産業文明が滅んでから約1000年。地上は有毒な「瘴気(しょうき)」を発生させる「腐海(ふかい)」と呼ばれる森に覆われ、生き残ったわずかな人々は土地を巡って熾烈な争いを繰り広げていた。「腐海」に面した小国「風の谷」のナウシカ(島本須美)は、病に倒れた族長・ジル(辻村真人)の代わりに国を治めるリーダー。幼い頃から「腐海」を守る巨大な蟲(むし)たちと心を通わせ、風をあやつる不思議な力を持つ彼女は、谷の人々から一目置かれる存在だった。
ナウシカの師・ユパ(納谷悟朗)が風の谷を訪れた夜。蟲に襲われた巨大船が谷に墜落した。大国トルメキアのその船は、工房都市・ペジテから略奪した荷物を輸送する途中だった。生存者の救出作業に向かったナウシカは、捕虜として船に乗せられていたペジテの少女・ラステル(富永みーな)から積み荷を燃やすよう言い遺されるのだが…。翌朝、焼け跡から伝説に伝えられる世界大戦「火の7日間」で使用された巨人型超兵器「巨神兵」が発見される。
その直後、トルメキアの軍隊が風の谷に到着した。ジルを殺され怒りに我を忘れたナウシカは兵士たちに戦闘を挑むが、結局、トルメキアの皇女・クシャナ(榊原良子)に命じられるまま、人質としてペジテに向かうことになるのだが…。