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放送済みの作品(2008年)

『山茶花さいた』(再)

【放送日】
2008年12月13日(土曜日)22:00-22:50

作:ふたくちつよし
音楽:渡辺博也
演出:小林武
技術:西田俊和
音響効果:石川恭男


出演:五大路子 下條アトム 細越みちこ 片山景介
神山繁 小杉幸彦 小川剛生 林征生
柳川慶子

あらすじ:朋子は夫、就職している娘、大学浪人中の息子の4人家族。長女のお見合い話が進む中、長く別居している夫の父親が突然やってくる。この義父は10年前に連れ合いを亡くし、一人暮らしをしてきたのだが、近々再婚したいといい、その相手の女性まで朋子達の前に連れてくる。娘の見合いで只でさえ大変なのに……苛立つ朋子に、突然夫が、みんな一緒に暮らそうと言いだす。現代日本の家族愛を暖かく、人間性豊かに描く。

 

NHK銀の雫文芸賞2008最優秀作

『ロイヤルミルクティー』

【放送日】
2008年12月6日(土曜日)22:00-22:50

原作:吉田幸子
脚色:森治美
音楽:渡辺博也
演出:小島史敬
技術:鷲津寛厚
音響効果:今井裕



出演:田中美里 丹阿弥谷津子 長門裕之 山本道子
山賀教弘 米広治美 高義治

あらすじ:築四十年の集合住宅に引っ越してきた正美(27)は同じ階に住む独居老人達と否応なく付き合うハメになる。老女のたね(82)と勇吉(74)。ゴミを散らかしたり、悪態をついたりする勇吉に嫌気がさしていたが、部屋で倒れている所をたねと一緒にみつけ、病院に連れていく。それから、なんとなくだが交流が始まった……。若い女性と老人とのお隣同志の仲に生まれる人情を暖かく描く。

 

『握手をしよう』

【放送日】
2008年11月29日(土曜日)22:00-22:50

作:樋口美友喜
音楽:横山克
演出:江澤俊彦
技術:小林清
音響効果:岩崎進



出演:磯山さやか 内田健介 たかお鷹 筒井真理子 
和田光司 角谷栄次 久保晶 武発史郎
村治学 福士秀樹 岸昌代 小林由利
田中里和 名倉周

あらすじ:トウコ(20)は、東京で父と母と三人暮らし。5年前、7つ年上の兄が旅先の事故で亡くなって以来、母はトウコに対して尋常でないほどの心配性になり、母子密着となった。その関係を克服しようともがきながら自立していくトウコの姿を、さりげなく、かつ必死にサポートしてくれる“青年”との心の交流を通じて、優しく温かく描いていく。

 

『晩年の弟子』(再)

【放送日】
2008年11月22日(土曜日)22:00-22:50

原作:小川栄
脚色:塚本隆文
音楽:水津雅幸
演出:真銅健嗣
技術:糸林薫
音響効果:浜口淳二


出演:小野武彦 星野聖良 建蔵 二宮弘子 
田内裕子 諸星すみれ 松本公成

あらすじ:3年前に妻に先立たれた文雄(72歳)は何事にも気力を失っていた。つれあいを亡くしたその喪失感をどうやってのりこえるか……。淡々とした日常の積み重ねに、リアリティ溢れる高齢者の問題を感動的に描く。

 

『春にして君を離れ』(再)

【放送日】
2008年11月15日(土曜日)22:00-22:50

原作:アガサ・クリスティー
訳:中村妙子
脚色:金谷祐子
音楽:MOKA☆
演出:今井洋一
技術:大宅健司
音響効果:巽浩悦


出演:伊藤蘭 磯部勉 水橋貴己 滝直希
矢代朝子 須田邦裕 河井かつし
ミリアンダルトア赤穂 阿美朝子


あらすじ:優しい夫とよき子どもに恵まれ、理想の家庭を築き上げた!そう信じ込んでいた主婦が、娘の病気見舞いを終えてバグダッドからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係や夫婦の愛情に疑問を抱き始め、ついには自分のこれまでの人生を全否定する最悪の解釈に至ってしまう…。クリスティーの傑作心理サスペンスのオーディオドラマ化。

 

文化庁芸術祭参加作品

『あの人の声がきこえた』

(大阪局制作)

【放送日】
2008年11月8日(土曜日)22:00-22:50

作:土田英生
音楽:サキタハヂメ
演出:吉田努
技術:大成友二
音響効果:定本正治



出演:佐藤直子 後藤飛鳥 山本麻貴 野田晋市
尾方宣久 酒井高陽 亀井妙子 水沼健
土田英生


あらすじ:家庭を省みず自分勝手だった男が、離婚して3年。初めて男の部屋を訪れた元妻と娘が発見する男の意外な一面。留守番電話に録音されていた様々なメッセージから、男の生きざまをたどる感動の家族ドラマ。


現場からひとこと〜演出:吉田努
脚本の土田英生さんは、京都を本拠地に活躍する劇作家です。舞台では、独特のテンポ感をもった会話劇を得意としています。しかし今回、その作風を押さえ気味にし、極力「留守番電話のメッセージだけでドラマを構成する」という試みにチャレンジしました。携帯電話全盛の今、「留守電」は、ちょっと古めかしい感じがするかもしれません。しかし、リスナーの皆様が「声」だけで思い思いの登場人物を想像するオーディオドラマの世界において、さらに「ドラマ自体には登場しない人物の人生を、周辺の人々の声だけで浮かび上がらせる」この試みは、リスナーの皆様に、オーディオドラマの新たな可能性を感じていただけるものと、信じています。タイトル通り、リスナーの皆様にも、「あの人の声がきこえ」ますように。

 

『プラチナタウン』

(名古屋局制作)

【放送日】
2008年11月1日(土曜日)22:00-22:50

原作:楡周平
脚色:山本雄史
音楽:BANANA
演出:松浦善之助
技術:伊藤寿
音響効果:平木和人


出演:矢島健一 村松利史 八名信夫 鈴木林蔵 
竹邑まゆみ 伊沢勉 中嶋隼都 越川光男
早川けい 鈴木惠理


あらすじ:一流商社で部長をしていた山崎は、些細なミスで出世コースから大きく外れてしまう。そんな折、幼なじみから財政破綻した「町」の財政再建をかけて、町長にならないかと誘われる。なってみたものの、多くの因習や抵抗勢力らとの確執が激しく、思うように改革できない……。リストラサラリーマンの奮闘ぶりをコミカルに描く。

 

文化庁芸術祭参加作品

『ラジオと背中』(再)

【放送日】
2008年10月25日(土曜日)22:00-22:50

作:齋藤恵美子
音楽:小林洋平
演出:江澤俊彦
技術:糸林薫
音響効果:浜口淳二


出演:若村麻由美 山本學 鈴木瑞穂 三田和代
川口敦子 内野謙太 川中健次郎 中地美佐子 
久保晶 安齊舞 宮本侑芽 松田佳祐
マーコフ・ダニエル マーク・マードック


あらすじ:詩人・齋藤恵美子さんの詩集『ラジオと背中』は、曽祖父の代からご自身に至るまでの家族史を縦糸にして、祖父母や両親の戦争体験を受容する自身の内面を横糸にした詩を多く所収している。その作風は、家族の会話を基調とした平易な口語体である。
番組では、『ラジオと背中』所収の詩を、「私(作者)」の声、父の声、母の声、祖父母の声、幼少時の「私」の声等、複数の俳優によって多声的に演じ(読み)分け、音響効果や音楽を織り込みながら、ドラマとして再構成していく。
大正から昭和、平成に至るまでの家族の歩んできた道を、作者の目線から温かく描く。

 

文化庁芸術祭参加作品

『残置物処理班』(再)

