WANDS

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静かに熱く燃えたWANDSの1995年は、衝撃度満点のシングル「Secret Night〜It's My Treat〜」で幕を開け、その圧倒的な音楽性の充実度が光るロックアルバム『PIECE OF MY SOUL』から、初の全国ツアー。そして12月、それまでを軽く上回るヘヴィネスを振りまく問題作「Same Side」の発表でその幕を降ろそうとしている。
96年、WANDSはどんな素晴らしいアルバムを引っ提げて我々の前に現れてくれるのだろう。そしてどんなライブを…?ニューアルバムのレコーディングにいそしむ上杉 昇と柴崎 浩に、この1年を振り返って語ってもらい、僕たちはその大きく膨らむ想像力で、彼らの次のステップを探る手がかりをつかみたいと思う。


95年2月
「Secret Night」リリース

●95年は、WANDSにとってかなりテンションの高かった1年ですか。
柴崎(G、以下S):そんなに高くなかったし、1年を早く感じたし、早いっていうのは、それほど充実してなかったのかなと思ったりして。
上杉(Vo、以下W):考えることが色々多かった年ですよね。

●この1年はWANDSが次々といろんな壁を打ち破ってきた1年だなと、僕たちは思っていたからいつになくテンションが高かったんじゃないかって考えてたんですけど。自分たちとしては、当たり前の流れだっていう意識だった。
S:周りの期待とかプレッシャーとかをあんまり感じずにやってきましたから。

●じゃあ、今僕が言った、壁をぶち破ったみたいな意識は?
W:具体的に作品一つを取っても、『PIECE OF MY SOUL』でコアな感情に引っ張って来れたんだけど、それだけにこれからの課題を多く生んだアルバムでもあったんですよ。その課題を今回の新しいシングルでクリアできたっていうことを考えると、あのアルバムを出せたってことは、壁っていうか、自分の志すものをクリアしていっているとは思います。

●95年1年を大きなポイントごとに振り返ってみましょう。まず、2月にシングルの「Secret Night」がリリースされたんだけど、僕はあの曲を初めて聴いた時の衝撃は、今でも忘れられない。あの曲が完全に仕上がった瞬間の印象はどうでしたか。
S:客観的なリスナーや周りの人は自分たちよりすごく変わったなと感じるんだろうとは思ってましたけど、正直にやってかないと、リスナーと音楽を作る側のギャップが開いちゃうと思うし、そんな状態でせっかく「ファンです」とか、「音楽良いですね」って言われても意味がないしね。だから、正直に自分たちがやりたいってことをやった。

●演奏してる方が楽しんでなければ、きっとそれは聴いてる側にも伝わりますからね。「Secret …」のレコーディングっていうのは今までと比べてどうでした? 正直にやったということは、やっぱり楽しんだって感じだった?
W:前々から探してた曲に巡り会えたって感覚があったんで、それだけに楽しんだというよりも、シビアに良いものを作らなきゃっていうことで精一杯でしたね。

●この曲で自分たちが少し突き抜けたなという気持ちにはならなかったですか。
W:ここまでも結構、デビッド・ボウイが持つ良い意味での軽薄性みたいな、なんでも出来るっていう姿勢でやってきた所があるし、単純に「もっと強く抱きしめたなら」と「恋せよ乙女」も全然違うタイプじゃないですか。そういう意味ではこの曲も同じような姿勢だけど、でも少し自分たちのアーティストとしてのアイデンティティーが見えてきたなというのはあります。

●「ヒットを作るために音楽をやってるんじゃない」って発言してるWANDSの2人にこんなことを聞くのはおかしいかもしれないけど、あの曲に対する周りの評価っていうのは納得できるものでした?
W:俺たちの周りに、チャートに入って初登場の1位で何百万枚売れたからすごいって言うような次元の人はいないし、みんな結構アーティストとして好き放題やってて、楽曲が良いか悪いかを判断するアンテナが敏感な奴ばっかなんで、そういう奴はすごく喜んでくれたから、うれしかった。

●じゃあ、ファンの反応の方は。
W:賛否両論はあって当たり前なんだけど、喜んでくれて、「今までの欲求不満がここで一気に解消された」みたいな声もあったし。
S:ファンが選ばれていくんだろうなっていうのは、自分らも分かってやってることですから。
W:色々な雑誌で発言してるってのもあるんだと思うんですけど、俺らの音楽の中のロックっぽい所を、以前から感じてて、ずっと期待してて待っててくれた人がいるんだなってのも分かりました。

