2005 年 8 巻 Supplement 号 p. 25-26
酪酸生成ルーメン菌Butyrivibro fibrisolvensの経口投与よる,大腸癌の抑制効果について調べた。まず,酪酸生成能が高い新規菌株をヤギから単離した。本菌をマウスに経口投与したところ,糞中微生物による酪酸生成量が増加した。また,本菌の投与により,発癌物質で誘発した大腸前癌病変の形成が抑制された。本菌の投与区では大腸内容物中のβ-グルクロニダーゼ活性が低下していたので,このことも前癌病変形成抑制効果の一因であろうと考えられた。以上の結果から,B. fibrisolvensをプロバイオティクスとして利用することにより,大腸癌を予防・抑制できる可能性があると考えられた。