二階氏ら与野党幹部、中国共産党に祝意 志位氏は批判

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 結党から100周年を迎えた中国共産党に対し、与野党は電報などで祝意を示した。ただ、台湾問題のほか、新疆ウイグル自治区や香港での人権や自由の問題などへの強い懸念もあり、各党からは「儀礼的なもの」との声が上がっている。

 自民党二階俊博幹事長は、中国共産党に幹事長名で祝意を示す電報を送った。党関係者が1日明らかにし、「送るのが常識。送らない方がおかしい」としている。公明党山口那津男代表は1日、東京都内で記者団に「一つの政党で100年を迎えるということ自体なかなかない」とし、「なお一層、世界の平和と発展、安定のために力を尽くしていただきたい」と祝意を語った。

 また、立憲民主党枝野幸男代表の名義でメッセージを送った。枝野氏は先月30日の記者会見で、「もろ手を挙げてお祝いをするという状況にはないとは思っている」としつつ、「儀礼的なメッセージは国際局で用意している」と述べていた。

 一方、共産党の志位和夫委員長は1日、自身のツイッターで「中国による東シナ海南シナ海での覇権主義的行動、香港やウイグルでの人権侵害は、社会主義とは無縁であり、共産党の名に値しない」と指摘。小池晃書記局長も同日、自身のツイッターで、「(中国共産党に祝電は)送っていません。先方から要請もありません」とつづった。

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    遠藤乾
    (東京大学大学院法学政治学研究科教授)
    2021年7月2日0時51分 投稿
    【視点】

     祝意の対象にするには、中国共産党はダークすぎはしないか。新疆ウイグルで教化収容所に入れられた百万を超える人たち、香港でささやかな市民的・政治的権利すらも奪われた人たち、暴力で脅され続けている台湾の人たちを思い浮かべるとき、自民、公明、立民

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    佐藤武嗣
    (朝日新聞編集委員=外交、安全保障)
    2021年7月2日11時34分 投稿
    【解説】

    いま日本外交が直面している最大の課題が、中国とどのような関係を構築するかだ。日本にとって、軍事的台頭で安全保障面での懸念が強まる一方、中国は経済では最大の貿易相手国。同盟国・米国が対中強硬姿勢を強めれば、より日本の立ち位置は難しくなる。その

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