【放送日】
2008年10月18日(土曜日)22:00-22:50

作:丸尾聡
音楽:長生淳
演出:真銅健嗣
技術:糸林薫
音響効果:浜口淳二


出演:谷川俊 酒向芳 須藤温子 鈴木一功 
IKKAN 平沼寧 井川鉄也 和田広記 
小澤浩明

あらすじ:いまだに陸上競技(長距離)選手への夢をもつ祐作(30歳)は、恋人にも内緒で生活費稼ぎに「残置物(ざんちぶつ)処理」という仕事をやっている。それはアパートなどで孤独死した人の部屋に残ったモノを片付ける気味の悪い仕事だ。独り誰にも看取られず死んでいく「孤独死」という、現代都会の一面に対する男の苦悩と再出発のドラマ。

 

文化庁芸術祭参加作品

『成田屋おまつ』(再)

【放送日】
2008年10月11日(土曜日)22:00-22:50

作:山本むつみ
音楽:渡辺博也
演出:小林武
技術:加村武
音響効果:石川恭男


出演:二宮さよ子 河相我聞 嵐広也 中嶋宏幸
藤川矢之輔 田中世津子 小佐川源次郎 江林智施
北澤知奈美 常石梨乃 寺田昌樹 石田聡
又野佐紋 松永ひろむ


あらすじ:江戸時代半ばの歌舞伎界。男だけの社会で、自分の才知と胆力で女形のトップスター「菊之丞」を育て上げた女性がいた。成田屋おまつ。劇界の大立者成田屋の後添いに入ったおまつは、多くの若手役者達を育て、時代を切り開いた。だが、彼女にもどうにもならないことがあった。かなわぬ恋の道……。時代とともに生き生きと自分の人生に向き合った女性のヒューマンドラマ。

 

文化庁芸術祭参加作品

『夜の階段』(再)

【放送日】
2008年10月4日(土曜日)22:00-22:50

作:サカイヒロト
音楽:小林洋平
演出:江澤俊彦
技術:糸林薫
音響効果:坂本愛


出演:森永悠希 三田和代 京本政樹 中江有里
金木春奈

あらすじ:一戸建てに住む少年光汰(10歳)と妹(5歳)。真夜中、二階の子供部屋から下のトイレまで降りていくのが怖くて一緒にたたずんでいるのだ。光汰の頭の中に祖母のことが蘇る。かつては階下におばあちゃんの部屋があり、優しくお話してくれたおばあちゃんが居た。そして、2年前おばあちゃんは老人ホームに行った。そこは以前のおばあちゃんの部屋とはまるで違う居心地の悪い所だった……。暗闇におびえながらも記憶の旅をする少年の内面を、情感豊かに描く。

 

シリーズ・スペインの現代文学

『嵐のマドリード』

【放送日】
2008年9月27日(土曜日)22:00-22:50

原作:ラモン・センデール
訳:浜田滋郎
脚色:大河内聡
音楽:ツルノリヒロ
演出:江澤俊彦
技術:宮澤智臣
音響効果:浜口淳二



出演:利重剛 大路恵美 山賀教弘 若林久弥
高橋礼恵 祖父江進 吉見一豊 中谷守男
岡村勝之

あらすじ:1936年7月17日。マドリード郊外にあるアルランサ家の当代の侯爵夫人は若く美しい裸身で自宅内にあるプールで一人で泳いでいた。そこへ呼びつけられたのは、庭師のロムロ。ロムロが一糸纏わぬ公爵夫人の裸体にとまどいの表情を浮かべると「ロムロは男なの?」と言う。公爵夫人はロムロを男性としてはおろか、対等の人間とも見なしていないのだ…。
現代スペインを代表する作家、ラモン・センデール(1901〜1982)が1947年に発表した小説のオーディオドラマ化。
スペイン内戦時(1936年)のマドリード市内にある貴族の屋敷を舞台に、若くて美しくも高慢な公爵夫人と、夫人にどこまでも奉仕していく中年の庭師の、徐々に立場が逆転していく関係を重厚な人間ドラマとして描いていく。

 

シリーズ・スペインの現代文学

『パスクアル・ドゥアルテの家族』

【放送日】
2008年9月20日(土曜日)22:00-22:50

原作:カミロ・ホセ・セラ
訳:有本紀明
脚色:入山さと子
音楽:長谷部徹
演出:小林武
技術:宮澤智臣
音響効果:石川恭男



出演:綱島郷太郎 左時枝 河原崎建三 江良潤
小坂優舞 柳下季里 渡辺妙子 関貴昭
中西陽介 佐藤祐四 益富信孝 中村由起子
加山到 荒川大三郎 常石梨乃 ホルゲ・マドリッド


あらすじ:作者は1916年生。本書は1942年刊行。
パスクアル・ドゥアルテは両親と妹の4人家族。生まれたばかりの弟が、大瓶の中に落ちて亡くなった。しかし母親は弟の死にも平然としており、それから母への憎悪が始まる。ローラとの結婚後、飲み屋で友人のサカリアスと口論してナイフで傷害を負わせる。ローラの流産と生まれた子供の夭折。彼は自分の境遇から逃れるようにマドリードなどを放浪する。二年後帰郷し妊娠中の妻と再会する。彼の妹は、その子の父親が情夫エスティラオと告白して亡くなる。怒ったパスクアルはエスティラオを殺害する。
三年間の服役後、故郷で再婚する。しかし妻から母の無愛想な態度や、悪意のこもった話し振りに彼は我慢の限界に達する。
ノーベル賞作家(1989年受賞)の代表的ピカレスク小説のドラマ化。

 

シリーズ・スペインの現代文学

『エトルリアの微笑み』

【放送日】
2008年9月13日(土曜日)22:00-22:50

原作:ホセ・ルイス・サンペドロ
訳:渡辺マキ
脚色:原田裕文
音楽:長生淳
演出:真銅健嗣
技術:鏡唯夫
音響
音響効果:米本満



出演:加藤武 かとうかず子 村治学 平栗あつみ
清郷流号 夏川加奈子 本川嵐翔 占部房子
瑞木健太郎 悠木千帆 渡辺穣


あらすじ:頑固で昔気質、山あいの南部でずっと田舎暮らしをしてきた父親ブルーノを、都会で暮らす息子が引き取る。慣れない共同生活に戸惑う父と息子家族……実は父の残された時間は病魔のせいでそう長くはない。しかし、老翁はここで一つの喜びに出会う、1歳のまだ言葉も話せない孫の男の子であった……。スペインで知らない人はいないと言われる超人気小説をドラマ化し、老人の精一杯な生きざまから「愛」と「死」の意味を問いかける。

 

シリーズ・スペインの現代文学

『狼たちの月』

【放送日】
2008年9月6日(土曜日)22:00-22:50

原作:フリオ・リャマサーレス
訳:木村榮一
脚色:谷登志雄
音楽:近藤譲
演出:保科義久
技術:小林清
音響効果:久保光男



出演:横堀悦夫 森田順平 水島涼太 真堂藍
浜中博史 稲垣隆史 グラシアス小林 平尾仁
柳澤愼一 此島愛子 坂西良太 服部博行


あらすじ:隣人同士が敵と味方に分かれて殺し合う「スペイン内戦」を描きながら、世界中に今も進行中の「内戦」という、今日的悲劇の本質に迫る普遍的な物語である。
1936年スペイン内戦が始まる。
共和国政府を守る人民戦線に参加した小学校教師アンヘル(25)が主人公。
1937年、人民戦線側は壊滅状態となり、アンヘルら青年4人はスペイン北部の山中に潜伏する。
すぐ目の前に、生まれ育った故郷の村があり愛する家族や恋人がいるのに、そこに戻ることができないのだ。
日中は洞窟に身を隠し夜だけが行動できる時間帯。アンヘルの父親の言葉が絶望の中で響く「ほら、月が出ているだろう。あれは死者たちの太陽なんだよ」…。

 

『父さんの花笠』

(山形局制作)

【放送日】
2008年8月23日(土曜日)22:00-22:50

作:阿部美佳
演出:宮本えり子
技術:塚原孝典
音響効果:遠藤正昭



出演:眞島秀和 古川孝 今田裕美子 渡部さとる
片倉久美子 柴田徹 佐藤俊介 樋口陽子
石井周


あらすじ:夏8月、故郷山形にある男が帰ってきた。東京で若手脚本家として頑張っていたが、挫折。心の支えを求め、山形の実家に戻るが、そこには未だ和解できない親父が居た。ぎくしゃくする親子がやがて心を通わせ、男が幼い頃二人で行った花笠祭りに再び出掛けることになる……。地方色豊かに親子の絆をじっくりと描く。


