「患者さんの中には、たしかに歯の黄ばみが気になるという方がいらっしゃいますね。それは、矯正装置がついたことで磨き残しが多くなることのほかに、矯正装置によって唇と歯の自然な接触が断たれ、自浄作用が減少するのも一因ではないでしょうか。要するに、汚れ落としが人為的手段に限られてしまう(歯ブラシやPMTCなど)ことで、治療前より黄ばみが目立つケースがあるのではと思います」
と話すのは、東京・八王子で開業する矯正歯科専門医、村松裕之先生。
「矯正歯科治療を受ける人は審美的な面に関する意識が高いので、治療中から積極的にクリーニングを受けたり、歯のホワイトニングに興味をもったりする人が多いですね。リンガル(表から見えないよう歯の裏側に矯正装置をつける治療方法)で治療している患者さんの中には、矯正装置をつけながらホワイトニングを受けるケースもありますよ」
そこで、矯正歯科治療中にホワイトニングを受けたという稲生美紀さんにお話をうかがうことにしました。
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稲生美紀(いなせ・みき)さん
サンミュージックプロダクション所属。
「FRASH」オーディション
ミスFRASH初代グランプリ受賞。
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美紀さんは、この春デビューしたばかりのタレントさん。歯の裏側に矯正装置をつけて1年ほど経った今年の1月、念願のホワイトニングを受けました。
「もともと私の歯は黄色っぽかったので、ずっとホワイトニングをやりたかったんです。それで雑誌の撮影が決まったこともあって、村松先生に相談したら、ホワイトニングに熱心な歯科医院を紹介してもらえて。さっそくそこに行きました。ただ、シミるかもしれないと聞いていたので、ちょっとドキドキでした(笑)」
美紀さんが受けたのは、「バイタルブリーチ」と呼ばれる方法で、上下の歯計12本に過酸化水素の薬剤を塗り、そこに強い光をあてて白くするというもの。メーカーによって多少の差はあるものの、一度の通院で歯が白くなるのが特長です。また、美紀さんが気にしていた“シミる感じ”とは、「知覚過敏」のこと。これは歯に見えないヒビや詰め物があったりする場合に起こるものですが、基本的に一過性のもので、1日以内には納まると言われています。
「私の場合、施術の途中で下の前歯が少しシミました。でも、それ以上に歯がまっ白になったのがうれしかったですね(笑)。かかった時間は全部でたった1時間くらいなのに、想像していた以上に白くなっていたので。知覚過敏も翌朝には治ったので特に問題はなかったです」
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左:ホワイトニング前 右:ホワイトニング後
もともとの歯からくらべると、ぐんと白くなった。
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歯が白くなったことで、周囲の人の反応はどうだったのでしょう?
「久しぶりに会った友達なんかは、驚いてました(笑)。歯並びもよくなっていたから余計かもしれませんね。あと、表情が明るくなったねって言われたのがうれしかったです。私自身、歯が白くなったらもっと笑いたくなったし、そういう気持ちも表情に影響してるのかも」
ホワイトニングを受けて以来、美紀さんは歯に着色しやすい飲食物を極力避けているのだとか。
「そうなんです。コーヒーとかカレーとか、色の濃いものは、普通だとホワイトニングをして何日か避けるくらいでいいんですが、せっかくきれいにした歯を汚したくなくて、1月から大好きな紅茶をずっと飲んでいないんです(笑)。それと、これまで以上に歯みがきをちゃんとやるようになりました。歯ってすごく大切ですよね。これからタレントとしていろんなことを経験したいので、白くなった歯をずっと大切にしたいと思います」
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