ミュージック 特集&ピックアップ

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2010年08月25日

Article

楽しみ方は無限大!桑田佳祐が放つ極上の2曲!!

桑田佳祐

 自在性――桑田佳祐の音楽性を言葉で表現するうえで、この言葉は欠かせない。あらゆるジャンルのサウンドを十分に自分のものとして取り込んだ上で、それらを時にシンプルに、時に複雑にミックスさせ、さらに“バラエティに富んだ歌詞”に包み、耳を捉えて離さない“個性的な声”にのせて、フィールドへと送り出していく。その手法は鮮やかすぎるほどで、そこに彼ならではのサービス精神溢れるパフォーマンスとの相乗効果が加わり、作品の楽しみ方は無限に広がっていく。サザンオールスターズを含めたキャリアにおいて、人気・セールスともに常に頂点に君臨し続けている彼のすごさのバックボーンは、この自在性にもっとも大きな要因があることは疑いようのない事実だ。

 待望のニューシングル「本当は怖い愛とロマンス」も、そんな桑田の自在性が存分に楽しむことができる。タイトルチューンは、どこかほんわかしたポップスフレーバーに満ちたメロディックなナンバーだが、描かれているテーマは男性にとってかなり骨身にしみるものだ。些細なことがきっかけで、突然彼女に別れを切り出された男の“なぜ自分が捨てられたのか皆目見当がつかずに”呆然とする様と、“どうしてなの?あんなに尽くしたのに…と哀願する”心の叫びが、可笑しくも哀しい歌詞の世界を作り出している。その背景をじっくり味わいながら聴いていくうちに、ポップな中に混じった、切なさの残るフレーズがより際立ってきて、どこかコミカルな雰囲気さえ漂ってくる。ウイットとペーソスとアイロニー、桑田佳祐演出による上質な“コメディ”を見るかのような仕上がりだ。

 カップリングの「EARLY IN THE MORNING」は、春から『めざましテレビ』(フジテレビ系)のテーマソングおよび男性スキンケア用品大塚製薬『ウル・オス』のキャンペーンソングとしてオンエアされているので、耳なじみのある人も多いことだろう。特に『めざましテレビ』では一度の放送でサビのフレーズが幾度となく流れるため、通勤・通学の際に思わず口ずさんでいるかもしれない。それほどまでに浸透した同曲だが、1曲を通して聴くとこれがなかなかにパワフルな内容なのである。朝から欲望の赴くままに愛しい妻!?とついつい……と、その“元気”に思わず赤面してしまうほど。しかし、これだけ強烈な内容であるにもかかわらず、それをさらりとロックさせてしまうところが桑田のすさまじさである。片やコミカルなポップス、片やパワフルなロックサウンド。この懐の広さこそ、彼の自在性のなせるワザだろう。

豪華すぎるボーナストラックに“脱帽”

 しかも、このシングルにはあきれるほど贅沢なボーナストラックがついている。2010年3月13日、日本武道館で1万人ものファンを集めて行われたイベントでの、サプライズライブの音源6曲だ。内訳は、1stアルバム『Keisuke Kuwata』(1988年発表)の収録曲「今でも君を愛してる」「誰かの風の跡」、2ndアルバム『孤独の太陽』(1994年発表)の収録曲「しゃアない節」、3rdアルバム『ROCK AND ROLL HERO』(2002年発表)の収録ナンバー「東京」「ROCK AND ROLL HERO」、11thシングル「ダーリン」(2007年発表)という、彼のキャリアをトレースするかのようなラインナップ。

 しかし、これらの選曲は、ただ単に豪華なだけではない。耳を傾ければわかるが、これらのナンバーがまったく異なる表情を持った作品だということに驚かずにはいられない。テーマも違えばサウンドのアプローチも異なる。もちろん新曲の2曲とも……。ここでもまた桑田佳祐の自在性に脱帽するとともに、彼がいかに不世出のアーティストであるかを改めて痛感させられる。