●逆にがっかりしたような反応は?
S:「私には分からない」とか、「聴くのが怖くてなかなか聴けませんでした」とか。

●(笑)聴くのが怖いって? でも、ファンが選ばれていくっていうのは、WANDSにとっては結果的にプラスですよね。
S:だれも聴いてくれる人がいないとなると悲しいけど、やっぱり万人に受けるものって、どこかに矛盾が出てくると思うんですよ。そういう矛盾はできるだけ少なくしたい。


95年4月
『PIECE OF MY SOUL』リリース

●そして、4月にアルバム『PIECE OF…』のリリース。シングルで出てきた音が、一時の気の迷いじゃなく、今のWANDSの音がこれなんだなっていうのが良く分かるアルバムだったんですけど、このアルバムを作るに当たって、何かテーマみたいなものはありましたか。
W:吠(ほ)えてるだけのロック、攻撃的なのだけがロックじゃない。ロックも繊細な部分をはらんでるんだっていうのを表現したかったんだけど、ダイナミクスっていう点で課題が生まれました。自分が好きなのはただ単に女々しくて軟弱なだけのロックじゃなくて、激しさの中に見え隠れするちょっとした繊細な部分がたまらないっていうのかな。雑草の中に実は一輪花が咲いていたっていうのが好きなんですけど、あのアルバムはね、割と花ばっかりみたいなところがあるんです。

●雑草の中に一輪花があるっていう絵はあのアルバムを聴いていると見えるような気はするけど、まあ納得できないっていうところですね。
W:そこで生まれたテーマっていうのは、今回のシングルでクリアにできたと思うんですけど。

●このアルバムのレコーディングにはかなり時間がかかったんですか。
S:結果的には結構かかったよね。

●WANDSのニュースって、年中スタジオにいるんじゃないかと思うくらいレコーディング中っていうのが多いですからね(笑)。
S:曲が出来るのが遅いんですよ。自分の中でOK出来る曲が出来るまでがちょっと長いかなって。それに、アルバムのレコーディング期間が決まっててという感じじゃなくて、流動的で曲が出来たらスタジオ入って、また、やる曲がないと間が空いちゃったりとか。切羽詰まった感じはなかったけど。

●スタジオでのメンバー3人それぞれっていうのはどういう雰囲気なんですか。攻撃的になる人がいたりとか、かえって冷静になって全部をまとめていく人がいるとか、結構バンドって役割みたいなのが、自然と出てくると思うんですけども、WANDSの場合は?
W:あんまり感情を表に出す感じはなくって淡々としてるんですけど、心の中では燃えてるっていうか。

●例えば外の人がWANDSのレコーディングのスタジオの中に入ったら「やけに静かだな」という印象を受ける。
S:それはあるんじゃないですかね。結構暗い。他のバンドは知らないけど、たぶん普通ミュージシャンってもっと声がでかかったりとか、表面上も活気に満ちた印象を受けるんじゃないかな。

●煮詰まることっていうのはありますか。
W:レコーディングで煮詰まることってそんなにないです。

●ある程度のラインまではテンポ良く進む?
S:ある程度の形までは見えるけど、その後はいろんなパターンを試さずにはいられないって感じ。

●僕は変化という意味で、あのアルバムはすごくリスキーな作品だなと思ったんですけど、結果的に好意的に受け入れられたアルバムだって気がするんです。少し時間がたった今、このアルバムを冷静に評価するとどうです?
S:出来てしばらくは、もっとダイナミックスがついたらとか、気になるところがあったけど、久しぶりに聴くとあれはあれで良いアルバムだなと思えたり。

●良いアルバムだと思うでしょ?
W:曲は良いんですけど、歌はまだまだ納得できてないです。

●やけにハードルが高い(笑)。あの歌に何が足りなかったって言うんですか。
W:今までに自分たちが築き上げてきたってものにとらわれすぎていたって感じかな。


95年4-5月
初の全国ツアー

●そしてライブ。アルバムのリリース前の4月14日から、全国ツアーが始まってましたよね。初めてのツアーは長かったですか。
W:ウン、長かったですね。

●それは気持ちの上で何か重いものがあったから?
W:いつもライブをやる度に感じる、妥協できないっていう気持ちの影響かな。根本的な姿勢からしっかりしてないとすべての面に悪い影響が出てくるから。

