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出版トピック

24年ぶり 3女性誌 同時創刊

 雑誌の花形と言われる女性誌。7日、新たに3誌が創刊される。この分野の雑誌が3誌同時に誕生するのは83年以来24年ぶり。雑誌不振が続く中、久々の前向きの話題といえそうだ。

 創刊されるのは、20代後半向けファッション誌「AneCan」=写真右上=(小学館、発行部数30万部)、30代後半〜40代向けファッション誌「marisol」=写真左=(集英社、約14万部)、40代向けライフスタイル誌「GRACE」=写真右下=(世界文化社、約10万部)で、いずれも月刊誌。

 このうち、「AneCan」は、80万部の人気誌「CanCam」(小学館)増刊として昨年2冊発売された「お姉さん系CanCam」が完売状態となったことを受けての月刊化。もともと1981年に女子大生向けに創刊された「CanCam」の読者の年代が20代全般に広がり、人気モデルの年齢上昇でかじ取りが難しくなる中、20代後半の受け皿とする狙いがあると見られる。また、「marisol」「GRACE」は、10代のころからファッション誌に影響されて育った40代を狙う高級路線だ。

 06年の雑誌全体の売り上げは対前年比4・4%減と大幅マイナス。大型創刊が少なかったことも不振の一因と言われるだけに、今回の同時創刊に出版界の期待は高い。

 出版科学研究所の村上達彦研究員は、「女性誌で活気があるのは20代向けまでで、30代以上の読者を誘導できていない。3誌の成否は今後の女性誌を占う試金石になるのでは」と話している。

(2007年3月7日  読売新聞)