清滝米大教授が首相に物価2%達成可能と指摘、政策を進言

清滝米大教授が首相に物価2%達成可能と指摘、政策を進言
 5月28日、安倍首相が27日に中原伸之・元日銀審議委員とともに米プリンストン大の清滝信宏教授とマクロ経済政策をめぐって意見交換していたことがわかった。写真は都内の電子ボードに映る首相。昨年4月撮影(2014年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 28日 ロイター] - 安倍晋三首相は27日、中原伸之・元日銀審議委員とともに米プリンストン大の清滝信宏教授とマクロ経済政策をめぐって意見交換していたことがわかった。
清滝教授はノーベル賞候補に挙がっている米国でも著名な経済学者で、中原氏によると、日銀が2%の物価目標を達成できると指摘するとともに、財政再建や成長戦略の重要性などについて、安倍首相に説明したという。
首相官邸で安倍首相と会った清滝教授は、従来型の公共投資は効率が悪いため、インフラの更新投資の方が望ましいと指摘。教育・熟練技術など無形資産への投資が重要とも強調し、若い人々が正規社員として安心して生活できる雇用環境の大切さなどを説いた。
また、最終製品になるまで国境を複数回またぐ中間財の貿易が比重を増しているため、関税撤廃を進める環太平洋連携協定(TPP)に加盟しない場合、世界貿易の輪から取り残されると進言したという。
清滝教授は、経済に対する小さなショックが生産性低下の循環をどのように引き起こすかを示した「清滝・ムーアモデル」を構築したことで知られ、ノーベル経済学賞の有力な候補の一人として注目されている。

竹本能文 編集:田巻一彦

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