
単身東京に出まして、高校を出てからはすぐに仕事を始めて、養成所に入るための資金をためて、本格的に勉強を始めました。

―そうして実際に声優業界に飛び込まれ、仕事を始められたということですが、思い描いていた世界に近かったですか? それとも?

種﨑:その辺のことは考える余裕がなかったですね(苦笑)。与えられた仕事を一生懸命こなすのが精一杯というか。とにかく「お芝居が楽しい」という気持ちで今日まで来たので何も考えられなかったですね。そういう気持ちで来られた、ということはある意味思い描いていた通りなのかも知れません。

―声優として仕事をする上で、苦労されたことは?

種﨑:苦労とはちょっと違うのですが、ノドのケアですね。それまでは全く気にしていなかったのですが、お酒を飲みに行ったり、ジェットコースターで絶叫したりした後も、仕事のことが常に頭をよぎります(苦笑)。

―仕事とは関係なく、東京に出てきて苦労されたことはありますか?

種﨑:人混みが苦手なので……。ファミレスやコンビニに行列ができているのを見てビックリしたり。「え?こんなに並んでまで……?」と(笑)。たまに田舎に帰ると、それを顕著に感じますね。

―ちなみに、ご趣味は?

種﨑:邦画鑑賞です。

―邦画と言いますと、『寅さん』(『男はつらいよ』)とか? 私の中では真っ先に思い浮かんだのですが(笑)。

種﨑:……邦画好き、と言っている割には『寅さん』は観たことがないんですよね……。今年は是非観たいと思います!私、名前が「敦美」なんですけど、寅さんを演じているのが渥美清(あつみ きよし)さんじゃないですか。一時期友人から言われていたことがあって(笑)。それから意識はしているんですよね。ちなみに最近観た映画で印象に残っているのは『鍵泥棒のメソッド』です。
アニメですと『クレヨンしんちゃん』や『鉄コン筋クリート』は何度観ても飽きないですね。

―声優の深田愛衣さんとも映画によく行かれるようですね。

種﨑:そうなんです。仲良しで、観たい映画もよくかぶります(笑)それと、観劇も好きなのですが、まだ一緒に行ったことがないので、「今年は行こうね」と話しています。

―好きな声優、もしくは目指している声優さんはいらっしゃいますか?

種﨑:沢城みゆきさんや田中真弓さんに憧れています。田中さんの『天空の城ラピュタ』でのパズーは特に刺激を受けました。

―声優さんとのエピソードはありますか?

種﨑:昔、大分に住んでいた頃、同じ大分県出身の岩男潤子さんのコンサートに行ったことがあるんです。まだ小さかったのですが、親切なファンの方から「岩ちゃんは子供が好きだから一番前で見てあげて」と整理番号1番を譲っていただきまして。

イベント中、お客さんとのコミュニケーションコーナーがあって、岩男さんに「声優になりたいんです」とお話することができたんです。そしたら「いつか共演できるといいね」とおっしゃっていただきまして……。
現場でお会いした時にその話をしたら「嬉しい!」とおっしゃっていただきました。私も本当に嬉しかったです!

―ちなみに、好きなゲームは何ですか?

種﨑:ゲームなのですが、実は人生でしっかりとプレイしたことがあるのは『ときめきメモリアル2』と『ぼくのなつやすみ』の2本だけなんです(笑)。

『ときメモ2』は、高校を卒業して、就職するまでの休みの間に何をしようかな?と思っていた時にもうかなり昔の話なのですが女の友人から勧められて。プレイしてみたらハマってしまって(笑)。ちなみに一番のお気に入りキャラクターは一文字茜ちゃんです。バイトを理由に主人公とのデートを断ったりするのですが、それが共感できるんですよね。「バイトならしょうがないな!」って(笑)。

―そして『ぼくのなつやすみ』ですが、最近は続編が出ていないですね。

種﨑:もし次回作が決まったら、絶対にオーディションに出て、そして受かってみせます(笑)!

―『ぼくのなつやすみ』と言えば、ふるさとが舞台になっている作品ですが、地元の大分が恋しくなることはありますか?

種﨑:東京にいる時はそういう感覚になることはあまりないのですが、実家に帰って山や川をみていると「やっぱりいいな」と思いますね。

―年末年始も実家に帰られたそうですが、どんな休みを過ごされましたか?

種﨑:初詣をしてきました。それと、周りからよく言われるのですが、私すごいブラコンで(笑)。弟と一緒に遊ぶことができてとても楽しかったです!