●ツアーでは問題点もどんどん明確になってきたっていう感じでした?
S:ファンの全体像が見えるっていうのもありましたね。
W:ステージの上にいると、ファンの人が求めているものがはっきり分かるんですよ。感じるっていうのかな。やっぱりお金を払ってたくさんの人が来てくれる訳じゃないですか。無責任にはなれないプロとしての意識があって、ファンの人が求めているものに応えてあげなくてはならない。だけど、自分たちのやりたいことは、すべてのファンが求めているものと必ずしも一致していないというか、ズレがあるのは否めないみたいなところ。
S:それによって進むべき方向が見えてくる。

●それは、正直に音楽やってるアーティストにとって、永遠の悩みじゃないかって気がしますけど。
W:例えばファンの子たちが、俺が手を振ったりとかそういうのを求めてるとするじゃないですか。そういうのに応えるべきなのか、それともアーティストとしてのWANDSを見に来てくれていると一方的に解釈して、自分たちの意志っていうのを貫くべきなのかってすごく悩みました。だから、みんなが見てるから手放しに頑張っちゃおうみたいな、テンションはなかった。常にシビアでストイックにしかライブはまだやれないから。

●ツアーは全国7カ所11公演ありましたけど、その中で気持ちは色々揺れてた部分があったってことですね。バンドとしてのパフォーマンスという意味ではどうでした?
S:それはどんどん良くなってきていると思います。

●人間だから、出来不出来があって当然だと思いますけど、11公演の中で、印象に残っているライブっていうのはありますか。
W:すごく出来が良かった時と最悪だった時しか覚えてませんね。

●最高の時っていうのは?
W:最高の日はねぇ、最終日の東京と広島だったかな?

●それは、どういう要素が最高と言わせるんでしょう。
W:ゴールみたいなのがあって、一回自分の中で限界だなって思うときが来るんですけど、それを乗り越えてハイになれた時は、良かったなぁと自分でも思えるんです。乗り越えるのが非常に大変なんですよね。

●柴崎さんはどうでした?
S:楽器の場合は、歌と違って脳みそから指令が出て音が出るまでの間に手が入ったりとかするわけじゃないですか、限りなく自分の頭と出てくる音が近付いた時が、ホントにプレイしたって感じになるんですよ。小手先のミスとかそんなのは全然問題じゃなくて、ホントに自分の声のように感じるプレイが出来た時が最高。

●ツアーの中ではそういう瞬間は何回かありました?
S:覚えてるのは中野サンプラザの2日間ですかね。でも、これって難しいんです。もちろん自分の精神的なコンディションもあるだろうし、指とか身体のコンディションも機材面のコンディションも微妙に絡んで来ますしね。

●そういう実感があるときは思わずステージ上でもニヤーっと。
S:しますね(笑)。あとは、自分の演奏に対して観客がちゃんと反応してくれてると感じた時ですね。逆に、一番悲しいのは、しゃべったときに一番盛り上がってしまうとか。ちょっと手を振ったら盛り上がって、それ以外は何も期待されてないみたいな雰囲気。そんなのが一番つまんない。

●最悪のライブも、当然印象には残ってるわけですよね。その日は何もかもボロボロ?
W:今回、膝を悪くしたり色々あって、体力的にも大変だったんですけど、気持ちが乗ってる日っていうのは、どんなに体調が悪くても、悪いなりになんかこう、その時しかできない良さを出してやろうとか、結構良いライブが出来る自信はあるんですけど、だめだった日っていうのは、精神的にも終わっちゃってて。あとノドもダメで、ライブが二日続いて間一日空いた日に声が出なくなって、思わず東京に帰ろうかと思った(笑)。

●それは、穏やかじゃないですね(笑)。バンドってツアーで育つってよく言いますけどWANDSはどうでした?
W:育ったかどうか分かんないけど、タフになったのは事実。少なくともあの時は精神的に強くなった。

●メンバー同士の関係に、より強いものが出たとか、変化が出たとか。
W:これだけしかやってない割には、力を合わせてやっていかなきゃっていう意識が出てきたかな。例えば僕が体調悪かった時、普段あんまり走ってステージから飛び降りたりとかしない柴崎が、やってくれたりとか。そういうのはすごく感じましたけどね。

