「Voice 12月号 特集 金融危機を突破する法」に「特集Ⅱ 東アジアの危険な火種 韓国経済は崩壊寸前だ ウォン暴落、純債務国化-悪循環は連鎖する」を寄稿しました。
http://www.amazon.co.jp/dp/B001IUMRZW/
「撃論ムック 米中発・世界大恐慌」に「Q&A基礎から分かる世界大恐慌(P26)」及び「リーマン・ショックで韓国経済は破産(デフォルト)する(P129)」を寄稿し、更に冒頭の「特別座談会 金融グローバリズムの崩壊と日本の未来」にも出演しています。
http://www.amazon.co.jp/dp/477551279X/

 最新刊の週間東洋経済11/15特大号は「円高で強くなる!」と、実に当ブログ管理人好みの特集でございました。しかも「円高で日本経済マンセー」というノリではなく、円高が日本経済に与える正の影響、負の影響をバランス良く分析しており、文句なしです。90点差し上げましょう。
 中でも、円高が日本の就業者へ与える影響、及び各業種に与える影響をモデル化して記載していた箇所など、素晴らしいです。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_14.html#Endaka

 東洋経済のデータを見ると、興味深いことが幾つも分かります。
 例えば、円高が国内の就業者に与える影響を見ると「好影響」が3108万人、「悪影響」が2301万人と、好影響を受ける人の方が多いのです。円高は無論、大手輸出企業には大きなマイナスですが、国内の中小企業にはプラスの影響を与えます。そして、日本の就業者の七割以上が実は中小企業に勤めているわけです。円高から好影響を受ける就業者の方が多くても、むしろ当たり前に思えます。(大手輸出企業がスポンサーの国内新聞は、決して書かないでしょうけど)
 また、円高の影響は業種によっても「好」であったり「悪」であったりするのです。
 好影響を受ける代表的な業種は、鉱業、繊維、石油・石炭、非鉄金属などで、悪影響を受ける代表産業は輸送機械(自動車)、電子部品、そして電子機械です。まさにトヨタ、ホンダ、日産、東芝、エルピーダ、ソニー、シャープなどの大手輸出企業が総崩れなのも、無理もないわけです。(こんな状況にも関わらず、増益になったパナソニックは、本当に凄いです。)
 今回の東洋経済は、外部環境的に金融危機(&円高)が日本経済に与える影響として、
【脅威】 外需減少、ガラパコス化、少子高齢化
【機会】 川上シフト、内需産業の逆襲、世界一の技術を活用、地方からの胎動、海外M&A
 と分類しています。更に著名エコノミストからの「円高ゆえにどうするか」の助言を「賢者の提言」として載せており、非常に参考になりますので、是非ともご一読される事をお奨めします。
 ところで、わたくしは榊原英資が嫌いです。なぜならば、彼こそが「政権交代」という最強の政治的成果を目的に、日本を貶め、日本人を貶め、日本経済を貶め、自民党政権を批判してきた代表株だからです。ここ数年の彼の代表的な著作を並べてみます。

 【政権交代 文藝春秋 2008/4/23】
 【日本は没落する 朝日新聞社 2007/12/7】
 【幼児化する日本社会―拝金主義と反知性主義 東洋経済新報社 2007/7/6】

 どうです。この香ばしいタイトルの数々。
 そもそも榊原英資は民主党のシャドウ・キャビネット(影の内閣)の財務大臣に就任していました。その彼が日本を貶める目的は、現政権(自民党政権)を全否定させ、日本国民がラディカルな政変を望むように誘導する以外に有り得ないわけです。政治的目的があまりにも露骨な状況で、日本を故意に貶める行為が、果たして真っ当なエコノミストに相応しい行為といえるでしょうか。
 別に、改めて言うまでもありませんね。
 民主党政権実現のために日本、日本経済を貶め続けていた榊原英資が、今年の九月にいきなり「強い円は日本の国益」などという、まるで筆者の彩図社三部作の最終章のような著作を出版したので、思わずひっくり返ってしまいました。と言うか、榊原英資の口から「国益」という言葉が出るとは・・・。
 今年の九月といえば、自民党総裁選挙真っ盛りでした。あの頃、榊原英資が出すべき本は「円高で日本経済は滅亡する。政権交代による復活の道」とか何とかでしょう、どう考えても。
 榊原英資が心変わり、つまり民主党と決別したのかどうかは知りませんが、今回の東洋経済の「賢者の提言」のトップバッターとして登場していました。榊原英資が「賢者」かよwwwと思うなかれ。(まあ、筆者も思ったけど)書いている事は、至極まともでした。

強い円で「価格革命」に対抗せよ 産業構造の川上シフトを実現せよ
■今の1㌦90円は、10年まえの120円程度。円高を恐れる必要は全くない
■資源小国である日本のリソースは、技術とカネ。そのカネの価値が上がる円高は、歓迎すべきだ。
■10月末の日銀利下げは殆ど意味が無い
資源やエネルギー産業、そして農業を振興し、産業構造を川上にシフトせよ

 う~む・・・。突っ込みどころがなく、逆に不気味です。
 他の「賢者」の方々の提言を、まとめてご紹介。

野口悠紀雄氏
■日本の輸出立国モデルは、すでに破綻した。円安にしがみつくと20年不況になる
■日本は1㌦80円や70円で成立するような産業構造に転換しなければならない
日本は72年の石油ショックは、円高により成長路線を進むことができた。逆に当時の英国はポンド安で輸出を増やそうとしたが、それ以降の20年間、スタグフレーションから脱出できなかった。
■円高は輸入品が安くなるので、個人の生活が豊かになる。

三國陽夫(お!)氏
■90年代に1㌦100円割れになったとき、日本が円高阻止に動いた。このため日本国内の購買力が失われ、その後の長期低成長を招いた。(注:ちなみに、90年代の円高阻止の張本人が、ミスター円こと榊原英資
■円高の影響を抑えるため、価格設定権を持つ製品に切り替えよ
■ニーズはその国の文化。そしてニーズを増やすには、国内の消費を増やせばいい
円高で内需を活発化し、それにより国際競争力を持つ製品を生み出せ

富山和彦氏
加工貿易一本足では、日本は生き残っていけない
■海外からの交流人口を増やし、良質な労働力を取り入れよ
■今こそ構造転換のチャンス
■世界がフラット化するほど、「日本らしさ」が逆に問われる。日本とは何者なのか、今まで以上に問われている。

 一年前ならともかく、今になってこういうこと(円高発展論)を唱えるのは、「後だしジャンケンだ」などと言うなかれ。何度も本ブログに登場したダーウィンの言葉を、もう一度思い出して欲しいのです。

「最高に強い種が、最高に知的な種が、生き残るわけではない。周囲の変化に最も敏感に適応した種が、生き残る」

 人気ブログランキングに参加しました。
 日本経済wktk(韓国と逆の意味で)!な方は↓このリンクをクリックを。
http://blog.with2.net/in.php?636493  
 ※現在、人気ブログランキングの「ニュース部門」で二位に転落中でございます。皆様のご協力を、何とぞ m(_ _)m

 新世紀のビッグブラザーへ ホームページは↓こちらです。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/index.htm
 新世紀のビッグブラザーへ blog一覧は↓こちらです。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/blog.html