松山の快挙見られない?「全米オープン中継」消滅危機
【ジョージア州オーガスタ発】ゴルフの今季メジャー初戦「マスターズ」で優勝争いを繰り広げた松山英樹(24=LEXUS)の活躍に沸いた日本ゴルフ界に衝撃情報が飛び込んできた。6月16日開幕のメジャー第2戦「全米オープン」(ペンシルベニア州オークモントCC)の地上波放送がなくなる可能性が浮上。放映権料の高騰が原因と言われるが、このままでは多くのファンが松山の初メジャー制覇の瞬間を見ることができない状況だ。
日本人選手では初の快挙となる2年連続トップ10フィニッシュで7位。終盤にミスを連発して「悔しい」と涙ぐんだ松山だったが、3日目までの活躍はメジャー制覇が遠い話ではないことも感じさせた。当然、次の「全米オープン」への期待は高まる。だが、そんな高揚感に水を差すような事態が起こっている。
昨年まで「全米オープン」を中継してきたテレビ朝日と主催の全米ゴルフ協会(USGA)の契約が依然として更新されていないという。このままでは地上波での放送は消滅。
他の民放関係者は「両者の交渉は一度決裂。USGAはNHKや他の民放にも話を持ちかけましたが、どこも契約には至らなかった。その後はテレ朝と再交渉していると聞いています」と裏事情を明かす。
原因は年5億円とも、10億円ともいわれる莫大な放映権料。「米国内では放映権料が近年、大幅アップしたと言われていますが、今回は値上げではなく、為替変動が影響しているようです」(同)
両者の契約は複数年。前回の契約が5~6年前だとすると、1ドル=80円程度だった可能性がある。一方、昨年から今年にかけては1ドル=110~120円で推移。円建ての放映権料は単純計算で1・5倍近く跳ね上がったことになる。
CS局の「ゴルフネットワーク」が放送を行うため、日本で一切見られないわけではないが「ほぼ国際映像のみでしょうから、松山が映るかは試合展開次第」(国内のツアー関係者)。優勝争いに加われれば登場するシーンも増えるものの、今回の「マスターズ」を中継したTBSのように、1打ごとに松山のショットやパットを映す可能性は低い。
今回の「マスターズ」で松山は「(伸ばし合いではない)この状況でもやれたことは自信にしたい」と大きな手応えをつかんだ。メジャー制覇はもう手の届くところまできている。にもかかわらず、快挙達成の瞬間が地上波で放送されないとなれば、ゴルフ界だけではなく、日本のスポーツ界全体にとっても一大事だ。
中継に向けた交渉は継続中とみられるが、前出の民放関係者は「開催コースの下見など、事前の準備の時間を考えるとタイムリミットは近いはず」。松山の雄姿を地上波で見ることはできるのか。まだまだ予断を許さない。
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