ブログ:マクドナルドで時給2100円稼げる国

Demonstrators gather outside a McDonald's restaurant in New York
5月15日、デンマークのマクドナルドで働くLouise Marie Rantzauさんは、ファストフード企業が従業員の給与などの待遇改善に努めるべきだと訴える。写真はニューヨークで行われたデモ(2014年 ロイター/Brendan McDermid)
Louise Marie Rantzau (外部寄稿者)
[15日 ロイター] - 私はマクドナルドで働き、21ドル(約2100円)の時給をもらっている。タイプミスではない。それが本当に私の給料だ。
私はデンマークのマクドナルドで働いている。そこでは労働組合と会社との合意により、18歳を超える従業員には最低時給21ドル、18歳未満には同15ドルが保証されている。
つまり、デンマークのマクドナルドで働く10代の若者は、米国の同社で働く多くの成人従業員の2倍以上稼いでいることになる。
ファストフード店で働くことが良い仕事であるはずがないと言う人に、私は自分の仕事が「悪くない」と答えるだろう。
実際、良い部分もある。組合とマクドナルド側との取り決めでは、例えば、多くの諸外国で労働者らがその実現のために闘っている有給の病気休暇が与えられる。他の大部分の国とは違い、残業手当や最低週2日の休暇もある。どんなレストランでも、少なくとも10%の従業員は週に最低30時間働く必要がある。
しかし、私は先週ニューヨークで、世界各国のファストフード店で働く、自分ほど幸運ではない人たちと会う機会を得た。私たちは公正な給与と職場での尊厳を要求しながら、マンハッタンのミッドタウンをデモ行進した。
私が会った多くの米国従業員は、時給が9ドル未満だ。デンマークではファストフード店で働くほとんどが副収入を得ようとする学生だが、米国では圧倒的多数が家族を支えるために働く成人だ。最近の調査では、約70%が20代かそれ以上で、25%以上が子どもを育てている。
例えば、私が会ったジェシカ・デービスという女性は、シカゴのマクドナルドで働き、4歳と生後4カ月の2人の娘を持つ。そこで4年間勤務しているが、時給は8.98ドルで、勤務スケジュールは不安定だ。
どうしてファストフード企業は、従業員に懸命に働くことを望む半面、生活できるだけの給与を支払わないことができるのだろう。マクドナルドのような大企業で巨額の利益計上を支えている、すべてのファストフード店従業員が、彼ら自身の生活を支えられるようにするべきだ。
また、デンマークで私たちがそうであるように、従業員は職場で発言権を与えられるべきで、マクドナルドはすべての国で労働者の権利を尊重し、彼らが組合を作り声を上げられるようにすべきだ。
私たちはかつて、マクドナルドから組合結成を認められず、そのために闘う必要に迫られた。それは多くのデモが行われた5年にわたる争いで、同じような活動は15日、世界各地に広がった。
私もデンマークで、そうしたデモに参加するつもりだ。
*筆者はデンマークのマクドナルドに6年間勤務する従業員。このブログは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
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