桑田佳祐 特集上質なコメディ!?あきれるほど贅沢!?“本当にすごい”新曲と桑田佳祐の自在性に迫る! 桑田佳祐のニューシングル「本当は怖い愛とロマンス」がリリースされた。しかし、これがただのシングルではない。収録曲の内容もさることながら、そこに収められた曲の1つ1つが、何度味わっても飽きることのない面白さと輝きに満ちている。桑田佳祐フリークはもちろん、桑田のソロはよく知らないという人にもぜひ聴いてほしい、練りに練られた“お楽しみ度∞”の1枚。これは押さえとかなきゃ。 Article楽しみ方は無限大!桑田佳祐が放つ極上の2曲!!自在性――桑田佳祐の音楽性を言葉で表現するうえで、この言葉は欠かせない。あらゆるジャンルのサウンドを十分に自分のものとして取り込んだ上で、それらを時にシンプルに、時に複雑にミックスさせ、さらに“バラエティに富んだ歌詞”に包み、耳を捉えて離さない“個性的な声”にのせて、フィールドへと送り出していく。その手法は鮮やかすぎるほどで、そこに彼ならではのサービス精神溢れるパフォーマンスとの相乗効果が加わり、作品の楽しみ方は無限に広がっていく。サザンオールスターズを含めたキャリアにおいて、人気・セールスともに常に頂点に君臨し続けている彼のすごさのバックボーンは、この自在性にもっとも大きな要因があることは疑いようのない事実だ。 待望のニューシングル「本当は怖い愛とロマンス」も、そんな桑田の自在性が存分に楽しむことができる。タイトルチューンは、どこかほんわかしたポップスフレーバーに満ちたメロディックなナンバーだが、描かれているテーマは男性にとってかなり骨身にしみるものだ。些細なことがきっかけで、突然彼女に別れを切り出された男の“なぜ自分が捨てられたのか皆目見当がつかずに”呆然とする様と、“どうしてなの?あんなに尽くしたのに…と哀願する”心の叫びが、可笑しくも哀しい歌詞の世界を作り出している。その背景をじっくり味わいながら聴いていくうちに、ポップな中に混じった、切なさの残るフレーズがより際立ってきて、どこかコミカルな雰囲気さえ漂ってくる。ウイットとペーソスとアイロニー、桑田佳祐演出による上質な“コメディ”を見るかのような仕上がりだ。 カップリングの「EARLY IN THE MORNING」は、春から『めざましテレビ』(フジテレビ系)のテーマソングおよび男性スキンケア用品大塚製薬『ウル・オス』のキャンペーンソングとしてオンエアされているので、耳なじみのある人も多いことだろう。特に『めざましテレビ』では一度の放送でサビのフレーズが幾度となく流れるため、通勤・通学の際に思わず口ずさんでいるかもしれない。それほどまでに浸透した同曲だが、1曲を通して聴くとこれがなかなかにパワフルな内容なのである。朝から欲望の赴くままに愛しい妻!?とついつい……と、その“元気”に思わず赤面してしまうほど。しかし、これだけ強烈な内容であるにもかかわらず、それをさらりとロックさせてしまうところが桑田のすさまじさである。片やコミカルなポップス、片やパワフルなロックサウンド。この懐の広さこそ、彼の自在性のなせるワザだろう。 豪華すぎるボーナストラックに“脱帽”しかも、このシングルにはあきれるほど贅沢なボーナストラックがついている。2010年3月13日、日本武道館で1万人ものファンを集めて行われたイベントでの、サプライズライブの音源6曲だ。内訳は、1stアルバム『Keisuke Kuwata』(1988年発表)の収録曲「今でも君を愛してる」「誰かの風の跡」、2ndアルバム『孤独の太陽』(1994年発表)の収録曲「しゃアない節」、3rdアルバム『ROCK AND ROLL HERO』(2002年発表)の収録ナンバー「東京」「ROCK AND ROLL HERO」、11thシングル「ダーリン」(2007年発表)という、彼のキャリアをトレースするかのようなラインナップ。 しかし、これらの選曲は、ただ単に豪華なだけではない。耳を傾ければわかるが、これらのナンバーがまったく異なる表情を持った作品だということに驚かずにはいられない。テーマも違えばサウンドのアプローチも異なる。もちろん新曲の2曲とも……。ここでもまた桑田佳祐の自在性に脱帽するとともに、彼がいかに不世出のアーティストであるかを改めて痛感させられる。 各種メディアが伝えるように、現在彼は病気と格闘中である。このシングルに続く活動をしばらく見られないのは残念だが、これだけの内容のシングルを発表されてしまったら、そのインターバルを過ごすのもある意味贅沢な楽しみというものだ。再び桑田佳祐がその自在性を発揮してくれる日まで、今はこのシングルをじっくりと味わいたい。 (文:田井裕規) Release本当は怖い愛とロマンス 【初回限定盤】本当に“デカい”缶バッジ付 【通常盤】 【収録曲】 ▼LIVE!Bonus Tracks Profile桑田佳祐 Backnumber■Act Against AIDS 2009ライブレポ ■Act Against AIDS 2008ライブレポ P R
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