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別府の地形と地質 フィールド博物館代表 竹村 恵二

はじめに
-活火山鶴見岳から広がる扇状地-


別府湾からの別府扇状地の風景

別府は,南北方向の海岸、西方に連なる活火山鶴見岳(1375m)を中心とした山々、それらをつなぐ扇状地(坂道)で特徴づけられます。扇状地の南側には別府湾から突き出たような高崎山へ続く平坦な山が連なり、扇状地との間は活断層によって限られています。扇状地の北側にも丘陵がひろがり、この境界付近も断層が推定されています。この扇状地の南北に四湯ずつ別府八湯の温泉が広く分布しています。

分布する岩石や地質は,地球の現代である第四紀(現在から約260万年間)に形成されました。ほとんどが火山活動による岩石です。古い方から並べてみます。観海寺安山岩の活動(190万年前)、浜脇付近に分布する浜脇層の堆積、由布川火砕流の活動(60万年前)、南の乙原や小鹿山・雨乞岳・北の鹿鳴越に分布する輝石安山岩の噴出(40-50万年前)、高崎山や実相寺山の火山の活動(30万年前)があり、現在も鶴見岳・伽藍岳・由布岳の活火山の活動が継続しています。これらの火山活動は、火砕流や土石流を伴い、坂道の風景である扇状地を形成してきました。角閃石安山岩で、別府石ともよばれています。