京都縦貫道丹波区間、開通遅れも トンネル湧水で工事難航
国土交通省近畿地方整備局は26日、京都府京丹波町内で進めている京都縦貫自動車道の丹波インターチェンジ(IC)-京丹波わちIC間(18・9キロ)の建設工事が一部難航していることを明らかにした。トンネル掘削区間で地質の弱い部分が見つかったためで、2014年度中としている開通予定時期が延びる可能性もあるとしている。
同整備局などによると、丹波IC-京丹波わちIC間にある瑞穂トンネル(総延長2906メートル)を掘削中に、破砕帯と呼ばれる地質の弱い部分にあたり、毎分2トンの湧き水が出ているという。同トンネルの掘削は約750メートル分が残っており、現在は本掘削に先行して水を抜く作業を続けている。
京丹波町大簾の同トンネル工事現場では、この日も壁面にあけた水抜き穴から大量の湧き水が噴き出し、トンネル内を川のように流れていた。天井部から大規模な崩落がこれまでに2回発生しており、「1日あたり1メートル程度しか掘り進めない場所もある」(同整備局福知山河川国道事務所)という。地質の弱い場所は推定でまだ150メートルあり、困難な作業が続いている。
同トンネル以外の区間はすでに舗装工事の発注を終えるなど予定通り進んでいるが、整備局は「さらに地質の悪い部分が見つかった場合、水抜き作業などで時間がかかることが予想される。工期を圧迫して開通予定が延びる可能性もある」としている。
整備局はこれ以外に、国交省が実施している府内での整備事業のうち、宇治川の流下能力を高めるために宇治市の塔の島付近で進めている河川改修事業(15年度完成予定)で川底から遺構が見つかり工事に遅れが出ているほか、14年度中の完成を目指して堤防などを設ける由良川下流部での緊急水防災対策事業は一部用地交渉が難航しているとした。
【 2014年09月26日 22時40分 】