スクラップ危機の「YS-11」、大阪の航空機販売会社が落札

12/18 00:29
12月17日は、1903年にライト兄弟が世界で初めて、有人動力飛行に成功したことから、「飛行機の日」ともいわれている。一方、日本の航空機の歴史のまさに一翼を担ったある航空機が、スクラップとなる危機に直面、17日、運命の日を迎えた。
戦後初の国産旅客機「YS-11」。
旅客機としての運用を終了して8年、17日、国土交通省が唯一保有する機体の入札の結果が発表された。
引退した機体は、解体されるか、もしくは寄贈・展示されることもあるという。
「所沢航空発祥記念館」に展示されているYS-11は、1997年に寄贈されたもの。
寄贈や売却などができなかった場合、航空機は、解体されたり、スクラップとなる運命にある。
YS-11は、その設計チームに、ゼロ戦の設計で有名な堀越二郎氏が名を連ねるなど、当時の日本技術者の英知を結集して造られた機体。
1964年に開催された東京オリンピックでは、聖火を国内各地に運ぶ大役を果たした。
これまでに、182機が製造され、1965年の就航開始以来、ローカル線の主力機として、日本の空を舞ったYS-11。
そんな伝統ある機体だが、現在は自衛隊で運用されるのみで、その雄姿を見ることは少なくなっている。
今回の機体は、過去2回の入札で購入希望者が現れず、スクラップの危機にひんしていた1機。
今回落札したのは、大阪の航空機販売会社で、その価格は223万200円。
気になるその用途について、エアロラボインターナショナル担当者は「現状は、フライトコンディションに戻して、飛べる状態にしてからの話。飛行機を転売ということになると思う」と話した。
戦後、復興の象徴ともなった名機が、いつかどこかの空で、再び飛び立つことになるのか。

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