2011年6月22日、中国鉄道部元科学技術司長の周翊民氏は中国メディアの取材に答え、中国高速鉄道の「時速世界一」は人為的に作られたものであると明らかにした。
 同氏によると、北京―香港高速鉄道に利用される車両「CRH380」の原型は全て日本やドイツなど外国から輸入されたものである。これら車両の最高時速は300キロであったが、中国は十分な試験を行わないまま時速を350キロや380キロに引き上げようとした。
 「鉄道部の劉志軍前部長は、在任期間中に『世界一』を達成したいと考えており、安全性を軽視することで時速を引き上げた。日本やドイツの車両は実験では時速400キロ以上を出すことができる。しかし安全を確保するための余裕を持たせているので、実際の運営速度は400キロを大きく下回る数値になる。中国の発表した時速350キロというのはこの『安全余裕』を圧縮しただけのものである。」と説明している。
 同氏の告白はインターネットなどでも大きな注目を集めた。その為、中国鉄道部は周翊民氏の発言に反対する見解を発表。鉄道部は、「周翊民氏はすでに中国の鉄道開発から離れて久しく、現在の研究状況を理解していない。」と説明している。

(China Press 2011:IT)