 各種メディアが伝えるように、現在彼は病気と格闘中である。このシングルに続く活動をしばらく見られないのは残念だが、これだけの内容のシングルを発表されてしまったら、そのインターバルを過ごすのもある意味贅沢な楽しみというものだ。再び桑田佳祐がその自在性を発揮してくれる日まで、今はこのシングルをじっくりと味わいたい。

(文:田井裕規)

Release

本当は怖い愛とロマンス

本当は怖い愛とロマンス
桑田佳祐
発売日:2010/08/25[シングル] ビクターエンタテインメント

【初回限定盤】本当に“デカい”缶バッジ付
価格:¥1,700(税込) 品番:VIZL-550

CD購入 このCDについて語ろう

【通常盤】
価格:¥1,500(税込) 品番:AZCS-1008

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【収録曲】
▼Brand New Tracks
1 本当は怖い愛とロマンス
2 EARLY IN THE MORNING

▼LIVE!Bonus Tracks
3 今でも君を愛してる
4 しゃアない節
5 東京
6 誰かの風の跡
7 ダーリン
8 ROCK AND ROLL HERO

Profile

桑田佳祐
1956年2月26日生まれ、神奈川県出身。日本を代表するグループ・サザンオールスターズとして、1978年6月にシングル「勝手にシンドバッド」でデビュー。代表作は「いとしのエリー」「TSUNAMI」など。また1987年に、シングル「悲しい気持ち」でソロデビュー。「波乗りジョニー」「白い恋人達」などがミリオンセラーとなる。
1978年06月25日、サザンオールスターズとしてシングル「勝手にシンドバッド」でデビュー。
1987年10月06日、シングル「悲しい気持ち」でソロデビュー。最高位2位、約35万枚のヒットに。
1988年03月16日、シングル「いつか何処かで(I FEEL THE ECHO)」をリリース。最高位2位、24万枚を超えるヒットに。
1988年07月09日、アルバム『Keisuke Kuwata』をリリース。最高位1位、65万枚を超えるヒットに。
1990年9月8日、映画『稲村ジェーン』で監督を務める。
1992年06月27日、アルバム『フロム イエスタデイ』をリリース。最高位2位、約110万枚の大ヒットに。
1993年10月06日、シングル「真夜中のダンディー」をリリース。最高位1位、約71万枚のヒットに。
1994年08月24日、シングル「月」をリリース。最高位4位、約35万枚のヒットに。
1994年09月23日、アルバム『孤独の太陽』をリリース。最高位1位、約87万枚の大ヒットに。
1994年10月31日、シングル「祭りのあと」をリリース。最高位2位、約81万枚のヒットに。
1995年01月23日、桑田佳祐&Mr.Childrenとしてシングル「奇跡の地球」をリリース。最高位1位、約172万枚の大ヒットに。
2001年07月04日、シングル「波乗りジョニー」をリリース。111万枚を超える大ヒットに。
2001年10月24日、シングル「白い恋人達」をリリース。最高位1位、123万枚を超える大ヒットに。
2002年06月26日、シングル「東京」をリリース。最高位1位、約55万枚のヒットに。
2002年09月26日、アルバム『ROCK AND ROLL HERO』をリリース。最高位2位、約64万枚のヒットに。
2002年11月27日、ベストアルバム『TOP OF THE POPS』をリリース。最高位1位、約170万枚の大ヒットに。
2007年05月16日、シングル「明日晴れるかな」をリリース。5年ぶりのソロシングル初登場1位を獲得。約36万枚のヒットに。ソロ作の4作連続1位歴代単独トップとなる。
2007年08月22日、シングル「風の詩を聴かせて」をリリース。ソロアーティストの5作連続1位は、史上2人目。
2007年12月05日、シングル「ダーリン」をリリース。
2009年11月29日、CM『UL・OS(ウル・オス)』(大塚製薬)に出演。
2009年12月09日、シングル「君にサヨナラを」をリリース。最高位1位、約11万枚のヒットに。
2010年08月25日、シングル「本当は怖い愛とロマンス」をリリース。

アーティストページ コミュニティ Official Site

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