民法の「夫婦別姓は認めない」という規定と、「女性は離婚後6カ月間は


再婚できない」という規定が、憲法違反かどうか争われた2件の訴訟が、


最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)で、15人の裁判官全員によって


審理されることが、決まりました。同様の訴訟で、これまで最高裁が違憲か


どうかを判断したことはなく、合憲か違憲かを初めて判断することになります。


この2つの規定は、性差別にあたるとして、国連の女性差別撤廃委員会から


何度も、民法の規定を改めるよう勧告されていますが、政府は取り組まず、


2年以内に法改正をと、更に強く勧告されても、実現していません。1996年


に、法制審議会が、改正案を答申しています。通常、政府の審議会が答申


すれば、政府案が国会に提出されるのですが、この家族に関する民法改正は、


保守系の自民党議員の強い反対で、政府案は提出されませんでした。


その後、野党を中心に超党派の議員立法で改正案を再三提出し、私も提出者に


なっていましたが、いまだ、実現していません。民主党に政権交代した後、


成立をめざしましたが、連立を組んでいた国民新党の反対で、できません


でした。なぜ、この規定が問題かというと、選択的夫婦別姓は、女性だけが


ずっと使ってきた姓を結婚とともに失うことになること(97~98%位が、女性が


姓を変えている)、仕事をしている女性が姓を変えることで不利益になる、


世界で同姓が強制されているのは日本だけ等の理由があり、選びたい人が


選べるようにしたいということです。世論調査では、賛否が半々ですが、これは、


選択肢を豊かにするためにも、是非、実現してほしいことです。また、再婚禁止


期間は、子どもが、前夫の子か新しい夫の子かわからない、ということから


規定されていますが、医療技術の発達から、6カ月は必要なく、100日ということ


を議員立法では提案していました。最高裁が大法廷で、憲法判断をする、という


ことは、実情に合わなくなっているのに、改正されない家族に関する法律の今後に


大きな影響があると思われるので、注視していきたいと思います。