現場からひとこと〜演出:宮本えり子
一生懸命やっていても仕事がうまくいかない時、ふるさとの両親を思い出すことはありませんか?「父さんの花笠」はそんな青年が久しぶりに帰省し、自分自身を見つめ直す物語です。今回は山形の夏の空気を表現するためスゲ草刈りの農作業や花笠祭りは実際に現場の音を使いました。脚本は山形県尾花沢市出身の阿部美佳さん、俳優陣も山形県米沢市出身の眞島秀和さんをはじめ、県内で活躍中の方に多く参加いただき、山形弁を全編に使いました。「ザ・山形」にとことんこだわった「父さんの花笠」。
お盆明けの週末にふるさとを思い出して、元気になっていただけたら幸いです。

 

『ラジオと背中』

【放送日】
2008年8月16日(土曜日)22:00-22:50

作:齋藤恵美子
音楽:小林洋平
演出:江澤俊彦
技術:糸林薫
音響効果:浜口淳二



出演:若村麻由美 山本學 鈴木瑞穂 三田和代
川口敦子 内野謙太 川中健次郎 中地美佐子 
久保晶 安齊舞 宮本侑芽 松田佳祐
マーコフ・ダニエル マーク・マードック


あらすじ:詩人・齋藤恵美子さんの詩集『ラジオと背中』は、曽祖父の代からご自身に至るまでの家族史を縦糸にして、祖父母や両親の戦争体験を受容する自身の内面を横糸にした詩を多く所収している。その作風は、家族の会話を基調とした平易な口語体である。
番組では、『ラジオと背中』所収の詩を、「私(作者)」の声、父の声、母の声、祖父母の声、幼少時の「私」の声等、複数の俳優によって多声的に演じ(読み)分け、音響効果や音楽を織り込みながら、ドラマとして再構成していく。
大正から昭和、平成に至るまでの家族の歩んできた道を、作者の目線から温かく描く。

 

『稲穂が輝く時』

【放送日】
2008年8月9日(土曜日)22:00-22:50

作:横山玲子
音楽:田頭勉
演出:保科義久
技術:小林清
音響効果:岩崎進



出演:鶴田忍 大西多摩恵 手塚祐介 里居正美
小高三良 後藤敦 那波一寿 鈴木佑梨
火野カチコ 藏内秀樹 宮里駿 吉永拓斗


あらすじ:実(53)が専務を務める中堅食品会社で偽装問題が発覚した。この会社は先代社長で実の義父が立ち上げ、さらに実の強引な手腕でここまで大きくなってきた。事件が表立ってからは、家族関係にも大きな亀裂が生まれる。いつかは家業を譲って……そう思っていた息子に、家業も家庭も偽装だと罵り、責められる。戦後からの食料問題をふまえ、家族の再生をはかる社会派ヒューマンドラマ。

 

第23回NHK名古屋創作ラジオドラマ脚本募集入選作

『うそつきマーメイド』

(名古屋局制作)

【放送日】
2008年8月2日(土曜日)22:00-22:50

作:瀬谷加奈子
音楽:BANANA
演出:川野秀昭
技術:小出剛
音響効果:沢田智哉


出演:三村ゆうな 鈴木惠理 堀田和則 柴井伶太
鬼頭卓見 たじましょうこ 藤元英樹 石原英秀
湯浅浩史 西山諒


あらすじ:海辺の町で父・弟と暮らす中二の女の子が海岸で出会ったのは、記憶を失って倒れていた美しい若い女性だった。彼女は一家と仲良くなり家族同然になっていくが、その出会いの裏には十年前に起きた海難事故が関わっていた。謎の女性の狙いは…。愛おしさと憎しみが交錯する斬新なストーリー展開と、瑞々しさにあふれた心情の揺れを描いた、名古屋放送局主催・第23回創作ラジオドラマ脚本募集の入選作をオーディオドラマ化する。

 

『春にして君を離れ』

【放送日】
2008年7月26日(土曜日)22:00-22:50

原作:アガサ・クリスティー
訳:中村妙子
脚色:金谷祐子
音楽:MOKA☆
演出:今井洋一
技術:大宅健司
音響効果:巽浩悦



出演:伊藤蘭 磯部勉 水橋貴己 滝直希
矢代朝子 須田邦裕 河井かつし
ミリアンダルトア赤穂 阿美朝子


あらすじ:優しい夫とよき子どもに恵まれ、理想の家庭を築き上げた!そう信じ込んでいた主婦が、娘の病気見舞いを終えてバグダッドからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係や夫婦の愛情に疑問を抱き始め、ついには自分のこれまでの人生を全否定する最悪の解釈に至ってしまう…。クリスティーの傑作心理サスペンスのオーディオドラマ化。


現場からひとこと〜演出:今井洋一
今回、50分間でずっぱりの主役・ジョーン・スカダモアを演じるのは、伊藤蘭さん。伊藤さんは、リハーサルの時から渾身の演技をしてくださいました。本番での集中力にも唸らされました。なにげないセリフや短い間まで、とても大事に表現する伊藤さんのお芝居は必見!いや必聴です!!また、夫役の磯部勉さんや、ブランチ役の矢代朝子さんとのかけあいも絶妙です。手前味噌ですが、くりかえし聴いていただいても楽しめるお芝居の品質だと思っています。さらに、日本の原作ではなかなかお目にかかれない「クリスティーならではの人間観」がドラマ全体の構造はもちろん、セリフの端々にも現れています。そちらも合わせてじっくり!お楽しみください。

 

『成田屋おまつ』

【放送日】
2008年7月19日(土曜日)22:00-22:50

作:山本むつみ
音楽:渡辺博也
演出:小林武
技術:加村武
音響効果:石川恭男



出演:二宮さよ子 河相我聞 嵐広也 中嶋宏幸
藤川矢之輔 田中世津子 小佐川源次郎 江林智施
北澤知奈美 常石梨乃 寺田昌樹 石田聡
又野佐紋 松永ひろむ


あらすじ:江戸時代半ばの歌舞伎界。男だけの社会で、自分の才知と胆力で女形のトップスター「菊之丞」を育て上げた女性がいた。成田屋おまつ。劇界の大立者成田屋の後添いに入ったおまつは、多くの若手役者達を育て、時代を切り開いた。だが、彼女にもどうにもならないことがあった。かなわぬ恋の道……。時代とともに生き生きと自分の人生に向き合った女性のヒューマンドラマ。


現場からひとこと〜演出:小林武
このドラマは江戸時代の歌舞伎界を舞台に。女形の瀬川菊之丞と彼の後ろ立ての“おまつ”との叶わぬ恋物語です。ラジオですので、長唄をバックに菊之丞が踊っているのが見られないのが残念ですが、ご想像しながらお聴き下さい。
最後は江戸時代の3大大火の一つ明和の火事の中で、互いの心情を吐露するシーンは圧巻だと思います。
作は山本むつみさん。彼女は歌舞伎に精通しており、よく時代の雰囲気を醸し出していると思います。
おまつは二宮さよ子さん、菊之丞は河相我聞さん、語りの平賀源内は嵐広也さん。
その他前進座の皆さんにご出演頂きました。特に前進座の皆さんは色々とご協力頂き感謝です。また二宮さよ子さんのお芝居も堪能して頂ければ幸いです。

 

平成19年度中四国ラジオドラマ脚本コンクール入選

『私は、先生』

(松山局制作)

