今年、大注目のバンド、フレデリックがミニアルバム『うちゅうにむちゅう』をリリース!

フレデリック | 2014.03.12

 今年、その活躍が期待される神戸出身の超個性派バンド、フレデリック。双子の兄弟を中心に結成され、ひと言では表せないユニークな音楽性と歌詞の感性に注目が集まっている。まるでオモチャ箱のように展開するサウンドは、レトロでもあり、ポップでもあり、ファンキーでもあり……と、まさにミクスチャー。一度聴いたらクセになりそうな歌詞にハマる人も増殖中だ。3月12日に初の全国流通盤となるミニアルバム『うちゅうにむちゅう』をリリースするとあって、さっそくメンバー4人をキャッチ。EMTG MUSIC初登場の彼らに、バンド結成のいきさつから、音楽へのこだわりをきいてみた。

EMTG:まず、バンド結成のいきさつから教えてください。とはいえ、みはらこーじさんとミハラケンジさんは双子なので、生まれた時から一緒だったわけですけど(笑)。
ミハラケンジ:バンドをするとしたら、弟のこーじしかおらんやろと思ってたんです。
みはらこーじ:自然とふたりで一緒にやろうっていうのは決まってたんです。
EMTG:では、ほかのふたりとは?
ミハラケンジ:僕は音楽の専門学校に通っていたんで、メンバーを探すのは簡単だったんです。ドラム科とかありましたし。でも、同い年じゃなく、なるべく違うところからメンバーを見つけたくて。あと、自分たちより年上で、人生的にもいろいろ教えてくれる人がいいなと思ったんです。
EMTG:不思議な理由ですね(苦笑)。
ミハラケンジ:それでメンバー募集のネット掲示板に告知を出したんですけど、一番最初に連絡させてもらったのが、ドラムのKaz.さんで。しかも、Kaz.さんが送ってきた項目に、“アシッドジャズ”が好きみたいなことが書いてあって、“え?アシッドジャズ? おっしゃれ?!”と思って返信させていただきました(笑)。すぐにセッションして、そのあと飲んで、Kaz.さんの加入が決定したという。
EMTG:話の展開が早いですね(笑)。
ミハラケンジ:とりあえず、バンドの形は整ったんで、さぁ、活動を始めようと思った時に、同じ専門学校のギター科で、なぜかそんなにからみがなかった?児からホームページ経由で連絡がきたんですよ。
EMTG:まわりくどいじゃないですか(苦笑)。
赤頭隆児:僕は名前も顔も知っていたんですけど、ケンジくんは知らなかったみたいで。
EMTG:どうして連絡したんですか?
赤頭隆児:彼が前やってたバンドのホームページとかマイスペースを見たら音源もあって。それを聴いて一緒にやってみたいと思ったんです。
ミハラケンジ:で、連絡をもらったんですけど、名前が“赤頭?児(あかがしらりゅうじ)だし、メッチャごついヤツが来るのかと思ってたんですよ。でも、まわりの人間に彼のことをきいてみたら“あ、赤ちゃんやろ?”って(笑)。
EMTG:赤ちゃんて(笑)。
ミハラケンジ:それで会ってみたら、やっぱり“いい人”感が出ていたんで、一緒にやることにしました(笑)。
EMTG:ちなみに、結成当時から今のような音楽性だったんですか?
みはらこーじ:そうではなかったですね。俺が作詞作曲をしているんですけど、基本的にメンバーの好きな音楽を自分なりに取り入れていった結果がフレデリックなんです。
EMTG:なるほど。では、こーじさんが作詞作曲をしてはいても、メンバー全員の色が混ざっているわけですね。
みはらこーじ:自分たちが面白いと思うものを、各自で話し合いながら形にしていくんですよ。自分が持っていないアイデアがほかのメンバーから出てくるのを、バンド内で楽しんでいる感じです。
EMTG:それこそロックだけでなく、様々な音楽性がミックスされてますもんね。あと、フレデリックと言えば、発売されたばかりのミニアルバム『うちゅうにむちゅう』のタイトルを含め、歌詞における言葉のセンスも非常に面白くて。『うちゅうにむちゅう』とか、ついつい言いたくなります(笑)。
みはらこーじ:楽しいじゃないですか(笑)。そういうのが好きなんですよ。
EMTG:事前情報によると、双子のおふたりは、たま(超個性派バンド。イカ天でブレイク)がお好きだとか。
ミハラケンジ:もうルーツです。
EMTG:リアルタイムじゃないのに、どうしてですか?
みはらこーじ:J-POPという、誰もが好きになるようなメインカルチャーの教科書をビリビリに破ったのが、たまだと思うんですよ。まさに音楽の可能性の限りをつくした、想像力をかきたてる音楽っていうか。自分たちの中で固められたたものを、一気に壊してくれた自由な音楽がたまだったんですよね。
ミハラケンジ:07年、たまが一度復活したタイミングがあったんです。それで結構YouTubeにイカ天の動画が上がっていて。僕が知ったのは、10年頃だったと思います。それでメチャメチャ衝撃を受けました。
EMTG:もちろん、フレデリックとたまの音楽性は違うものなんですけど、耳に残るメロディーを持っているところは共通する気がします。もしかしたら、メロディーと歌詞が一緒に出てくるタイプですか?
みはらこーじ:あ、そうです。メロディーをつける時は“ラララ”で歌わずに、歌詞と一緒に歌いながら作ってます。
