【富山】スピードキング・苔口、今年も２ケタ弾！

強烈なシュートでゴールを狙う富山ＦＷ苔口

　昨季、Ｊ２カターレ富山でクラブ初の２ケタ得点（１１ゴール）＆ハットトリックをマークしたＦＷ苔口卓也（２８）が、２年連続の大台到達をノルマに掲げた。静岡１次合宿４日目のチームは１８日、午前午後の２部練習。背番号１０は午後のミニゲームで１得点１アシストと、安間貴義監督（４４）の前で存在感を示した。カターレの“記録男”が今季も攻撃陣の柱になる。

　富山のスピードキングは、連日の２部練習の疲れを感じさせなかった。午後の７対７のミニゲーム２本目。苔口は相手ＤＦを引きずってゴール前に侵入し、右クロスを右足で合わせた。続くプレーでは、縦パスを胸で落としてＭＦ棚橋の得点を演出。キレのある動きでの１得点１アシストに「レベルの高い選手も加入してきた。チーム内の競争も激しくなる。気を引き締める」と定位置死守へ危機感を募らせた。

　自信を手に新シーズンに備える。昨季はＪ１清水から途中加入したＦＷ白崎らとの好連係を起爆剤に、１００メートル１１秒前半の速さを生かした。プロ１０年目で１１得点（３４試合）とブレーク。昨年９月２９日の敵地・福岡戦ではハットトリックも達成した。２ケタ得点と１試合３発は、ともにクラブ初の快挙だった。

　開幕２０試合は３得点と低調だったが、白崎加入後の１４試合で８得点をゲット。終盤のゴールラッシュに安間監督は「中盤からＤＦライン裏へ確実なパスが出ると信じて走ることができていた。仲間との信頼関係があるから、走り込むスペースを見つけたり、常に先のプレーが考えられるようになった。今年はもっとやってくれるでしょう」と、さらなる成長を期待。期限付き移籍期間を延長して残留する白崎は「コケさん（苔口）にもっとアシストしたい」とサポートを約束した。

　エースの自覚も芽生えた。「僕は周りに生かされるタイプ。昨年以上の成績を狙いたい」と苔口。底上げされたチーム力で、２年連続の２ケタ得点は当然のノルマ。３月２日のＪ２開幕が待ち遠しい。

　◆苔口　卓也（こけぐち・たくや）１９８５年７月１３日、岡山県生まれ。２８歳。ＦＷ。玉野光南高から０４年にＣ大阪入団。０７年にＵ―２２日本代表。千葉への期限付き移籍を経て１０年に富山に移籍した。昨季はＪ２で３４試合１１得点。Ｊ１、２通算２１５試合３２得点。１７９センチ、７１キロ。