【放送日】
2008年7月12日(土曜日)22:00-22:50

作:おのゆうき
演出:鈴木航
技術:藤井芳保
音響効果:浜口淳二


出演:尾野真千子 小薗江愛理 須永慶 左時枝
甲本雅裕 佐藤祐一 高柳葉子 上村祐翔
江上晶真 岡珠希 高宗歩未


あらすじ:大学生の美幸(21)は、母校の中学校で教育実習を受けるため、故郷の四国松山に帰省する。だが、美幸は憂鬱だった。その中学校の教頭が、頑固で融通の効かない美幸の父であるということ。そして本当は教師になる気はないからだった。実習が始まった。管理教育の父達教師に反発して、美幸は生徒と仲良くやろうとする。生徒達の受けもいいが、真由(14)だけは美幸を拒否する。ある日、美幸は道後温泉で真由と偶然一緒になり、真由が抱える問題を知ることになる。
親と子、教師と生徒。漱石「坊っちゃん」に描かれた「道後温泉」を舞台に、三週間だけの「先生」が、心通わせ、成長する姿を描いた、ぬくもりのドラマ。

 

『あなたに続く道』

(松江局制作)

【放送日】
2008年7月5日(土曜日)22:00-22:50

作:美崎理恵
演出:長谷知記
技術:遠藤博之
音響効果:吉田秋男



出演:紺野まひる 松尾政寿 山田昌 吉野智美
末武太


あらすじ:大切な恋人を突然失っためぐみは、恋人のふるさとであった島根県三瓶山の民家にホームステイしようとする。半ば強引に入りこみ、突飛な行動をするめぐみに、民家の人たちも訝しげ。実はめぐみは亡き恋人に伝えきれなかったことがあって、ここに来たのだった。思い出の場所で目的を果たし、人生の再出発ができるのか……。人生への一歩を踏み出そうとする人にエールを送る、ハートウォーミングドラマ。


現場からひとこと〜演出:長谷知記
あと一歩が踏み出せない――仕事で、日常生活で、そして恋愛で。「臆病になっても何も良いことはない」と誰もがわかっているはずなのに、「次に進む」のはいつだって難しい。でも、踏み出すきっかけというのは、案外身近な「人と人とのつながり」の中にあったりするのではないでしょうか。
島根県の中央にある三瓶山。そこに広がる大自然の音に耳を澄ませつつ、“破天荒な女性作家”と“頑固者のおばあさん”のやりとりの中にお互いへの温かな思いを感じ取っていただけたら何よりです。

 

『地下水脈』

【放送日】
2008年6月28日(土曜日)22:00-22:50

作:竹内日出男
音楽:ニウナオミ
演出:真銅健嗣
技術:大宅健司
音響効果:井上直美



出演:立川三貴 鈴木正幸 浅利香津代 水野ゆふ
舟田走 平沼寧 海鋒拓也 田中雄土
平野萌香 永嶌花音


あらすじ:武志(60)は集団就職で東京に出て、苦労の末、経営者として成功をおさめていた。武志は分校の仲良し4人組と一緒に村から上京したが、他の3人は早々に故郷近くに戻っていた。45年ぶりに故郷を訪れた武志は、分校もなくなり、住む人もいない過疎ぶりに愕然とする。ただ、村にあった洞窟が鍾乳洞として観光スポットに変わっていた。少年時代探検した思い出の洞窟内をたどることで、時代に流された自分の半生を振り返る。


現場からひとこと〜演出・真銅健嗣:
日本列島には各地に洞窟、鍾乳洞があります。冷んやりして、水気や湿気がおおく、なんとも不思議な風景が延々と続きます。普通で入れる所は、観光地化し、歩きやすくなっていますが、枝道などかなり深く長く続いています。そんな洞窟を舞台に60歳になる元分校の同級生達仲良し4人の人生が振り返られる……。洞窟内の水は冷たくて透明で、なにか清々しく爽やかな感じがします。そのあたりを感じてもらえれば……と思い演出しました。東北岩手の言葉もとても癒される感じがしますので、合わせてお楽しみ頂ければ幸いです。

 

第34回放送文化基金賞優秀賞受賞

『明治おばけ暦』(再)

【放送日】
2008年6月21日(土曜日)22:00-22:50

作:山本むつみ
音楽:大河内元規
演出:保科義久
技術:糸林薫
音響効果:井上直美


出演:嵐広也 嵐圭史 藤川矢之輔 小佐川源次郎 
中嶋宏幸 浜名実貴 鈴木大 亀井栄克
田中世津子 又野佐紋 松永啓 河原崎國太郎


あらすじ:1872(明治5)年11月9日、明治政府が、それまでの太陰暦(旧暦)をやめて太陽暦(新暦)を採用するという詔書を布告し、明治5年12月3日を明治6年1月1日とすることになった。
「明治改暦」に関わる明治初期の有名無名の人々の行動を通して、お上に都合が良い改革が断行され、そのしわ寄せを食いながらも憤りの矛先が見えない弱者の怒りと抵抗を、下座音楽に乗せた歌舞伎の趣向たっぷりに描く。
理不尽な改暦で大損害をこうむった暦問屋一家や御一新の際に新政府に裏切られた赤報隊の生き残りらが、狂言作家・河竹新七(後の河竹黙阿弥)に率いられ、改暦を断行した太政官参議・大隈重信に一泡吹かせようと一夜だけの歌舞伎を上演するが・・・。

 

『生き直す パート2
〜理学療法士・砂川晴美〜』

【放送日】
2008年6月14日(土曜日)22:00-22:50

作:香取俊介
音楽:三柴恵
演出:小林武
技術:西田俊和
音響効果:浜口淳二



出演:魏涼子 森ほさち 李淑子 谷川清美
冠野智美 大橋吾郎 小川隆市 林真里花
華村りこ 江良潤 田村元治 関えつ子
中村由起子


あらすじ:砂川晴美はリハビリ病棟の理学療法士。働きはじめてはや一年になる。今度担当するのは自動車事故で大怪我をしたミュージカル女優奈津実。同乗していた恋人の死を知り、リハビリを頑に拒否している。奈津実を女優として蘇らせることができるのか、晴美の懸命の苦闘が始まる……。病気や怪我を抱え、精神的にも参っている患者達が集うリハビリ・センターでの人間模様を通じて、人間の成長を感動的に描く。


現場からひとこと〜演出・小林武
去年放送しました、「生き直す」の第2作目です。
理学療法士という仕事は、脳障害や交通事故などで足腰の不自由な人に日常生活が出来るようリハビリをする人たちの名称です。手の不自由な人なら作業療法士、言語障害のある人なら言語聴覚士の人がリハビリをします。彼らの仕事は、今の高齢化社会では以前にも増してその重要度が高くなっています。普段健常者である人たちには馴染みがない職業にスポットを当てて見ました。リハビリ病院では身体的な障害のために患者さんそれぞれがいろいろな悩みを抱えています。その患者さんの心の葛藤にどう向き合い、彼らに新しい人生を歩んで貰いたいと努力する、それが理学療法士・砂川晴美です。ここでの「生き直す」とは、単に機能の回復ではなく、怪我を克服して新たな人生を歩むことです。
今回リハビリ病院に入院して来るのは、ミュージカル女優です。彼女は交通事故で足を骨折します。一生懸命にリハビリをして女優として復活しようとする矢先に、運転していた恋人の死を知ります。そのショックために、リハビリも疎かに成り、恋人の死に責任を感じて歌を歌えなくなります。彼女をいかにして、新たに「生き直す」気持ちにさせるか奔放する理学療法士・砂川晴美の姿を描きます。
晴美役は初回と同じく魏(ぎ)涼子さん。ミュージカル女優には元宝塚のトップスター・森ほさちさんが演じます。彼女の歌も是非堪能して下さい。

 

『生き直す〜理学療法士・砂川晴美〜』(再)

