今年を振り返る 夏の「参議院選挙」明暗が分かれた2人の「それから」【長野】

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長野 2022.12.21 18:42

今年を振り返るシリーズ、21日は夏の「参議院選挙」です。6人が争った激戦の長野県区は立憲民主党の杉尾秀哉さんが再選。一方、敗れた自民党の候補は…?明暗が分かれた2人の「それから」です。

今年の夏に行われた参議院選挙。改選定数1の長野県区には現職と新人のあわせて「6人」が立候補しました。

激しい戦いの末、立憲の杉尾秀哉さんが「43万票あまり」を獲得して再選。自民の松山三四六さんは「37万票あまり」の支持を得ましたが、及ばず落選しました。

立憲民主党 杉尾秀哉 参院議員
「岸田内閣の支持率が下落が止まりません。その最大の原因がこの国会でもいま焦点となっております。統一教会問題であることは間違いありません」

2期目の活動の中で、杉尾さんは旧統一教会と自民党との関係や北朝鮮の拉致問題に対する政府の姿勢などを追及してきました。

一方…。
松山三四六さん
「君がいま思う全てのことを僕がかなえてあげるから」

敗れた三四六さんは11月、塩尻市で、選挙後初めてとなるライブを開きました。重い病を抱える子どもとその家族を支える「こどもホスピス」の設立を目指すプロジェクトがチャリティーで開いたもので、三四六さんが招かれました。

松山三四六さん
「辛酸をなめながら、そして恥をさらしながら、過去を顧みながら前に進むしかないと思いながら、成長したなという私を見せようと頑張ります」

12月初め、今の心境などをカメラの前で語りました。

松山三四六さん
「すみません、これが私の人生でしたと、皆様の期待に応えることができませんでしたということだけで、今もそういう気持ちでいっぱいですね」

夏の参院選終盤に、週刊誌が三四六さんの過去の女性問題などを報じ、その影響で、勢いは失速。選挙期間中のインタビュー、後ろにはこんな文字が……。【ちょっと待て甘い誘いは赤信号」

松山三四六さん
「私はしっかりと堂々と認めておりますので。本当にご迷惑をおかけしております。本当に申し訳ありません」

投票日、負けが決まった直後には…。

松山三四六さん
「しょうもない人間だったですね。本当にそれを私自身は悔いております」

Q.議員の資質は?

松山三四六さん
「資質はないです。ないですはっきり言って」

あの週刊誌報道が出た時、何を思ったのか?

松山三四六さん
「勝ってはいけないよ選挙に出ちゃいけないよというシグナルが来たと思ったんですよ。そんなことある、だって10年前のが今に繋がってってすごいことだなと思って。そこで僕は観念したんです。心の中ではこれは駄目だ。恐ろしい世界だと思って。怖いよ、本当ね、もう二度と嫌だ選挙なんて」

今後、選挙には出ないと話す三四六さん。現在は「中南信」を拠点に活動しています。妻に土下座して謝罪すると、妻からは「別れるつもりはありません。子供たちをがっかりさせない復活劇を見せてほしい」と言われたと言います。

今では、新たな取り組みも。11月下旬からは、松本市で「おでん屋」をプロデュースしています。値段は安いもので「173円」2つ頼めば「346円」で三四六です。おでんの売り上げの一部は、児童養護施設などの子供たちへの寄付にあてていると言います。店の名前は「どん底」。そこには、こんな思いが…。

松山三四六さん
「きょう1日嫌なことがあったなどん底だなと思ってここに来ても食べ終わってごちそうさまと言ったら、あすからまた頑張れそうだな、そういうお店を目指そうと思って、僕はどん底ではないんですけど応援してもらうより、応援したいという、そういう側に立ちたいというのは再確認したんですよね」

開店初日には、ファンなど大勢の人が訪れました。中には、あの選挙を通じて、ファンになったという人もいます。

ファンは
「いろいろあったとは思うんですけど、でもやっぱりこれだけ強い思いを信州に対して思ってくださっている、歌で表現してくださっているところでちょっと心ひかれるものがありました」

一方、参院選のあと、信州でも国会議員と旧統一教会との関係が明るみに…。

三四六さんは自身の選挙について、「さまざまな団体から応援を受ける中で旧統一教会の関連団体も含まれていた」と話します。

松山三四六さん
「僕の感覚としては、ほかの宗教団体や社会なんとか団体とか企業団体とかに行くところと変わらない選挙活動だったんですよね、今どうですかと思われると(聞かれると)非常に複雑ですね、うわーって複雑ですね(苦しむ信者を)何とか救ってあげたいと思いますよね」

現在は、子供たちを支援する活動を続けている三四六さん。そこには「信州に恩返しをする」という熱い思いがあるといいます。

松山三四六さん
「僕は長野から出ていくつもりはなくて出て行ってしまう時は僕の人生終わりの時だと思っていますから。もしラジオでしゃべれることがあればやっぱり意味のあるしゃべりをやりたい。自殺願望のある若者を救うとか生活が毎日大変なんだという人たちを勇気づけるとか、そういう地道な活動をするためにしゃべったり物を書いたり歌ったり地道にしていきたいなと思います。はい」