哺乳類科学
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報告
九州における2000年以降のクマ類の目撃事例
栗原 智昭
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2010 年 50 巻 2 号 p. 187-193

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抄録

九州のツキノワグマUrsus thibetanus個体群は絶滅した可能性が高いという意見がある一方で,地元での目撃情報は少なくない.2000年5月から2010年4月の10年間に得られた目撃情報の中から,7つの判断基準に基づき信頼性が高いと判断されるものを抽出したところ,祖母山系宮崎県側での6件のべ8頭の目撃情報がこれに該当した.クマ類である可能性は,極めて高い3例,十分高い1例,高い2例であった.これらの証言のみから目撃された動物をツキノワグマと断定することはできないが,野生のクマ類の生息が強く示唆された.

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© 2010 日本哺乳類学会
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