【放送日】
2008年6月7日(土曜日)22:00-22:50

作:香取俊介
音楽:三柴恵
演出:小林武
技術:加村武
音響効果:菅野秀典


出演:山本陽子 魏涼子 冷泉公裕 地曵豪
松熊つる松 渋谷哲平 正木佐和 緒方淑子
小島典子 松井範雄 赤崎ひかる 関えつ子
北村岳子 加藤清史郎


あらすじ:理学療法士は、病気や怪我を抱えた人達が元の生活が出来るように患者の身体の機能を回復させるリハビリを行なう人である。
砂川晴美はリハビリ病棟で働き始めて3ヶ月。最初に受け持った患者の百合は下半身麻痺で両足が動かない。駆け付けた息子の光男を見て晴美は驚く。4年前付き合っていた恋人だ。晴美が療法士に成ったのは、光男に振られて鬱状態になり車に撥ねられ足を骨折したが、リハビリを受けて体ばかりか心も回復した。それがキッカケで自分と同じように苦しむ人を救いたいと思い療法士に成った。晴美は光男との仲を裂いたのは母・百合だと知る。
患者の家族との関係の中で様々な苦難に逢いながらも、本当に人のためになる療法士を目指す一人の女性療法士を描く。

 

『四頭の羊』

(大阪局制作)

【放送日】
FM 2008年5月31日(土曜日)22:00-22:50

作:オカモト國ヒコ
演出:佃尚能
技術:藤井良清
音響効果:武生壮史



出演:柄谷吾史 田中平 森永悠希 福山亜弥
松本花奈 長佳秀 渡辺圭 吉原伸一
日下翔平 牛丸裕司 山ア千惠子 多田昌代
藤本幸広 興津正太郎 橋垣微


あらすじ:31歳の時に開かれる、小学校の同窓会。その同窓会に、何かに導かれるように足を運ぶ「私」。そこで私は、かつて仲良しだったコジとミエに再会する。表面的には純粋に再会を喜ぶ私たち。しかし、私たちには簡単には触れられない、ある過去の記憶があった。5年2組のクラス内で起こった「あの事件」。あの日、私たちは、降りしきる雨の中、仲間だったヤスを裏山に呼び出した・・・・・。
人生の節目に、一度だけ、過去を振り返るとしたら。
あなたなら、何を思い出しますか?


現場からひとこと〜演出:佃尚能:
実は、奇遇なことに私にもこの物語に少し似た経験があります。小学生の頃、仲良くしていた1人の友達がいたのですが、その子はある時、脳の病気にかかってしまい次第に学校を休みがちになっていきました。そして、いよいよ病気が重くなりもうこれ以上学校に来られないという時に私はその子に、ほんの些細な、だけどその子の心を傷つけることをしてしまったのです。それは、同窓会などでもう一度会えたらほんの笑い話で済む程度の話なのですが…。しかし、その子は(恐らく)そのまま亡くなってしまいました。これは、この物語とは全く関係のない話ですが、作りながらふとそんな記憶が思い起こされる作品でした。 現場は7人の子供たちが走り回る、小学校さながらににぎやかな収録でした。関西っ子たちの大人顔負けの名演技をどうぞお楽しみ下さい。

 

シリーズ・カリブの現代文学

『カリブの女・ユーマ』(再)

【放送日】
FM 2008年5月24日(土曜日)22:00-22:50

原作:ラフカディオ・ハーン
訳:平川祐弘
脚色:谷登志雄
音楽:田頭勉
演出:保科義久
技術:西田俊和
音響効果:片平洋資


出演:松尾あぐり 関貴昭 新橋耐子 井上倫宏
広瀬彩 小野花梨 山口愛 内田尋子
内山森彦 小杉幸彦 村澤寿彦 
横堀悦夫 石田太郎


あらすじ:ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は反西洋・反文明的な観点から数多くの作品を記したが、小説はカリブの女性を主人公にした二編しか書かなかった。
本編「ユーマ」は、カリブのクレオール(フランス語と土着語の混交語)文化を真正面から描いた初期のクレオール文学として、さらに、黒人女性をヒロインにした先駆的作品として世界文学史上特筆に価すると、世界的な再評価が進んでいる。
19世紀中頃のマルチニーク島。混血奴隷のユーマはペロンネット夫人の所有物。夫人の一人娘エメーは大農場経営者と結婚し、ユーマはその娘マイヨットの乳母となる。ユーマは青年奴隷ガブリエルと愛し合うようになるが、夫人は許可しない。マルティニーク島にフランス本国の革命の機運が押し寄せてくる・・・。

 

シリーズ・カリブの現代文学

『ハバナへの旅』(再)

【放送日】
FM 2008年5月17日(土曜日)22:00-22:50

原作:レイナルド・アレナス
訳:安藤哲行
脚色:ミラーカク子
音楽:丸山和範
演出:川野秀昭
技術:加村武
音響効果:三谷直樹


出演:山路和弘 磯西真喜 小林良也 岡部務
冠野智美 ミョンジュ 菊地真之 手塚秀彰
厚木拓郎


あらすじ:キューバのカストロ政権下、政治思想の統制の他、同性愛者であるというだけで投獄・迫害された作家が大勢いた。その一人がレイナルド・アレナス(1943−1990)。母国キューバでは処女作以降、全ての作品が発禁処分になるが、国外で発表された作品は高く評価され、第二作『めくるめく世界』はフランスの権威あるメディシス賞を受賞している。名実ともに現代ラテン文学の最高峰の一人。本作はキューバでの政治的迫害、同性愛者としての苦悩、憧れのアメリカへの亡命、そしてアメリカへの失望など自身の体験を色濃く織り込み、心身ともに自由を求めた人間のあくなき姿を描いたものだ。アレナスが生存中に出版された最後の物語作品、『ハバナへの旅』をオーディオドラマ化する。

 

シリーズ・カリブの現代文学

『息吹、まなざし、記憶』(再)

【放送日】
FM 2008年5月10日(土曜日)22:00-22:50

原作:エドウィッジ・ダンティカット
訳:玉木幸子
脚色:横山玲子
音楽:白日歩
演出:大久保篤
技術:糸林薫
音響効果:千本木真純


出演:大門真紀 中條佐栄子 青木和代 宮内順子
長棟嘉道 長沢大 菊地真之 安田裕
榊英訓 黒葛原未有


あらすじ:ハイチの少女ソフィーは、12歳のある日、ニューヨークで初めて母と会った。一緒に住むことになったが、互いにどう接していいか分からない。ソフィーは母がレイプされて生まれた子だったのだ。季節は流れ、18歳になったソフィーは、年上のサックス奏者ジョゼフと恋に落ちる。だが母は二人の交際に強硬に反対、たまりかねたソフィーは母を捨てて家を出る。母とはそれきりだった。それから2年後、乳飲み子を抱いたソフィーは故郷ハイチに帰る。そこでソフィーは、かつてレイプされた母が自殺未遂を繰り返したことを聞かされる。数日後、故郷でソフィは母と再会し、素直な気持ちで和解する。それは初めて母娘がふれあった瞬間だった。だが母の心の傷は深かった……

 

シリーズ・カリブの現代文学

『朝まだきの谷間』(再)

【放送日】
FM 2008年5月3日(土曜日)22:00-22:50

原作:ラファエル・コンフィアン
訳:恒川邦夫
脚色:岩崎良子
音楽:菅谷昌弘
演出:真銅健嗣
技術:西田俊和
音響効果:最上淳


出演:大久保祥太郎 山野史人 中村たつ 岩崎ひろし
増子倭文江 火野カチコ 近衛はな 宮里駿
若林久弥 松本元 内田千晶 海鋒拓也
若山栄子 宮本侑芽 酒向芳


あらすじ:カリブ諸島の西側、沖縄本島とほぼ同じ面積の島、フランス領マルチニック。白人、黒人、インド人、シリア人……まさに人種のるつぼと言えるこの島で、1950年代、少年時代を過ごしたクレオール文学の旗手コンフィアンの自伝的小説のドラマ化。「混血!」ということで、多少のいじめを受けていた少年だが、子供同志の友情に恋、ユニークな大人達に囲まれ、伸び伸びと暮らしていた。ところが、1959年、キューバ革命の余波がついにこの島にも訪れ少年も巻き込まれる。

 