●ダサイ言葉ですけど、絆(きずな)みたいなものが育った。
W:そういうのもありましたけど、あんまりいいことばかり言うとそこで止まっちゃうんで(笑)。

●何とストイックな(笑)。WANDSが目指すライブっていうのはどんなものなんでしょう。
S:そうですね。曲を伝えるって部分と、プレーヤーとしての部分と。あのツアーでは、曲を通してただ終わるって感じだったけど、もっと突発的な出来事を何かに発展させていけるようなライブをしたいと思ってるんですけど。

●突発的な何かというと、ちょっとしたハプニングなんかも自分たちで取り込んでいってプラスに転換していくような。
S:ええ。例えば、上杉がいつもと違う所で、フェイクをしたりすると、俺がそれにギターで応えるにも、曲のサイズが決まってたんじゃ同じようにしか終われない。もっと自由な方法が何か見つかればいいんですけどね。自分の好きなバンドのライブなんかを見ると特にそう思うんだけど、「これがライブってもんだよな」とか、ホント束縛するものが何もなくて、ステージが生きてるっていうか、俺はそういうものをすごく音楽的だと思うんだけど、俺たちもそういうものを目指したい。

●これはツアーをやってみて初めて出てくる感情だと思うんですけど、ライブとスタジオとどちらが好きですか。
S:両方好きですね。バランスとかもあるんだろうし、ずーっとスタジオに入ってると、観客の前で演奏したいと思うし、クリエイトする欲求も当然あって、ライブでずーっと同じ曲やってたら飽きて、新しい曲を作りたいっていう欲求が出てくるだろうしね。両方充実感はあります。


95年12月
「Same Side」リリース

●ツアーの後は、12月にリリースされたシングル「Same Side」ってことになるんですけど、これはライブで得たエネルギーとか、明確になった問題点とか、アルバムから生まれた課題なんかをクリアーできた曲。
S:はい。

●この曲は2人の電話でのやりとりで出来上がったみたいな話を聞いたんですけど、そういう作り方っていうのは、今までなかったんですか。
W:曲を聴かせ合うっていうのはしょっちゅうあったけど。でもたまたま、スタート地点が電話だっただけで、電話はウリにしたくない(全員爆笑)。

●それぞれ1人でももちろん曲を作るんですけど、お互いをソングライターとしてどういう風に評価してます? 内輪もめが起きない程度のコメントを(笑)。
W:そうですねぇ、柴崎は作詞家としては最低ですけどね(笑)。
S:書いたことないよ(笑)。
W:まあ、冗談は置いておいて。お互いを評価するってのは難しいですけど、ただ言えることは、同じ音楽の志向の人間が集まったバンドっていうのはオリジナリティーに欠けるのが多いんです。そういう意味では柴崎は俺と全然違う出発地点から始まってて、影響されたアーティストとかも全然違うし、その2人の音楽志向が今、ちょうど重なっている感じがするんで、すごく面白いですよ。
S:上杉はただメロディーだけで、バックの音とか和音とかが具体化されてない状態で曲を作るんだけど、俺はそういう作り方で良い物ができるっていうスタイルに影響を受けています。
W:今度のシングルのカップリングに「Sleeping Fish」って曲がありますよね。俺はあれを聴いてすごく悔しかったんですよ。まさに自分が生み出したいメロディーだったんで、悔しいけどうれしいっていうか…。ライバルでもあるわけじゃないですか。そういう意味では、これからすごく楽しみである半面、怖い存在でもある。

●そんな風に、お互いを刺激し合う共作っていうのは、今後どんどん増えて来るんですか。
S:はい、増やしたいと思ってます。

●上杉さんはこの曲でボーカリストとしてひずんだ声を使った…えー…使ってしまった訳ですけど(全員爆笑)、これは前からやりたかったこと?
W:そうですね。いろんな歌い方ができる訳ですから、一つにとらわれたくないっていうか、「上杉昇はこうじゃなきゃいけない」なんて決まりはないし、アーティストとしてああいう歌い方をするのも上杉昇だし、表現したいことがあれだったわけですから。どれも「ああ、上杉なんだな」って思ってください。

