欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)はベルギーで現地時間2009年6月29日,携帯電話機の充電器の共通化に関して大手10社が合意に達し,覚書(MoU:Memorandum of Understanding)を締結したと発表した。Micro-USBをインタフェースとする共通の充電器で各社の端末を充電できるようにする。対応端末は欧州で2010年から登場する見込み。

 覚書を締結したのは,米Apple,韓国LG Electronics,米Motorola,NEC,フィンランドNokia,米Qualcomm,カナダResearch in Motion(RIM),韓国Samsung,スウェーデンSony Ericsson Mobile Communications,米Texas Instruments。

 ECは,携帯電話本体と併せて充電器も買い換えなくてはならない現在の状況は,利用者に不便なうえに無駄も多いとして,携帯電話業界に自主的な取り組みを促していた。今回の合意は,業界団体のGSMAが今年2月に取りまとめた内容をもとにしたもの(関連記事:携帯電話の業界団体,充電器の規格統一で協力へ)。Micro-USBを利用する共通仕様で充電器を統一し,完全な互換性を確保する。

 充電器の共通化は,利用者の利便性向上や販売価格の低下に加え,環境面への好影響も大きいとECは指摘する。今回の覚書を受けて,端末と充電器の製造元が異なる場合でも安全性を確保できるよう,新たなEU標準(EU standard)を策定する予定。

 覚書では,USBによるデータ交換機能を備えた携帯端末のみを対象としているが,2010年以降に登場する端末の大半はこうした機能を備えるようになるとECはみている。また,覚書の適用地域はEU圏内のみだが,携帯電話市場は本質的に世界規模であるとして,この取り組みがほかの地域にも広がることを期待するとしている。

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