第36回創作ラジオドラマ大賞 佳作

『よしこちゃんの涙の音』

【放送日】
FM 2008年4月26日(土曜日)22:00-22:50

作:有馬雪枝
音楽:BANANA
演出:今井洋一
技術:糸林薫
音響効果:岩崎進



出演:永井杏 沢木ルカ 岡田奈々 鈴木健介
今橋かつよ 松山メアリ 北出菜穂 冨澤風斗
川嵜海 ほか

あらすじ:小学六年の転校生クルミにとって唯一人の友達よしこ。受験勉強を母親から強いられているよしこと仲良くするために「自分も受験をする」と小さな嘘をついてしまう。でもクルミは母親にも思うように言えず、時をすごしてしまう。ある日クルミは、よしこのストレス解消に誘われ、一緒にやろうと勧められるが・・・。多感な少女の日々と微かな友情を瑞々しく描く感受性豊かなドラマ。


現場からひとこと〜演出・今井洋一
今回のFMシアターは、小学校6年生の女の子ふたりの会話場面が全体の7割にもなります。クルミ役の永井杏(あんず)さんと佳子役の沢木ルカさん、このふたりの会話が作品の命なので3日間、台詞の特訓をしました。台詞の練習はもちろんですが、ふたりに仲良くなってもらうことも特訓の大きな目的でした。特訓のおかげで、リハーサルと本番の日にはふたりの息がピッタリ。収録中もふたりのうちとけた楽しげな会話が現場の空気をなごませてくれました。プライベートでも息が合ったふたりの会話をどうぞこころゆくまでお楽しみください。

 

『はじまらないティータイム』

【放送日】
FM 2008年4月19日(土曜日)22:00-22:50

原作・脚色:原田ひ香
音楽:野田雅巳
演出:真銅健嗣
技術:大宅健司
音響効果:浜口淳二



出演:平栗あつみ 左時枝 大路恵美 浜丘麻矢
藏内秀樹 森治美 吉永拓斗

あらすじ:2007年にすばる文学賞を受賞した同名小説を、作者本人の脚本でドラマ化する。強引な方法で妻ある男と関係をもった上妊娠、結婚にこぎつけた里美。追い出された先妻佐智子。里美は自分の見栄を実現するためありとあらゆる努力をして、夫の親族に近づく。他方、先妻の佐智子は別れた夫の伯母から同情されるが、精神のバランスを欠いたため奇癖が出てしまう。敵同志の二人の女が運命の糸に手繰り寄せられる……。ショッキングな人生の転機で生じた女性の、激しくも脆い内面をシビアにしかも暖かく描く。


現場からひとこと〜演出・真銅健嗣
ある男をめぐって……先妻の佐智子(大路恵美さん)、後妻の里美(浜丘麻矢さん)、その男の伯母で、何故か佐智子のことを気の毒がり、追っ掛けていく熟年のミツエ(左時枝さん)、ミツエの娘で、里美に追いかけ回される奈都子(平栗あつみさん)。4人それぞれが激しく自分の主張をしていきます。それを、迫真で演技する皆さん!どのシーンも、本当に聴き応えあると確信しています。
そんなちょっと激しい人間ドラマになったら……と思って演出に挑みました。でも一見、凄いドロドロな感じですが、以外と爽やかにうつるのは、原作者であり自身で脚本も書いた、原田ひ香さんの品の良さ、そして素晴らしい持ち味のお陰なんだと思います。
小説を読んだ方も是非、もう一つの「はじまらないティータイム」をお聴き頂ければ幸いです。

 

『夜の階段』

【放送日】
FM 2008年4月12日(土曜日)22:00-22:50

作:サカイヒロト
音楽:小林洋平
演出:江澤俊彦
技術:糸林薫
音響効果:坂本愛




出演:森永悠希 三田和代 京本政樹 中江有里 
金木春奈

あらすじ:一戸建てに住む少年光汰(10歳)と妹(5歳)。真夜中、二階の子供部屋から下のトイレまで降りていくのが怖くて一緒にたたずんでいるのだ。光汰の頭の中に祖母のことが蘇る。かつては階下におばあちゃんの部屋があり、優しくお話してくれたおばあちゃんが居た。そして、2年前おばあちゃんは老人ホームに行った。そこは以前のおばあちゃんの部屋とはまるで違う居心地の悪い所だった……。暗闇におびえながらも記憶の旅をする少年の内面を、情感豊かに描く。

 

『山茶花さいた』

【放送日】
FM 2008年4月5日(土曜日)22:00-22:50

作:ふたくちつよし
音楽:渡辺博也
演出:小林武
技術:西田俊和
音響効果:石川恭男


出演:五大路子 下條アトム 細越みちこ 片山景介
神山繁 小杉幸彦 小川剛生 林征生
柳川慶子


あらすじ:朋子は夫、就職している娘、大学浪人中の息子の4人家族。長女のお見合い話が進む中、長く別居している夫の父親が突然やってくる。この義父は10年前に連れ合いを亡くし、一人暮らしをしてきたのだが、近々再婚したいといい、その相手の女性まで朋子達の前に連れてくる。娘の見合いで只でさえ大変なのに……苛立つ朋子に、突然夫が、みんな一緒に暮らそうと言いだす。現代日本の家族愛を暖かく、人間性豊かに描く。

 

劇作家シリーズ

『家』(再)

【放送日】
2008年3月29日(土曜日)22:00-22:50
※東海・北陸は別番組となります。

作:岡部耕大
音楽:菅野由弘
演出:保科義久
技術:和田厚
音響効果:千本木真純


出演:丹阿弥谷津子 平泉成 石見榮英 吉野佳子
入江杏子 溝口順子 渡辺徹

あらすじ:常に「日本と日本人」を、強靭なセリフと巧みな構成で重厚に描き続け、独自の世界を築き続ける演劇界の重鎮・岡部耕大氏の新作。
廃屋となりつつある民家が舞台。母の七回忌に各地から集まった5人兄弟の口から「家」の思い出が語られる。思い出に郷愁と愛憎が寄り添い、欲にかられて壮絶な兄弟の口喧嘩となる。
浮かび上がる「家」百年の歩みは二つの時間に断絶される。家父長制度の下<戦争漬け>だった戦前のシンボルとしての「家」の時代。大家族や村という<共同体>が崩壊する一方で、新たな姿が構築されないまま朽ち果てていく目の前の「家」。それはそのまま二十世紀の日本の歩みに重なってはいないか。やがて兄弟は舞台を去り、残された「家」に桜の花びらが舞い散る・・・。

 

劇作家シリーズ

『断崖絶壁』(再)

【放送日】
2008年3月22日(土曜日)22:00-22:50

作:岡部耕大
音楽:菅野由弘
演出:保科義久
技術:加村武
音響効果:佐藤あい


出演:前田吟 蟹江一平

あらすじ:2006年、60歳の定年を迎える人の人生は、日本の戦後60年の歩みと重なる。
このドラマに登場するのは二人の男。磯村良介は2006年3月31日、団塊の世代の“先頭”を切って定年退職。エイプリルフールの4月1日夜、良介は断崖絶壁に立つ。自殺を考える良介の前に現れたのは山神神父(30歳)。二人は断崖絶壁の上で、戦後日本という「時代」と人間、会社に代表される「組織」と人間、「信頼」と「裏切り」、「信仰」の裏表…などを口汚く口論し、二人の立場は二転三転する。≪言葉喧嘩≫は、この世が如何に汚いかを明らかにしていくが、その≪言葉喧嘩≫のエネルギーが、いつしか二人の「生きるエネルギー」に転化し始める・・・。
このドラマは、今日の世界が『断崖絶壁』だと感じている人間に贈る応援歌でもある。

 

劇作家シリーズ

『90日の過ごし方〜マルオ・ラスト・デイズ〜』

(大阪局制作)

