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【札幌支社長インタビュー】(5)ジョイフルエーケー社長 木村 勇市さん

2010年08月12日 15時04分

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プロ配置し商品を提案
地域ごとのニーズに対応

 きむら・ゆういち 1939年、札幌市出身。関西大商学部卒業後、61年に黒田商店入社。63年に住宅資材総合商社「キムラ」に入社、74年に社長就任。2001年にホームセンター「ジョイフルエーケー」を立ち上げ、初代社長。02年にキムラ会長。

 −「ジョイフルエーケー」の特徴は。
 当店の使命は「北の住まいに新たな夢を提案する」。それぞれの商品部門の担当者が同じ使命の下、商品を仕入れ、提案しています。大型機械から、建具職人、大工、園芸・ペットなど、いろいろな分野でプロを置き、お客様の質問に対してアドバイスしています。

 年に1つしか売れないもの、古い部品なども置くようにしています。商品も箱から出して陳列します。小分け、切り売り、ばら売りなど、よそではやらないことをやる。顧客優先だから手間をかけても、このスタイルは変えません。今までになかったホームセンターでの買い物のスタイルを提案します。

 そのために、ほかのホームセンターと比べて圧倒的に多い店員を配置しています。基本的な考えは「効率より効果」。「ものを売るのではなく『事』を売る仕事」をしたいと考えています。

 −7月14日に帯広店がオープンしました。
 10年ほど前から、帯広は食料基地として可能性や躍動感のある楽しみな土地、希望に満ちた土地との印象があり、札幌以外で店を出すなら帯広と思っていました。

 「大きな売り場ほど感動も大きい」と考えますが、大規模小売店舗法の制約で、食料品とドラッグを外さざるを得なかったのが残念。それでも園芸とペット用品が好評で、売り場を確保できたのはよかったと思います。

 −帯広と札幌の違いは。
 お客様のマナーが非常によい。カートを駐車場まで持って行っても、帰りにちゃんと店頭まで置きに来てくれる。札幌や東京では置きっぱなしのことがよくあるのです。

 「買いだめ」の習慣もあまりないように感じます。オープン時はトイレットペーパー、キッチンペーパーなどを特価品にしたのですが、札幌ではそれより高くても殺到するのに帯広ではあまり売れませんでした。誤算でした。

 今のところ、来客数は想定通り、売り上げは予想より客単価が低い分、若干下回っています。十勝は札幌に比べて家庭菜園、園芸ファンが多いと認識しています。今後は農業資材や作業用品、防寒用品など、十勝ならではの商品を充実させれば、売り上げも伸びていくと期待しています。

 −今後の多店舗展開への展望、戦略は。
 チェーン店ではないので、本部で仕入れたものを陳列して売るのとは違います。地域に合ったニーズを提供しなければなりません。

 札幌では社員が講師となり、ペンキの塗り方や壁紙、フロアの張り方など、年間を通して実演で無料講習を行っています。教えることは学ぶこと。社員も勉強になります。帯広でもぜひ展開したい。

 そのためには人材育成が大変。店舗はできても中身が問題です。チェーンオペレーションではないので多店舗展開は難しい業態。時間をかけてよい社員を育て、札幌や北東北3県などにも店舗を増やす計画です。
 (聞き手・十勝毎日新聞社丸山芳明執行役員札幌支社長)

 ■インタビューを終えて 何度も店作りへの思いを表す言葉が聞かれた。データも重要だがニーズが分かるのは、日ごろから顧客に接している売り場担当者。だからこそプロを置く。顧客最優先という社長の熱い思いが、今後どのように十勝・帯広の消費者に浸透していくのか、注目したい。
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 ジョイフルエーケー 2001年8月設立。出資割合はキムラ51%、ジョイフルカンパニー(本社・茨城県)24.5%、アークランドサカモト(本社・新潟県)24.5%。従業員数500人、売り上げは130億円(2010年2月期)。

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