静脈経腸栄養
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原著
絶食患者におけるビタミン非添加末梢静脈栄養時の血中水溶性ビタミン濃度の変化
藤山 二郎木ノ元 景子山村 修藤井 明弘井川 正道奥田 智行李 相植斉藤 隆也栗山 勝
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2007 年 22 巻 2 号 p. 181-187

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抄録

【はじめに】高カロリー輸液時にはビタミンB1を投与するように勧告が出されたが、末梢静脈栄養では必ずしもビタミンB1等の水溶性ビタミンの投与がなされていない。【対象・方法】内科(消化器及び神経内科)疾患で、絶食かつ末梢静脈栄養となった患者19例の血中水溶性ビタミンについて検討を行った。【結果】入院時点全患者でビタミンB6とビタミンCは低値傾向であった。特に消化器疾患では、血中ビタミンB1、B2、B6、B12、C、葉酸濃度すべてにおいて、入院時点で低値であり、絶食中さらに低下した。神経疾患でも絶食にて低値傾向となった。【考察】原因として、患者が高齢であることに加えて、さらに消化器疾患では、栄養の吸収不全、入院前の摂食状況不良などの影響が考えられた。絶食が必要な入院患者、特に消化器疾患では、短期間の末梢静脈栄養管理においても、これらビタミンの補給が必要と考えられた。

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© 2007 日本静脈経腸栄養学会
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