【放送日】
2008年3月15日(土曜日)22:00-22:50

作:高見健次 川浪ナミヲ
音楽:サキタハヂメ
演出:佃尚能
技術:佐藤善次郎
音響効果:定本正治



出演:金井勇太 渋谷天外 山内圭哉 川下大洋 
村上佳子 谷広子 林英世 廉林優
アンディ岸本 行澤孝

あらすじ:交通事故のため、とあるオンボロ病院に入院することになったアニメおたく青年マルオ。狭い病室で相部屋になったのは自称ヤクザの山田源太と、見た目はマッチョマン・心は乙女の郷田鉄次郎。ある日3人は看護士が落としていった1枚のカルテを手にする。そこに書かれていたのは・・「精密検査で悪性の腫瘍を発見、余命3ヶ月」という事実だった。誰のものか分からないカルテ。3人にとって人生最後の90日間のカウントダウンが始まった。


現場からひとこと〜脚本:高見健次・川浪ナミヲ:
今回は劇作家シリーズということで、脚本を担当していただいた劇団赤鬼の2人からの現場から一言です。劇団赤鬼は95年の旗揚げ以来、神戸を拠点に精力的に作品を発表している人気劇団です。
人生のリミットを突きつけられたら?僕たちはいつか訪れる”死”という現実に目をそむけて生きています。この物語に出てくるアウトローたちは、初めは欲望を満たすために突っ走って生きようとするけれど、最後には純粋に誰かを求めて、誰かとつながりながら残された日々をもがきながら生きていきます。”僕たちは孤独だけれど、1人じゃない。”今よりすこしだけ人を好きになれる。そして人生を好きになれる。そんな素敵なドラマに仕上がっています。(高見健次)
「命」と「人生」という重厚なテーマで、「ぷっ」と笑える軽快なコメディーを書いてみたい。そんな思いでこの作品の執筆に取り組みました。命の大切さや人生を振り返るとなると、ちょっと説教臭いイメージが付きまとうものですが、本作品にはそういった台詞をなるべく使わないように心がけました。テンポ良く聴けて、終わった後に「じわり」と効いてくる。そんな作品が作りたかったのです。金井雄太さん、渋谷天外さんをはじめとする個性豊かなキャストと秀逸な演出プランの賜物でしょうか、びっくりするほどイメージ通りに作品が仕上がり、大変驚いております。関西の劇団発のFMシアターをどうぞお楽しみ下さい。(川浪ナミヲ)

 

劇作家シリーズ

『残置物処理班』

【放送日】
2008年3月8日(土曜日)22:00-22:50

作:丸尾聡
音楽:長生淳
演出:真銅健嗣
技術:糸林薫
音響効果:浜口淳二



出演:谷川俊 酒向芳 須藤温子 鈴木一功 
IKKAN 平沼寧 井川鉄也 和田広記 
小澤浩明

あらすじ:いまだに陸上競技(長距離)選手への夢をもつ祐作(30歳)は、恋人にも内緒で生活費稼ぎに「残置物(ざんちぶつ)処理」という仕事をやっている。それはアパートなどで孤独死した人の部屋に残ったモノを片付ける気味の悪い仕事だ。独り誰にも看取られず死んでいく「孤独死」という、現代都会の一面に対する男の苦悩と再出発のドラマ。


現場からひとこと〜演出:真銅健嗣:
最近「孤独死」という言葉を耳にします。高齢者ばかりでなく、50代の言わば働き盛りの人でさえも孤独死しているそうです。24時間営業のさまざまなお店があり、独りで暮らしていても不便を感じない。むしろ、家族内の面倒に巻き込まれることなく、勝手に生きていける……。今の世の中の一面なのかもしれません。
自身の経験ですが、不動産の物件などを見て回っている時、最近まで住んでいた人がその部屋で亡くなった事実を聞いただけで、なんだか皮膚がゾーっとそそけ立つ感じがしたことはありませんか?でもその反面、死者に親しかった人にとっては思い出深い部屋、その人の痕跡や記憶をたどり涙してしまう所。同じ部屋なのにこうも感じ方が違うのか……。そんな事を考えながら、演出にあたりました。ちょっと気味の悪い所もありますが、最後までお聴き頂ければ幸いです。

 

シリーズ・地域発ドラマ

『水のなかの月』

(福岡局制作)

【放送日】
2008年3月1日(土曜日)22:00-22:50

作:富崎喜代美
演出:清水拓哉
技術:奥山操
音響効果:武田公二


出演:高久ちぐさ 手嶌葵 鶴賀皇史朗 坪内陽子 
山下晶 坂口裕介 松本智美 菊地祐馬 
眞崎幸恵 山川徹 土肥志文

あらすじ:顔の左半分が麻痺した高校生・真生と、送球恐怖症「イップス」を隠す野球部のエース・月丘。ひょんなきっかけで真生が月丘の「イップス」克服に協力することになるが、真生の母が生い立ちに暗い過去をもつ月丘を傷つけてしまう。ショックで姿を消した月丘を捜す真生は、赤い橋のかかる河原で、赤ん坊を抱えた不思議な少女に出会う。少女の言葉から月丘の出生の秘密が明らかになる−。


現場からひとこと〜演出:清水拓哉:
聴くだけで元気になる声、切なくなる声、笑ってしまう声。
当たり前ですがオーディオドラマは、登場人物の姿が見えません。
俳優さんたちの声から、物語の中の彼らがどんな人物なのか想像しなくてはなりません。でもそれが逆にオーディオドラマの楽しみでもある気がします。
今回の出演者の皆さんは、本当に魅力的な声の持ち主揃いです。
このドラマはそうした温かい声や哀しい声がつむぎ出すファンタジーですが、その声に隠された登場人物それぞれの物語も想像しながら楽しんで頂ければ、と思います。
主演の高久ちぐささんは、オーディオドラマは初挑戦ですが、健気で愛らしい主人公を見事に演じきっています。
ヒロインの相手役、鶴賀皇史朗さんは福岡を拠点に活躍する若手舞台俳優の実力派です。そして、ヒロインが出会う少女には、歌手の手嶌葵さん。福岡出身で、映画「ゲド戦記」のテルー役が皆さんの記憶にも新しいと思います。その美しい声がヒロインを不思議で決定的な出会いに誘います。
さらに、この3人をもり立てる地元福岡の俳優陣の熱演にもご期待ください。福岡発のFMシアター、お楽しみに!

 

シリーズ・地域発ドラマ

『青春快進撃号』

(松山局制作)

【放送日】
2008年2月23日(土曜日)22:00-22:50

作:小野田俊樹
演出:鈴木航
技術:梅田芳政
音響効果:吉田秋男


出演:佐津川愛美 原田芳雄 大高洋夫 モロ師岡
浅利陽介 松田真知子 久保晶 本多晋
本田清澄 茂木和範

あらすじ:宇和島に住む高校生の凛子(18)は進学のことで悩んでいた。そんな中、疎遠だった祖父の元へ通うようになる。地元の伝統行事、闘牛に打ち込む祖父。やがて凛子も闘牛の世話を手伝うようになり、徐々にその魅力にとりつかれる。そしていよいよ、祖父と凛子、そして牛との格闘の日々が始まった。

 

シリーズ・地域発ドラマ

『モモと見た夢』

平成19年度中四国ラジオドラマ脚本コンクール 佳作

(松江局制作)

【放送日】
2008年2月16日(土曜日)22:00-22:50

作:大山淳子
演出:長谷知記
技術:遠藤博之
音響効果:高橋紀行



出演:
富田靖子 小市慢太郎 吉野智美 吉本武史 
永山安子 新名基浩 末武太 大橋滉也
難波香織

あらすじ:鈴子(38)は結婚して10年、不妊に悩んだ末、病院で排卵障害と診断される。その帰り、桃太郎の伝説で有名な川を、赤ちゃんが流れてくるのを見かける。拾い上げた鈴子は「桃太郎」と名付け、わが子のように可愛がる。ある日、泥棒が入って殴られ、鈴子は気を失い、桃太郎も行方がわからない……。桃太郎の正体は?心温まるメルヘンドラマ。


現場からひとこと〜演出:長谷知記
家族って何なのでしょう?夫婦にとって子どもって何なのでしょう?
そして、人と人とのつながりのなかで大切なものは……。
長きにわたって考えられ、これまでもたくさん描かれてきたテーマです。しかし、家族内での「問題」が表面化し、取りざたされている今だからこそ、もう一度立ち止まって思いを馳せた方がよいテーマなのではないでしょうか?
そんな想いを込めて制作した今回のオーディオドラマ。富田靖子さんと小市慢太郎さんが演じる夫婦の心の動きに耳を澄ませながら、じっくり聴いていただければ何よりです!

