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クリエイターズファイル  
「日本のゲームは世界NO.1」UBIスティーブ・ミラーさん

2007.10.15
   
 
(C)2007 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Assassin’s Creed, Ubisoft, and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries. Microsoft, Xbox, Xbox 360, Xbox LIVE, and the Xbox logos are trademarks of the Microsoft group of companies.

第289回
ユービーアイソフト
スティーブ・ミラーさん

 今回のクリエイターズファイルのゲストは『アサシン クリード』、『ゴーストリコン』シリーズなどでお馴染みのユービーアイソフトを率いるスティーブ・ミラーさんです。ゲームのボイス出演をしたというデータイースト時代のエピソードや、ユービーアイソフトの社長就任時のお話などたくさんお聞きしています。それでは、早速お伺いしていきましょう。


最初に、これまでの職歴、現在携わっているお仕事を教えてください。


スティーブ氏:
 1990年末、データイースト(略称:DECO)に入社し、海外営業部に配属になりました。データイーストでは業務用のゲーム基板を海外でテストしたり、各国のゲームショー出展においての営業活動を行ないました。ゲーム中のボイスも時々担当しました。90年代前半のDECO製ビデオゲームの殆どに、私のボイスが入っています。『キャプテンアメリカ&ジ・アベンジャーズ』、『マジカルドロップ』、『ナイトスラッシャーズ』、『フライングパワーディスク』など、いろいろなビデオゲームに携わりました。96年にデータイーストを退職し、EAジャパンに入社。EAジャパンではライセンスビジネスを担当し、主に韓国へのライセンスビジネスを展開していましたね。98年、EAオーストラリアへ配属となり、オーストラリアからアジアにおけるライセンスビジネスに携わり、その後2004年にEAジャパンに復帰し、2007年6月、ユービーアイソフトに入社しました。現在は今期一番の期待作、『アサシン・クリード』での様々な展開を企画している最中です。
  ユービーアイソフトには2007年の春にオファーがありました。当時のユービーアイソフトジャパンの社長が日本を離れるのに伴い、後任のお話を頂いたのです。EAジャパンでは非常に充実した日々を送っていましたが、ユービーアイソフトジャパンの代表という、またと無いチャンスを頂き、転職を決意しました。特に面白いエピソードでなくて、ごめんなさい!



前回ご登場いただいた、竹下さんとのお付き合いの中で、面白いエピソードなどがありましたらお聞かせ下さい。



スティーブ氏:
  竹下さんとの直接的なエピソードは特に無いのですが、竹下さんがSNKに在籍していた時代、私はSNKの川崎社長と会食したことがあります。その際、川崎社長にすっぽんの生血を飲まされた事があります。非常に勇気がいりましたね。すぐには飲めず、しばらく間を置いてしまったんです。でも生血なので当然固まる…。やっと飲めると思った頃には半分固まっていました。二度と飲みたくないですね、生血。なかなか印象的な食事で、感動しました。



これまで、自分の仕事に影響を与えた出来事、大きな転機となった出来事などはありましたでしょうか。また、これまでスティーブさんが携わってきた作品の中で、特に思い入れが深い作品をいくつか挙げてください。


スティーブ氏:
 データイーストに入社した時の、最初の上司が非常に大きな影響を与えてくれました。特別な営業テクニックがあったわけではありませんが、彼は自分の考え方がはっきりしていて、自信と責任と説得力を持って様々なプロジェクトを発足しました。周りの批判を恐れず、自分の意見を堂々と発言出来る方で、物凄く憧れましたね。ユーモアのセンスもとてもある方で、彼の下で働くのが楽しかったし勉強にもなりました。尊敬する人物です。彼のように自分の考え方を自信をもって述べるまでに、10年間以上はかかりましたね。
  データイーストの「卒業生」の中には、優秀な人達がたくさんいます。以前クリエイターズファイルに出演された西山さんもデータイースト出身でした。『瞬間ヒトフデ』を開発したミッチェルの代表取締役・尾崎ロイさん、パオンの堀田巌 取締役副社長、ワイズケイの吉田穂積 代表取締役社長、ステラヴィスタの野島一茂 代表など、データイースト出身のクリエーターやビジネスマン等、第一線で活躍しているプロフェッショナルばかりです。

 一番の思い入れが深い作品はダントツで『シムシティDS』です。どんなに反対されても「このゲームは売れる」と自信をもって言い続けました。コンセプトは良かったし、プロデューサーも優秀だったし、どう考えても売れない訳が無いと思っていたんです。でも、本社を説得するのに一年以上かかりましたね。



それでは、自分がプレイしたことのあるゲームの中で、「名作」と呼ぶべきゲーム作品を1タイトル挙げるとすれば何ですか? 


