2017 年 60 巻 9 号 p. 582-589
脳卒中後の亜急性期における糖尿病未診断患者の耐糖能異常について検討した.回復期リハビリテーション病棟に入院した糖尿病未診断の132名に75 gブドウ糖負荷試験を行った結果は,糖尿病型19.7 %,境界型44.7 %,正常型35.6 %であり,新規診断糖尿病と非糖尿病では血糖指標以外の検査項目ではほとんど差がなく,高血圧・脂質異常合併率,Homeostasis Model Assessment for Insulin Resistance,血清C-peptide immunoreactivity,Hb値,頸動脈Plaque面積でのみ差があった.空腹時血糖値101 mg/dL以上,食後2時間血糖値124 mg/dL以上,HbA1c 6.1 %以上で糖負荷試験を行えば未診断糖尿病の掘り起しに有用で,脳卒中二次予防や血管疾患合併予防に重要と考える.