 

シリーズ・地域発ドラマ

『雪上の風』

第31回FMオーディオドラマ脚本募集 佳作

(青森局制作)

【放送日】
2008年2月9日(土曜日)22:00-22:50

作:加藤紀子
演出:野村歩
技術:奥田光伸
音響効果:遠藤正昭



出演:風祭ゆき 渡部さとる 沼沢郁子 小畑次郎 
原西忠佑 片倉久美子 長谷野勇希 石川裕人
橋浦あやの 絵永けい 澤田園子 澤田加奈子
佐々木久美子 真田鰯

あらすじ:郁子(55)は東京近郊に住むごく普通の主婦。高齢で動けない実母の介護に明け暮れている。ある日、母の元に一通の結婚式の招待状が青森から届く。いぶかしくも、代理で青森へ行くと、2年前に亡くなった父と、母にまつわる秘密が明らかになってゆく。人と人との愛の尊さをファンタジックに描く。


現場からひとこと〜演出:野村歩
お父さんとお母さん。
2人の出会いやプロポーズの言葉など、恋人同士だった頃の話をご存知ですか?
たいてい、聞いてもはぐらかされて教えてくれないものですよね。
一番身近な2人の秘密。そこには私たち「子ども」が知るよしもないドラマが秘められているのではないでしょうか。
今回はそんな両親の「秘密」を知った娘さんが主人公。
そして、彼女と家族の「愛」の物語でもあります。
しかし、しっとりとした大人の愛の物語・・・だけではありません!
結婚式の招待状を機に、平凡な主婦だった主人公の日常は家族を巻き込みながら「秘密」の隠された非日常へと移ろっていきます。
主人公、郁子を演じるのは風祭ゆきさん。両親の「秘密」に近づくことで変化していく郁子の心境を見事に表現した演技にも注目です。
世の中には家族の数だけ家族の歴史やカタチがあります。
このドラマが「家族愛」について改めて考えるきっかけになればと思います。
寒い夜、心がほっこり温まる愛の物語を是非お聴きください!

 

シリーズ・地域発ドラマ

『ふくれっ面のアンジー』

(札幌局制作)

【放送日】
2008年2月2日(土曜日)22:00-22:50

作:三浦まどか
演出:家冨未央
技術:宗片将樹
音響効果:三村俊之



出演:庄田梨香 伊藤裕子 マックス・パワーズ 宮津清也 
梶沼萌花 谷崎尚之 岩尾亮 ほか

あらすじ:北海道、ニセコの町に住むこととなった14歳の女の子、杏。母と二人暮らし。母親はペンションの雇われオーナーの仕事をし始める。世界的豪雪の町ニセコは、沢山の外国人が居住していることでも有名。杏のペンションにもオーストラリア人の青年が手伝いにやってくる。少女の目からみたニセコでの生活を人間性豊かに、暖かく描く。

 

『僕らはみんな、』

【放送日】
2008年1月26日(土曜日)22:00-22:50

作:樋口美友喜
音楽:小林洋平
演出:江澤俊彦
技術:西田俊和
音響効果:岩崎進




出演:タモト清嵐 春日清花 橋本佳奈 木村昴
高橋理恵子 上杉陽一 山ア千惠子 福士秀樹
武発史郎 池田愛 山口李菜 近江麻衣子
山岡太郎 堀田達也 森島縁 田中里和
重廣礼香

あらすじ:ユージ(16)とヨーコ(16)とリリ(16)の3人は家が隣同士の幼馴染。子供の頃は、3人とも一人っ子だったこともあり、お互い家に上がりこんで遊ぶ仲だった。しかし、別々の男子高、女子高に進学してからはお互い顔を合わせることもなくなっていた。
学校でも遊びでも、日常生活のいたるところでシミュレーションやヴァーチャルリアリティーに接しているユージ。どこか「生きている」という実感に欠けた日々を送っているユージが、突如ふりかかる“想定外”の出来事に遭遇し、自分の頭で考え、自ら行動をとることを余儀なくされる…。
本でもゲームでも予行演習でもない、リアルな“生命の誕生”に立ち会うことで、「生きている」ことの歓びや大切さを感じ取る高校生3人組を瑞々しく描く。

 

『照子ちゃんの思い出』

(大阪局制作)

【放送日】
2008年1月19日(土曜日)22:00-22:50

作:福寿淳
音楽:野田雅巳
演出:大久保篤
技術:藤井良清
音響効果:巽浩悦



出演:海部剛史 原尚子 永倉聖子 城土井大智
吉野ひろみ 春留奈舞 中山心 福寿淳

あらすじ:利彦が妻と娘を連れて来たのは和歌山県の湯の峯温泉。小栗判官助重が蘇生したといわれる秘湯だ。だが利彦にとってこれはただの家族旅行ではない。ある事件について旅館のオーナーと話がしたかったのだ。学生時代にこの地を訪れた利彦には、ある少女にまつわる忘れられない思い出があった。15年前、当時の彼女とやってきた温泉で、利彦は照子という少女と出会った。病気の父親のために温泉を汲もうと、大阪からたった一人で来たのだという。夜の山道は危険なので利彦たちは旅館のオーナーと相談して照子を泊めることにする。だが照子は夜中に宿を抜け出し、たった一人温泉を汲みに行ってしまう。一刻も早くも父親を救いたいという照子の気持ちに打たれた利彦は夜通し車を飛ばした。しかし、照子の案内でやっとたどり着いた大阪のアパートでは、思いもかけない事態が待っていた…。


現場からひとこと〜演出:大久保篤
平安時代からから鎌倉時代にかけて盛んに行われた熊野詣で名高い、和歌山県野地方は、古くからうっそうと茂る木々の中に生と死が渾然と存在する神聖な場所でした。そこは黄泉(よみ)の国であるとも言われ、熊野に詣でて戻ってくることで、人々は黄泉帰って(甦って)新たな人生を歩んでいったのです。そんな熊野の不思議な雰囲気をお楽しみいただければと思います。

 

『ケンタウルスの死』

(名古屋局制作)

【放送日】
2008年1月12日(土曜日)22:00-22:50

原作:ダン・シモンズ
脚色:小林雄次
音楽:村松崇継
演出:渡辺一貴
技術:川田修
音響効果:大西斎


出演:池内万作 田中圭 野波麻帆 藤元英樹
鈴木惠理 多田木亮佑 今井悠貴 河崎有紀
坪井憧 田渕巧海 齋藤臣 磯貝明日香
皆方希保

あらすじ:大学を出た後、実家のある静岡で代用教員として採用された羽村(25)は、2学期いっぱいの条件で、ある小学校のクラスを受け持つことになる。その授業で、自作のお話を聞かせることを思いついた。勇者ケンタウルスが活躍する明るい、壮大なスペースファンタジーのはずだったが、なぜか物語は思わぬ方向へ向きはじめる。それにつれて、羽村に悩みがふくらんでくる。教師と子供たちの心の交流を描くヒューマンドラマ。

 

『嘘と真実(まこと)』

【放送日】
2008年1月5日(土曜日)22:00-22:50

作:上杉祥三
音楽:三柴恵
演出:小林武
技術:小林清
音響効果:米本満


出演:上杉祥三 二宮さよ子 長野里美 田中正彦
三沢明美 佐藤友紀 小野花梨 宇宙

あらすじ:大下警部(男)と宮本警部補(女)の二人が、迷宮入り寸前の女優急死事件の解明に挑む。事件のあった楽屋で、二人の警官がそれぞれ様々な役を演じて事件当時の状況を推理する。すると、さまざまな証言が「嘘」なのか「真実(まこと)」なのか浮かび上がる…。人気舞台劇のオーディオドラマ化。

 
 
 
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