◎市長(吉尾勝征 君) ただいま任海議員から、Jリーグの誘致並びに都市基盤整備優先行政に関しまして御質問をいただきましたので、順次お答えを申し上げてまいりたいと存じます。
 まず最初にJリーグ関係でございますが、その誘致の目的と意義についてでございます。既に御承知のことと存じますが、Jリーグは設立の趣旨の一つといたしまして、ホームタウン制の確立ということがございます。これは、地域と密接な関係を結び、地域の住民と深い交流を持つことを意味いたしております。地域社会にしっかり根ざすということが、地域のスポーツ振興や経済の活性化につながり、また、小学生から高校生に至る各チームを一貫しての指導、育成することなど、プロチームを目指しまして、頂点といたしましたサッカーのシステムが、青少年の健全育成に与える影響も大きなものがあると思っております。
 御承知のとおり、もともとこの関東村基地跡地は、昭和48年に米軍から我が国に返還された土地であります。その土地に、跡地利用をいかに市民のために有効に活用していくかということは、市議会の皆様を初め、今日まで歴代市長、歴代議員、さらには市民の皆様とも一生懸命考えてきたところでございますし、この10月に至りまして、六者協議会で土地利用計画が合意を見、これからの展望が期待をされているところでございます。
 私どもは、全国的に見ましてもまだ市制施行後の年数の浅い都市でもありますし、さらには本当に小さな19万6,000の財政力にも弱い都市でございます。そうした中にありましても、ちょうど今、神奈川県から移管をされまして100年という節目の年を迎えるに当たりまして、東京都の一極集中、よしあしは別といたしましても、多摩地域にたくさんの人口が今日住むようになってまいりました。その数は約365万ということで、TAMAらいふ21事業、VOICE93事業を展開してきたところでございます。
 そうした中にありまして、この基地跡地の利用につきましては、多摩32市町村全員の首長さんの御賛同をいただく中、ぜひ多摩国体の一つの拠点として、ここにスポーツのスタジアムをつくっていこうじゃないか。それも、3万5,000人以上の多目的利用にかなう施設をつくっていこうじゃないかという運動が起こり、東京都にも要請をし続けてまいってきたところでございます。
 また昨年来、調布市民の中からは、武蔵野の森スポーツ施設には、ぜひサッカー、今をときめくJリーグを誘致できないだろうかという運動が展開をされてまいりました。私どももそうした市民の意向を受けまして、東京都に多摩国体とあわせてのスタジアム、プロサッカーチームを誘致することができないだろうか、スタジアム建設が可能かどうかという打診、お願いをし続けてきたところでございます。その成果が実りまして、11月7日、議員が御指摘のとおり、TAMAらいふ21のエンディングプログラムの中で、知事から多目的に、しかも多摩国体を目指し、さらにはサッカーの公式試合にも可能なスタジアムの建設を第三セクターで早期に着手してまいりたいという発表に至ったところでございまして、これまで運動を続けてきました私どもとしては、大変うれしく思っているところでもございます。
 これと相前後いたしまして、調布のまちの中には、そのプロサッカーチームを誘致したいという声の高まりとともに、調布市議会におきましても、また代表質問が展開をされましたり、市議会全会派一致の誘致決議をしていただきましたり、さらにはその9月におきましては、それに伴う補正予算を展開していただいたりしたわけでございます。
 私どもは、市議会の皆さんや市民の皆さんのその運動の高まり、御支援を背に、果たしてどこに可能性があるかということを、既に東京ガスチームと運動を連携いたしておりました、誘致をいたし、呼びかけをいたしておりましたつくる会の皆さんとも、さらにはこの予算の委託ということから考え合わせますと、市民のもろもろの団体に御参加をいただきたいということの中から、重立った15団体の皆様方に誘致する会を結成をいただきまして、その方々ともまた御相談を進めてまいってきたところでございます。
 既に10チームで今年度はJリーグがスタートいたしております。皆様方から誘致御決議をいただきましたけれども、今後の展開の中で、果たして調布に来てくれるチームがあるかどうかということは、私どもにとりましても大変な心配の一つでございました。したがいまして、運動体を含めましていろいろ御協議をいただく中、既に名前の挙がっておりました東京ガス、さらには、後ほど詳しく申し上げますけれども、川崎ヴェルディさんと2チームに絞って交渉を展開することになったわけでございます。
 その理由等々につきましては、議員の皆様方には既に資料をもちまして御配付をさせていただいているところでもございます。しかしながら、今日に至りまして、それぞれ誘致をお願いを申し上げました2チームからそれぞれ回答があったという報告を本日、誘致する会会長より受けたところでございます。
