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「夫婦同姓は合憲」とした最高裁判事10人の度量

山田道子・元サンデー毎日編集長
夫婦別姓訴訟の最高裁判決後、報告集会に臨んだ原告団=2015年12月16日、後藤由耶撮影
夫婦別姓訴訟の最高裁判決後、報告集会に臨んだ原告団=2015年12月16日、後藤由耶撮影

 「夫婦同姓は合憲」という横見出しで最高裁判決を伝える毎日新聞の昨年12月17日朝刊1面には、サッカー女子日本代表(なでしこジャパン)の澤穂希選手(37)の今季引退を伝えるニュースも載っていた。澤選手に関する社会面の記事には「もう一つ、引退への決断を加速させたのが今年8月の結婚だった」と書いてあり、“寿退社”ってこと!?とびっくり。最高裁判決と合わせて「なんだかなあ」と感じた。

 選択制夫婦別姓でさえ国会ではどうにもならないから最高裁に望みを託したのに、最高裁は再び国会にげたを預けてしまった。この状況を考えるに当たって、朝日新聞17日朝刊のオピニオン面[耕論]に載った識者談話が手がかりになった。

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元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。