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【三重】9曲収録「歌って元気になって」“歌う医師” 4枚目CD
2014/07/12
大王の阿川さん
志摩市大王町波切の内科医阿川茂さん(58)が、適応障害がある四女悦子さん(27)から届いた手紙を元に作曲した「Darkness(ダークネス)~心の闇」が注目を集めている。女性アイドルグループがカバーして人気が高まり、阿川さんが歌って収録した4枚目のアルバム「ガンバレ!日本~永遠に●」も4月に発売された。「聴いて覚え、歌ってもらうことで元気になってくれたら」と話す。(丸山崇志)
阿川さんは1989年に大王病院(現志摩市民病院)の副院長として赴任。97年に大王町船越に開業し、昨年1月に波切に移転した。医師として働く傍らで音楽活動を続け、2002年から「あがわ医院」の名前でシングル一枚、アルバム3枚のCDを自主制作。画集やエッセーも出版している。
阿川さんに手紙が届いたのは2000年秋。当時、悦子さんは中学1年生で、妻律子さん(57)と岡山で暮らしていた。
悦子さんと顔を会わせるのは月2、3回。一時、不登校となって適応障害と診断され、手紙には「お願いだから私をここから連れ出して」「暗闇の中は何もないよ」。周囲にうまく溶け込めない切なさ、つらさがつづられていた。
この頃、阿川さんは作詞作曲を始めたばかり。「気付いてあげられなかったことが申し訳なかった。曲を付けて歌にして、励ますしかない」と作曲に取り掛かった。完成させた曲は02年に女性歌手に提供し、阿川さんも歌って2枚目と3枚目のアルバムに収めた。
収録などで関係があった音楽事務所の仲介で、アレンジした曲をアイドルグループ「平成琴姫」がカバーして2枚目のシングルとして今年4月に発売。オリコン週間総合ランキングで13位に入り、五月からはカラオケでも配信されている。
「10代の女の子の気持ちを歌った曲。おっさんが歌うより若い女性が歌った方が聞く人に伝わる」と阿川さん。悦子さんからも「初めてテレビで見た」などとメールが届いた。
阿川さんの4枚目のアルバムは過去の楽曲から選んだ9曲を収録し、4月から販売している。「聴くだけでなく歌を覚えて自分で歌えば、より一層歌詞が心の中に染み入ってくる。多くの人に歌ってもらい、半歩でも前に進む力にしてほしい」とほほ笑んだ。
- 4枚目のアルバムをPRする阿川さん=志摩市大王町波切のあがわ医院で
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