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医療・健康・介護のコラム
[歌手 井上あずみさん](下)ひとり娘は3歳で白血病、難病の子どもたちもトトロが大好き…病を乗り越えた18歳の娘と共にステージに
「となりのトトロ」の主題歌や「天空の城ラピュタ」のエンディング曲でおなじみの歌手、井上あずみさんは39歳で娘を授かりました。最愛のひとり娘は3歳の時に白血病を発症。生きられるか、障害が残るかも……という心配を超えて、病気から回復。今は18歳になり、元気に音楽活動に取り組み、母ともステージに立っています。スタジオジブリと出会って歌手としてポジションを築いてきましたが、大きな苦難もありました。家族や生活について聞きました。(聞き手・渡辺勝敏、写真・中山博敬)
子宮の部屋が二つある双角子宮、39歳の時に帝王切開で出産
――高校卒業後にアイドルとしてデビュー。23歳で「天空の城ラピュタ」の曲を歌って、30歳代になるころには、ジブリ作品の歌以外にも「NHKみんなのうた」などで歌手活動は軌道に乗りました。出産は遅かったそうですね。
34歳の時にマネジメントをやってくれている夫と結婚して、出産は39歳の時です。月の半分はコンサートをやっていて、仕事がノッていたので、「子どもはできないならそれでもいいかな。おなかが大きくなって仕事が減るのもなぁ……」なんて思っていたんです。それでも妊娠したら、逆に仕事が増えて、大きいおなかでステージに立ちました。出産の1か月前まで仕事をして、出産の40日後には復帰しました。
――ということは高齢出産でしたが、順調だったわけですね。
出産は帝王切開だったんです。私は、双角子宮と言って、子宮の部屋が二つに分かれていて、短い生理が2回ある状態だったんです。妊娠して検査をするまで知らなかったので、お医者さんから「この年まで気がつかない人いませんよ」と驚かれました。妊娠可能な期間が短いので妊娠しにくいと説明を受けました。赤ちゃんは片方の部屋にいて逆子のままだったので、「早く産んだ方がいい」と言われて、予定日よりも2、3週間早く出産しました。2536グラムと小さめでしたが、保育器に2、3日いただけで元気でした。
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