将棋の話

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 最大の仕事

 12月23日(木・祝)は東京武道館に500人の小中高生が集まりました。同じ数のお母さんが来ている。入場者1030名(実数)。
 第一回U-18のスタートです。18才以下の人の将棋大会。囲碁は既に始まっていて、来年の1月7日が第三回です。主催は(財)東京都生涯学習文化財団で大掛かりな大会でした。
 日本武道館は九段下ですが、東京武道館は綾瀬(あやせ)駅です。
 本当に一生懸命でした。中野英則理事長はじめ早朝から閉会式まで全員総出の大仕事。この大会が出来たのは、東京武道館を含む関係者の将棋へのご理解です。感謝。
 次いでは日本将棋連盟普及開発課の職員の粘り強さ、熱意、実現への意氣込みです。「いいか諸君。理事が部下に命じるのではない。職員が理事をこき使うのだ」
 私も要所要所で出番がありました。来年の開催に向けて早くも始動することが肝心です。

 当日は佐藤康光棋聖他10名の男子プロ、女流棋士が指導。販売部も出張です。民間にこれを発注すると1000万円は超す金額の一大イベントでしょう。
 将棋連盟の経理上とは違って、全ての収支を表すと凄い金額です。それ以上に大きいのは東京武道館で行えた事。職団戦の会場としても使用可能かどうかも検討中です。
 私が理事になってからの仕事では、一番大きな仕事でした。ただ、惜しむらくは広報、宣伝としてのニュースが・・・。来年は報道陣、特に将棋関係者の報道を宜しく。


 竜王戦第七局とボランティア

 竜王戦は第七局までもつれました。最終局は地震被害地でもある新潟県南魚沼郡六日町。宿の名前が「龍言」というのは偶然でしょうか。

 ボランティアの呼びかけです。最善手と思われるものの提言です。六日町で一番困っていることは何でしょうか。それは仮設住宅の不便さ等の生活の厳しさのみではないのです。
 新潟県全体で、今最も欲しいもの。それは風評被害を無くすことなのです。スキー客、温泉客が来ない。危ない所、交通が不便な所という思い込みが定着しています。
 お客が出掛けること。泊ること。宿泊代を払うこと。出来れば小千谷ちぢみを買って帰ること。これが一番やって欲しいことです。将棋のタイトル戦を行う程安全な宿であり、お風呂にも入ってゆったりとくつろげる宿なのです。
 さあ、皆さん。12月27、28日の両日は温泉旅行へ行きましょう。今はガラガラ。スキー場もガーラ越後湯沢というくらいです。出かけた人への対局観戦の諾否は私の一存では決められません。大盤解説等々のサービスは出来ます。

 ボランティアは出かけて行って現地の復興に協力することだけではないのです。「何もする必要がない土地」という情報を流し、自らもお金を使うことこそ最良のボランティアです。風評被害が一番の被害です。将棋界が出来ることは、現地に一人でも多くのファンが出掛け、夜は酒を飲むことではないかと思います。
 不謹慎な振る舞いこそが最も望まれている。


 マナーモード

 新しいルールを導入すべきかどうか。これがプロ棋界で問題になっています。
 江戸時代に確立されたルールで対局していることは変りありません。問題は今流行のケイタイ、インターネットです。対局中にこれを使用しても良いかどうか。

 20年くらい前にもそんなことがありました。昼食の時に会館の外へ出掛けて食べに行く。もしも研究室などを借りておいてそこで研究したりすることもあるから外出禁止令を出そうという案が浮上した。
 この時の米長発言「ルールの前に道(みち)がある。狭い会館の中でどう過すのだ。規則でしばるのは出来るだけ少なくした方が良い」
 結局私の案は支持されて今日に至りました。