―ではそろそろ作品のお話をさせていただきたいと思います。『となりの怪物くん』の夏目あさ子役が実質的なデビュー作となったわけですが、オーディションで受かったことを知った時の率直な感想をお聞かせ下さい。

種﨑:合格のお話は事務所の方から聞いたのですが、私はあさ子の他に、(戸松遥さん演じる)雫の役も受けさせていただいていたため、最初の一報を受けた時は、手違いでどちらの役が受かったのか分からなくて、あさ子が受かったのを知ったのはちょっとしてからでした(苦笑)。
でも聞いた時は実感が沸かなくて、実際にアフレコが終わったあとに、「私、あさ子を演じているんだ」と、喜びがじわじわと沸き上がってきました。

―演じてみて、あさ子の魅力は改めてどこにあると感じましたか?

種﨑:喜んでいる時も落ち込んでいる時も、大げさに見えますけど全部全力で全部本気なんですよね。そこが彼女のかわいいところだと思います。

―ご自身とあさ子で重なるところはありますか?

種﨑:私も彼女と同じで、あまり頭は回るほうではないのですが(笑)、常に全力なところは同じだと思います。不器用なので、むしろ色んな意味で全力投球しかできないわけです(笑)。
私自身はそんなに感じているわけではないのですが、アフレコ現場で「あさ子のまんまだよね」と言っていただいたりして。何も分からないなりに全力で演技していたのが伝わったのかも知れないですね。嬉しかったです。

―アフレコ現場で印象に残っていることはありますか?

種﨑:(トミオ役・名古屋役の)小野友樹さんがいたるところで名古屋の演技の練習をしていたのがとても印象的でした(笑)。小野さんは、人間としてとても尊敬できる方で、現場ではとてもお世話になりました。
『となりの怪物くん』のキャスト陣はみんな仲が良く、本当に楽しい現場でしたね。終わってしまったのが信じられません。

―今後、またあさ子を演じることになったら、どのように演じたいですか?

種﨑:今までと変わらず、ハル君やミッティ達みんなを見ながら感じたままの演技をしたいと思います。
また、今後出てくるであろう(寺島拓篤さん演じる)ヤマケンの妹である伊代ちゃんのキャラクターが強烈なので、負けないように今から伊代ちゃんの中の人にも(まだ決まっていないと思いますが)宣戦布告しておきます(笑)。

―アニメの作中で印象に残っているシーンはありますか?

種﨑:全てハル君と雫ちゃんのシーンなのですが、第2話「変」のラストの屋上で二人がいるところと、第8話「おいでませ!松楊祭」の、雫が「また勉強が手につかないほどハルのことが好きになっちゃうのか?」と真っ赤になってしまうところと、第11話「山口さんちの賢二くん」の、バス停でハル君が雫ちゃんに「好きだよ、雫」って言うところです。

―あさ子は出てくるたびに服装が変わっていますが、種﨑さんご自身はオシャレには気を使う方ですか?

種﨑:そうですね……Tシャツとジーンズみたいなラフなスタイルが好きで、普段はそのような格好が多いです。
ただ、お仕事に行くにはちょっとラフ過ぎやしないかと思うところがありまして(苦笑)。仕事にはまた違った服装で行くようにしています。

―今後、やってみたい役はありますか?

種﨑:私が声優を目指しはじめたきっかけの作品でもある『美少女戦士セーラームーン』のような、子供が観て楽しいアニメに出たいとずっと思っています。
それと、男の子の役をやってみたいです。目指したきっかけの一つに「声優なら違う性別の人間も演じられる」ということを魅力に感じた、というのもありますね。
あまり関係ないですが、食べ物もお子様ランチのメニューみたいな子供が好きなものが好物だったりします(笑)。

―今年は大事な年になるかと思いますが、2013年の抱負をお願いします。

種﨑:「昨年よりももっと多くの人に私を知ってもらう」です! ちなみにブログでも書きましたが、これとはまた違う抱負が、紙にかいてあり、机に貼ってあります。達成できたら皆さんの前でも発表しようと思っています。

―きたる2月24日には『となりの怪物くん』のイベントにも出演が決まっていますね。

種﨑:私にとって初めてのイベント出演、ということで、これはいい意味で捉えて欲しいのですが、何をしでかすか分からないので(笑)、楽しみにしていて下さい!

―では最後に、この記事をご覧になっている皆さんに一言お願いします。

種﨑:事務所あてのに下さる温かいお手紙や、ツイッターやブログへのメッセージ、いつもありがとうございます。皆さんの応援に支えられて生きているも同然です。
よりたくさんの作品で声やお芝居を届けられるように頑張りますので、よろしくお願いいたします!

<Text・Photo/ダンディ佐伯>

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