昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

source : 週刊文春WOMAN 2019夏号

genre : ライフ, ライフスタイル, 政治

子どもたちが集まっていると、「おいっ! ちゃんと勉強してるか」と会話の中に入っていく

——「世襲はしない」と公言されています。

菅 私は世襲政治家を批判して出てきた人間だから、それだけはやっちゃいけない。「もし政治家になるんだったら、他の県に行って出ろ」と、昔から明快に言ってます。だから誰も言い出さない。3人とも民間の企業で働いています。

——新元号発表の前日に、ロックバンド「RADWIMPS」の野田洋次郎さんがツイッターで書かれてましたね。「菅の家に泊まりに行くとお父さんが帰ってきてあれこれ酔っぱらいながら話をしてくれた。少し目が怖いけど優しい人だった」と。

菅 三男の中学高校の同級生ですね。うちは3人とも運動部だから、それぞれの友達がいつも大勢泊まりに来ていたんです。でも、ひとつ訂正すると、酔っぱらってなかったですよ(笑)。

——たしかに下戸ですものね。

菅 うん。私、子どもたちが集まっていると、「おいっ! ちゃんと勉強してるか」とか言いながら肩を組んで、必ず会話の中に入っていくわけです。うちの子が「だめだ、だめだ」と言うんですけど。真面目な話は全然していない(笑)。だから酔っぱらって見えたのかもしれないな。

新元号の令和を発表

「全世代型社会保障制度の実現」を

——最後に、今後について聞かせてください。政治家として引退までに「これだけはやりたい」ということはありますか。

菅 社会保障制度の改革ですね。今、安倍政権では新たなテーマとして「全世代型社会保障制度の実現」に取り組んでいます。これまでは社会保障全体の給付のうち高齢者向けが7割でした。これを全ての世代が安心して利用できる制度にして、次の世代に引き渡すことができるように、まず、若者や子育て世帯に大胆に投資をします。今度の消費税率引き上げの財源のうち約2兆円を幼児教育や大学の無償化にあてます。医療もこれまでは病気になってからの治療が中心でしたが、予防のためのインセンティブをつけて、健康寿命を延ばしていきます。制度の中にあるさまざまな無駄についても切り込んでいきます。これらの改革を残りの任期で着実に実現したいと思っています。

——安倍政権は女性活躍推進を掲げていますが、女性たちからは「何か変わっているだろうか」という声もあります。

菅 確実に変わっていると思いますよ。例えば、上場企業の女性役員の割合。第二次安倍政権発足時には1・6%だったのが、今は4・1%にまで上がっています。公務員の指定職でも1・9%が3・9%になっている。

——徐々にしか変わらないわけですね。

菅 例えば各省庁の幹部になるには政策についてそれなりの経験を持っていることが必要になりますので、男女問わずある程度時間をかけて育成する必要があり、急に何倍にも増やすのは難しいと思います。ただ目標値を掲げることで社会全体の意識が変わります。