NATO加盟国 フィンランドとスウェーデンの「加盟議定書」署名

NATO=北大西洋条約機構の加盟国は、北欧のフィンランドとスウェーデンの加盟に向けて、「加盟議定書」に署名しました。

5日、ベルギーのブリュッセルにあるNATOの本部で行われた署名式には、フィンランドとスウェーデンの外相も同席しました。

署名に先立ち、NATOのストルテンベルグ事務総長は「フィンランドとスウェーデン、そしてNATOにとって、歴史的な瞬間だ」と述べ、加盟を目指す両国を改めて歓迎しました。

フィンランドとスウェーデンのNATO加盟をめぐっては、加盟国のトルコが当初、難色を示していましたが、先月28日に争点となっていたテロ容疑者の引き渡しなどに関する合意が成立し、トルコも加盟支持に回りました。

これを受けて先週、スペインで開かれたNATOの首脳会議で各国は、加盟手続きを正式に始めることで合意していました。

加盟議定書は今後、NATO加盟国・30か国で批准される必要があります。

トルコのエルドアン大統領は首脳会議の閉幕を受けて行った30日の記者会見で「合意文書の約束が守られなければ、加盟はできない」と述べ、フィンランドとスウェーデンをけん制しており、正式加盟に向けては、引き続き、トルコの動向が焦点とみられています。

フィンランド スウェーデン 順調な手続きに期待

フィンランドのハービスト外相とスウェーデンのリンデ外相は、5日、ブリュッセルでNATOのストルテンベルグ事務総長とともに、記者会見しました。

この中でハービスト外相は、今後もこれまでと同様に、トルコとは緊密な協力関係を続けていくとしたうえで、フィンランドも含めた3か国での合意について「合意文書には、トルコが指摘するテロ組織を含むすべての懸念について記してある」と述べ、批准手続きが順調に進むことに期待を示しました。

またリンデ外相は、トルコが求めるテロ容疑者の引き渡しについて、合意文書には、人物の名前や人数など具体的な情報は記されていないと強調したうえで「今後、追加の引き渡しの要請などがあれば、法律の範囲内で対応していくことになる」と述べました。

そのうえで、NATOに対して、加盟を申請してから7週間という異例のスピードで手続きが進んだことに、謝意を示し、ヨーロッパの安全保障の強化に貢献する決意を示しました。