地質学雑誌
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論説
中部日本,中期更新世古期御岳火山の火山活動史
—テフラ層序学と記載岩石学に基づいて—
竹下 欣宏
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2004 年 110 巻 3 号 p. 158-174

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抄録

古期御岳火山の降下テフラおよび火砕流堆積物を記載し, 降下テフラの重鉱物組み合わせ, 重鉱物の主成分化学組成を明らかにした. 降下テフラの記載岩石学的特徴と年代値の明らかな溶岩層およびテフラ鍵層との層序関係に基づき, 古期御岳火山の詳細なテフラ層序を確立した. テフラの層序および重鉱物組み合わせに基づき, 古期御岳火山テフラステージを下位より, Hサブステージ (主に緑色角閃石を多く含む降下テフラを噴出する活動が盛んな時期 ; 約0.78 Ma以前), PHサブステージ (主に褐色角閃石, 斜方輝石, 単斜輝石を含むテフラを噴出する活動が盛んな時期 ; 約0.78-0.70 Ma), OPサブステージ (主にかんらん石, 単斜輝石, 斜方輝石を含むテフラを噴出する活動が盛んな時期;約0.70-0.64 Ma) に区分した. この区分は, 古期御岳火山の山麓全域において年代値の明らかな溶岩層やテフラ鍵層との層序関係と矛盾なく確認された.

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© 2004 日本地質学会
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