 その内容でございますが、ヴェルディ川崎からは、本拠地を調布に移すということの明言をいただきました。さらに川崎市との問題につきましても、責任を持って円満解決を図るとお約束をいただきました。さらに東京ガスからは、公益事業としての制約の中で対応し得る限度を超えたものであり、要請にこたえることができないと、まことに残念なお答えであったと報告を受けております。
 このような状況の中、誘致する会にありましては、ヴェルディ川崎を誘致すると決定をいたしましたので、市といたしましても、今後におきましては、この運動を支援申し上げてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても誘致のためには、ヴェルディに対し、川崎市との相互の信頼関係の中で円満解決をお願いいたしたいと思っております。また、誘致すると申し上げましても、最も肝心なスタジアムそのものが建設をされていない、持っていない調布市でございますし、さらにチームの進出につきましては、Jリーグの御判断が不可欠でございますから、それぞれ今後の努力にかかっていると思っております。どうぞ御理解の上、御支援のほどお願いを申し上げます。
 なお、ハード面につきましては、交通アクセスや駐車場対策はもとより、周辺への騒音対策、夜間の照明漏れ、ごみ処理問題などの周辺環境対策等の重要な課題がございます。地元がけんけんごうごうと、私があえて市報の中で書かせていただきましたのも、
 このJリーグに対する運動体、あるいはスタジアムができるということにつきましても、非常にまだ先行きの見えない課題でございますので、地元の皆様方に現状についてなかなかお話しする機会がなかった、そういうことから一体どうなっているんだという意味での御指摘が市庁舎にも伝わってきておったという意味で書かせていただいたものでありますし、地元の御不安はもっともであります。私もわかっていますよ、そういう意味で書かせていただいたわけでございますので、ぜひ御理解を願いたいと思っております。
 また、周辺にお住まいの皆様からもいろいろな御意見や御要望もいただいてございますので、今後、地元とも十分相談をさせていただいた中で、将来のまちづくりに支障がないように全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
 さらに、ホームタウンを市独自か他の自治体との連携を前提にしているかといった趣旨の御質問でございましたけれども、Jリーグの規約の中では、特定の市町村をホームタウンとして定め、と明記、規定をされております。ホームタウンは調布市と考えるのは、地元の市長として当然のことでございます。ただ、スタジアムは、TAMAらいふ21重点事業といたしまして、多摩国体を念頭に、東京都並びに地元3市など都下市町村の共同出資を中心として第三セクターが建設主体となること等の背景も考えておかなければならないと思っております。
 残余につきましてはそれぞれ担当からお答えを申し上げさせていただきますが、議員も御指摘なされておられましたように、いずれにいたしましても、この調布の地にJリーグの夢を実現させることができるならばということで追い求めている今日の私どもでございますだけに、このことをもって市民の中に亀裂が生じることのないように、円満な運動体となっていけるように今後とも努力を重ねてまいりますので、御理解のほどお願いを申し上げます。
 続きまして、一番最後の御質問につきましても私から考え方を触れさせていただきたいと思います。
 都市基盤整備の基本的な考え方でございますけれども、確かに経済事情の悪化に伴いまして税収も落ち込み、市財政もかつてないほど厳しい状況にありますことは昨日の一般質問でもお答えを申し上げたとおりでございます。したがいまして、都市基盤整備の重要性、緊急性につきましては十分認識をしつつも、今後も、今まで同様のペースを保つことができるかということにつきましては、大変憂慮をいたしております。
 しかしながら都市基盤の整備は、次の世代のために行う、いわば投資であります。借財が残されるのが負の遺産でありますように、都市基盤整備のおくれもまた大きな負の遺産であります。まちづくりは都市基盤の整備をしたところから人々が住み、土地を利用するのが本来の姿であります。
 しかし本市の場合には、基盤整備がなされないままに人口の急増期を迎えたという歴史的背景がございます。その結果、都市の安全性、利便性、快適性が十分とは言えないというのが今日の姿でございます。したがいまして、20万人の人々が安心してその人生を全うできる調布を実現するために都市基盤を整備いたしますことは、緊急にしてかつ必要なことであると考えております。
 御指摘にもございましたが、国領駅西地区等々というように、まだ点に対する投資でありますために、残念ながら、その成果が目に見えてこないということも事実でございますが、必ずや、あのとき手当てをしておいてよかったと言えるときが来るものと確信をいたしております。なお、西口再開発との関連で、具体的にお名前をお出しなされて殊さら御質問いただきましたこと等々につきましては、いかがなものかなと憂慮をいたしております。
 以上です。