 困ったことになった。ケイタイが進化してきました。対局中の局面を検索すると、前例やら最善手を教えてくれるようになるだろうというご時世です。特に終盤の詰むや否やは、プロの1時間はコンピュータの1秒です。
 昼には序盤のデータ。終盤では正確さとスピード。この両方が瞬時に分る世の中になりそうです。
 若手の意見「ケイタイは各自持参は常識。既に体の一部分といっても良いでしょう。そこで、対局中はケイタイの使用は禁止とするのです。使用した時の罰則。それが一万円の罰金であれば情報を金で買った方が得というケースも有り得ます。公表です。対局中にケイタイを使用した棋士を貼り出すのです。なんの罰にもならないようで、これは一番困ることなのです」
「そうか。ルールでなくマナーか。いわば道だね。それでマナーモードって言うのか」
「トイレの中でも外出中でも近くに部屋を借りても、誰かが見ていますから。先ず第一手目はこれをお勧めします」
 プロ、アマ問わずご意見をいただきたい。10行以内を目安にどうぞ。


 支部長

 倉敷での支部長会議は大変有意義でした。
 前日は女流の対局を観戦したりしてもらい、夕方6時から宴会。米長挨拶「明日は真剣なる討議。今日はとにかくお酒を飲み、楽しいファンに戻って下さい。後程、全棋士が皆様方のテーブルを廻ります。それから自由対局、指導対局等々用意してあります」
 関西のプロ棋士が38ヶ所の支部巡りをしました。謝金は只でも良いという心意氣。この謝金についてはプロ棋士、職員の中にも賛否両論があります。ともあれ、アマチュアや普及を第一と考えたことには皆が共感している。このままではいけないのではとも思っていることは確かです。
 プロ棋士、理事、職員がお酌して場内をまわる。二百名余の支部長の大いに満足されたことと思っています。中締めが出来ないという盛りあがりでした。

 翌日は2時間半の集中討議です。普及第一主義を掲げた私の政策発表が45分。とにかく子どものファンを増やそう。付き添いのお母さんにファンになってもらう手だてはないものか。これが急所中の急所です。将棋ファンのお母さんや奥様に、せめてルールだけは知ってもらう運動を起こそうではないか。
 これについては皆様方のご意見を賜りたい。

 次いで私からの質問への解答。手前に寄せられたアンケートの中から多い順に私が即答。専務理事の発言ですから責任があると明言しました。それからは次から次へと発言がある。
 それには職員も交えて応じました。とにかく相当する。話を聴き、こちらの答えも出す。これが急所です。
 アマチュアを主役とし、プロが教えを乞う時代。私の普及の新政策は多くの支部長に喜ばれたものと信じています。又、プロも一丸となって協力してくれる人が多い。
 さあ、これからだ。


 U-18将棋スタジアム

 アンダー18才。つまり小中高校生のことです。
 囲碁界は既に年一回東京武道館(綾瀬)で行っていて、来年は第三回になります。そこで将棋の方も追随させてもらえることになりました。「スケジュール」の方も合わせてご覧下さい。
 主催が東京生涯学習スポーツ財団。ここは東京都体育館も持っている財団です。文化事業の一環として将棋の大会を行うのです。
 12月23日です。皆さん申し込みましたかぁ。現在500名が申し込み済み。当日は保護者も入れて約千名の楽しい将棋大会になりそうです。
 財団のご厚意と将棋連盟普及開発課職員の熱意により実現しました。参加料は一人500円。プロ棋士も佐藤棋聖、石橋幸緒女流プロ等約10名参加。
 この将棋大会は、東京都に於いては東京都教育委員会主催の「米長邦雄の親子ふれあい将棋教室」と並び称されるものになるはずです。

 さて、この種のイベントを他の都道府県でもやっていただきたい。名古屋市も今年から始めました。プロ棋士、アマの支部や指導員の方々、行政マンの協力が欲しい。なんといっても教育委員会主催というのが素晴らしい。
 どうやったら実現するか?それには先ず教育委員会の生涯学習部あるいは課に相当する行政マンの賛同が必要です。もうひとつは県知事あるいは市長が熱心かどうか。そのいずれかであれば大丈夫です。
 もうひとつはアプローチする将棋愛好家(プロ、アマ不問)の熱意です。何とかなるかも、という氣持ちの方は私の方へご一報下さい。
 さあ、頑張ろう。私は情報が欲しいのです。行政の方からも市民サービスとして適しているとの評価をいただけると有り難い.



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