ミハラケンジ:彼は家でもパッと出た言葉を歌ってますね。短い言葉ばかりなのに、それが最終的にはメロディーのある曲になったり、つながりのある歌詞になったりするんです(笑)。
EMTG:それって、かなり本能的に出てきた歌ですよね。
ミハラケンジ:そのメロディーのためにその言葉があったような感じなんです。
みはらこーじ:それ、メッチャええ表現やな(笑)。
EMTG:メロと言葉が同時にくるのって、童謡っぽいですね。
みはらこーじ:童謡っぽいっていうのも、よく言われます。
EMTG:しかも童謡には、やや不気味というか、コワいところもあって……。
みはらこーじ:あ、不気味っていうのもよく言われます(笑)。
EMTG:ということは、タイトルの『うちゅうにむちゅう』も本能的に出てきちゃった言葉とか?
みはらこーじ:もともと曲のストックの中にも“うちゅうにむちゅう”があって、この言葉はメンバー全員気に入ってたんです。で、アルバムタイトルにした話なんですけど、実は宇宙のことって、5%くらいしかわかってないらしいんですね。残りの95%は未知なんですよ。それって自分たちらしいなと思いまして。残りの95%に期待していて欲しいんです。俺ら、自分たちの知らない部分を出す能力には長けてると思いますし、ストック自体もメチャメチャあるんです。もちろん、今回のミニアルバムは5%の中での100%なんですけどね。でも、今後のフレデリック自体の95%はまだ知られていないわけで。だから、“待っとけよ、お前ら!”っていう意味も込めました(笑)。
EMTG:そんな壮大な意味が! とはいえ、何となく言いたくなる言葉なんですよね、“うちゅうにむちゅう”って(笑)。
ミハラケンジ:“クチ気持ちいい”ですよね(笑)。
みはらこーじ:“クチ気持ちいい”言葉が好きなんです(笑)。今回のミニアルバムに入っている「bunca bunca」もそうですし。
EMTG:ライブはどんな感じですか? 曲も自由だし、フリーセッションとか始めそうですよね(笑)。
赤頭隆児:ライブでは“ちょっとやってみようか”みたいな感じで、いろいろ始めちゃうんです。
Kaz.:でも、それに気づかれるお客さんもいいて“いつも違うから面白いです”って言ってくれたり。
EMTG:そういう演奏スキルもあるのが末恐ろしい(笑)。あと、アートワークもすごく気になります。面白いですよね。
みはらこーじ:それは俺がやってます!
EMTG:何でもやっちゃいますね(笑)。
みはらこーじ:音楽は一番好きだし、メインのものですけど、アートワークもすごく好きなんで自分でやりたいんですよ。欲張りなんです。
EMTG:ジャケットからも、ちゃんとフレデリックの音楽が伝わってきますしね。
みはらこーじ:ミュージシャンにとって、ジャケットって大切だし、それを自分たちのイメージで形にしないと気がすまないんです。
ミハラケンジ:ジャケットって、手に取りたいですしね。
みはらこーじ:ちなみに、今回の『うちゅうにむちゅう』の歌詞カードは1枚1枚がカードになっていて、カードの裏には俺が描いたイラストがついてるんですよ。
EMTG:そこまでこだわりますか!
みはらこーじ:何か、面白いことをやっていきたいんです!
EMTG:すでに十分面白いですよ(笑)。

【取材・文:海江敦士】

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うちゅうにむちゅう

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2014年03月12日

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今回、タワーレコードさんの激オシアイテムに選んでいただいたんですけど、選んでいただいたからには、ちゃんとタワレコメンの意味を知っておこうと思って調べました。

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今日、真っ先に検索したのは、事務所の場所を調べることでした(笑)。

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昨日あまり寝られなかったんで、これを調べました。チュートリアルのネタなんですけど、メッチャ面白いんですよね。動画を見てからは速攻寝ました(笑)。


■ライブ情報

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2014/04/18(金)宮城 仙台MACANA

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2014/04/29(火)神戸ポートアイランド

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2014/05/04(日)新潟市内7会場

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