原因は製造過程に…不具合が発生したTX-2000系電車のその後

不具合が発生した2編成のうち、すでに1編成が復帰したTX-2000系電車。
  • 不具合が発生した2編成のうち、すでに1編成が復帰したTX-2000系電車。
  • 主変換装置の取付け状態。
  • ひび割れの状態。
  • 機器吊り用レールのひび割れ位置。ボルトを通すレール側の穴と、ボルトを受ける装置側の穴がずれていたことから、ハンマーで矯正したことが原因とされている。

秋葉原駅(東京都千代田区)とつくば駅(茨城県つくば市)を結ぶ、つくばエクスプレス線(TX)を運営する首都圏新都市鉄道は7月18日、TX-2000系電車の一部で5月に発生した「構体床板(機器吊り用レール)」不具合の原因を明らかにした。

機器吊り用レールは「主変換装置」と呼ばれるTX-2000系の重要機器を固定するボルトを支えているもので、73編成2~5号車に対する全般・重要部検査で行なった打音検査でひび割れを発見。その後の検査で72編成の3・4号車でも同様の不具合が発見されたことから、これら2編成の運用が中止されていた。

発表によると、メーカーである日立製作所(日立)の製造過程で、機器吊り用レールの取り付け穴と装置側の穴がずれていたことから、ハンマーで機器吊り用レールを叩いて矯正したところ、ひび割れが発生したという。それに気がつかず主変換装置が取り付けられたため、重さに耐えられずにひび割れが拡大したとされている。

首都圏新都市鉄道ではこの原因に鑑み、機器吊り用レールの変形部分をすべて除去し、補強材を追加した上で、主変換装置を付け直す作業が実施され、すでに安全性を確認したという。

これにより、問題の2編成のうち、作業が完了した1編成は7月19日から運用に復帰。残る1編成については8月中旬に復帰する予定となっており、「予備車に余裕が生じますので、今後、ご利用のお客様への影響を極力少なくすることが可能となります」としている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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