●曲を作ったときからあの部分はあの声だろうなっていうイメージはありましたか。
W:そうですね。

●柴崎さん、彼がそういう声でガンとボーカルを入れたときはどうでした?
S:やっぱり、感情とか風景っていうのを自分の持ってるものの中から表現するっていうのが音楽だって思うんですけど。いろんな感情とか、描きたい風景の一つがああいう歌い方とサウンドだと思うんですね。あの歌い方で初めて成り立つアレンジというか、それはでかいですね。

●さっき上杉さんも言ってましたけど、このアプローチを『PIECE OF…』でできてたら、さらに納得いっただろうなというところはある。
W:そうそう、それはあるかもしれない。
S:いやー、でも逆にあのアルバムで歌だけがパワフルだったら、少しバックが弱く感じられてしまうかもしれない。俺たちは、歌と演奏が一体になって初めて成り立つような音楽を作りたいから、バックの演奏と歌はかけ離れた物にしたくない。ホントは“バックの演奏”って言うのもイヤなんだけど。それじゃあカラオケって感じがしちゃうから。

●詞についてなんですが、「Secret…」あたりから詞の表現という意味で、具体的に、「楽しい」「悲しい」とかいった感情を出すんじゃなくて、すごく絵画的になって、詞を何行か読んで一つの感情の情景が見えてくる形になったような気がしてるんですけど、そんな変化は自分の中に意識としてあった?
W:「世界が終わるまでは…」で、それまでの自分の中のスタイルに終止符を打ちたかったんです。もっといろんな表現方法があると思ったし、いろんなことを表現したかったんで。ラブソングもいいんですけど周りを見渡したとき、あまりにも自分と同じようなこと言ったりやってる人が多かったりするし…。だからと言っての変化ではないんですけどね。

●メロディーの作り方なんかもあのアルバムあたりからちょっと変わった感じがしますよね。これは、今までの習慣で最初にひらめくメロディーにいったんストップをかけてみたいなことはありませんでした?
S:無理矢理じゃなくて、自分自身が変わってきてるから変わってきているんだと思います。


96年…
NEXT NEW ONE

●95年に印象深かったことはそれ以外になかったですか。そうだ、上杉さんがギターを弾き始めたっていう話とか…。
W:ギターは十代の時から弾いてるんですけど、ニューギターを買ったからかなぁ。
S:やっぱり上杉が作曲家として目覚めてしまったということでしょう。
W:今までWANDSで表現できなかった消化不良の部分を自分1人で自宅録音して遊んでて、そのために買ったんですけど、最近はその消化不良もないし、その必要がなくなって、あくまでもデモ作りに使っています。

●渋いギターを買ったんですよね。
W:ジャズマスター。

●上杉さんはどんなギタリスト?
S:彼は…スナップが強力なギタリストですね(爆笑)。
W:速弾きの神様とか…、でも二度と同じフレーズを弾けない(笑)。

●2人でジャムってみたりっていうのはあります?
W:いや、まだそこまで弾いてないですね。まだいじってるだけなんで。

●上杉さんがステージでギターを持ったりって光景もあるかもしれない。
W:練習してうまくなれば。あと、柴崎君が許してくれたら…。

●挫折せずに頑張って(笑)。
W:頑張ります(笑)。

●じゃあ最後に今、レコーディング中のアルバムについて教えてください。どんなものになるか少しのヒントでもいいですから。
W:…うーん、『PIECE OF…』をもっと濃くした感じのものになると思うんですけど、聴く人の記憶にずっと曲が残ってもらいたいっていうのがあるんで、分かりにくい音にはならないと思うんですけどね。

●どれぐらいできてますか。
S:4分の1ぐらいかな。まあ、あんまりあてにしない方がいいけど(笑)。

●どんなタイプの曲があります?
S:テンポ152のエイトビートと…。

●これはまた難しい表現(笑)。
W:パンキッシュな感じですね。あとはブルージーなやつとか。
S:ちょっとグルービーなやつとか。
W:『PIECE OF…』は俺にいわせれば、ちょっとのんべんだらりとしてるんで。それは絶対クリアにしたいですね。

●僕はちょっと甘いのかな? あのアルバムは僕の今年のベスト5に入ってるんですけど…。
W:いや、それはそれですごくうれしいです(笑)。
S:気に入ってもらって不本意な作品は作ってないですから、気に入ってもらって悲しい事なんてありません(笑)。
●まあ、それだけ次は大きな期待ができるっていうもんですけど(笑)。

(インタビュー西原朗)


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