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初期措置の合意文書草案、中国が提示…6か国協議

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2日目の6か国協議を前に、記者に囲まれる佐々江局長=代表撮影

 【北京=瀬口利一、黒見周平】北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議は、議長国・中国が9日朝までに、北朝鮮が核放棄に向けて取るべき「初期段階の措置」などを盛り込んだ合意文書の草案を各国に提示した。

 草案は、北朝鮮に対し2か月以内の履行を迫るとともに、他の5か国が取るべき相応の措置も明記、北朝鮮の核凍結に向けたたたき台として今協議で採択をめざす。

 これを受けて各国は9日午前、北京の釣魚台国賓館で首席代表会合を開催したのに続き、午後にかけて全体会合や2国間会合を行い、草案を詰めるための突っ込んだ討議を行う。

 複数の協議筋によると、草案には、北朝鮮が核放棄に向けて初期段階の措置を取る一方、他の5か国は「同時行動の原則」に基づき、分担して北朝鮮にエネルギーを供給することが盛り込まれた。初期段階の措置実施までの期間は2か月とされているという。韓国の聯合ニュースは「寧辺の5メガ・ワット実験炉を含む核施設の稼働中断・閉鎖・封印」が含まれていると伝え、韓国代表団筋も「対象となる核施設が明示されている」と述べた。

 草案はまた、こうした措置を具体化するため作業部会を設置するとし、2005年9月の協議で採択された共同声明に盛り込まれた課題別に、朝鮮半島の非核化、エネルギー・経済支援、北東アジアの安保協力、米朝関係正常化、日朝関係正常化の五つを提示している。

 米国首席代表のクリストファー・ヒル国務次官補は9日朝、宿舎のホテルで記者団に、「きょう一日かけて草案を検討する」とした上で、「きょう中にはタイムテーブルなどについて決断を下せるだろう」と述べ、同日中にも基本合意に達したいとの決意を表明した。さらに、「我々は(核放棄に向けて)ペースを速めなければならない」と述べ、合意文書を早期に取りまとめることで、北朝鮮の核放棄に弾みをつけたいとの意欲をにじませた。一方、作業部会の構成は「4〜6の間」と述べ、一部で増減がありうるとの考えを示した。

 また、日本首席代表を務める佐々江賢一郎・外務省アジア大洋州局長は9日午前、宿舎のホテルで記者団に、「各国の基本的立場を踏まえ、議長国・中国が調整をさらに進めるので、我々も合意に向けて最大限の努力を傾けたい」と語り、協議の進展に期待を示した。

 ただ、協議筋は9日、合意文書が最終的に、米国の望む「共同声明」として採択されるか、拘束力の弱い「議長声明」となるかは不明との見方を示した。

2007年2月9日13時57分  読売新聞)
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