スティーブ氏:
 名作を1タイトル挙げるならば、GBAの『ポケモンイエロー』ですね。
  息子に買い与えたゲームなのですが、当時の彼にとってはちょっと難しかったようで、システムを覚えるために私がゲームの進め方やバトルの仕方を教えてあげました。ところが、私自身がプレイしている内に、どんどんはまってしまって、息子にやらせる時間が惜しくなってきてしまって…。二人で攻略本を見ながらプレイした事は、今でも覚えています。新しいポケモンをゲットすると二人で大興奮! 親子でゲームを楽しめるという事は本当に素晴らしい事です。そんなゲーム作れたらいいな…、と思うようになりました。
  そのような環境を、是非日本のユービーアイソフトでも作りたいですね。



「こんなゲームをつくりたい」「こんなゲームで遊んでみたい」など、今後のゲーム・エンタテイメント業界におけるご自身の展望や、業界全体への希望などをお聞かせ下さい。そして最後に、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けて、作品作りにおいて一番大切だと思うこと、作品を世に送り出すにあたって心がけていることをお聞かせ下さい。


スティーブ氏:
 日本のゲームのクオリティやゲームに対するセンスは、全世界で通用します。アメリカやヨーロッパのゲームランキングを見ても一目瞭然です。日本発のゲームは必ず海外のランキングでもトップ10に入っています。その優れたゲームセンスを生かして、全世界でヒットになるようなキッズゲームを作りたいです。私自身はクリエイターではありませんが、日本のプロデューサーを起用して、日本のスタジオを使って、全世界の子供を夢中にさせるようなゲームを作りたいです。キッズはカルチャーギャップをあまり感じないし、子供向けの内容であればCEROや各国のレーティング制度には引っかからないし、いろいろな局面において、子供向けのコンテンツは様々な可能性を秘めています。
  個人的に挑戦したいのはフランス語です。ユービーアイソフトに勤めているせいか、フランス語を話せるようになりたいと強く思います。フランスの会社ですので、フランス語を聞く機会が増えて、「僕も喋れたらいいなぁー」と最近思い始めてるんです。中学校・高校ではフランス語を勉強しましたが、あまり役に立っていませんね。もう一回チャレンジしたいなぁと思っています。

 ゲーム作りにおける「一番大切な事」を1つに特定するのは難しいですね。ゲームの制作には莫大な費用が掛かります。パブリッシャーは、その制作費用を確実に回収しなければならないため、クリエイターにあらゆる条件や制約を付けてしまうのです。日本のパブリッシャーの考え方は、海外のパブリッシャーとはちょっと違うかもしれません。海外のパブリッシャーは、とにかくゲームの制作過程の全てに目を通し、関係者から説明を受け、その説明全てに納得しなければ制作費用は出しません。クリエイターにとっては体力勝負なんです。
  でも、日本のゲームのクオリティの高さは全世界に認められていますし、海外のパブリッシャーは日本のクリエイターに強い関心を示すようになっています。ユービーアイソフトも日本のクリエイターや開発会社とのパイプを構築し、いつか日本発のゲームを制作して全世界で展開したいですね。


 全世界の子供たちを夢中にするゲームを発表したいとおっしゃるスティーブさん。いつか、日本発のゲームをユービーアイソフトから発信される日を楽しみにしています。まだまだたくさんのお話をお伺いしたいところですが、今回はここまでです。それでは、次回のお友達を紹介していただきましょう。



スティーブ氏:
 エレクトロニック・アーツ・ジャパンのリードプロデューサーである村上隆宏さんを紹介します。


『シムシティーDS』、『ポピュラスDS』などの作品に携わられてきた村上さん、一体どのようなお話をお伺いできるのでしょうか。次回もお楽しみに。それではスティーブさん、今回は本当にありがとうございました。

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