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ブレンド。それは、ウイスキーを創造するために、
個性の異なる原酒を混ぜ合わせ、最良の調和を得る大切な作業です。
ブレンダーとはそれらの作業をつかさどり、原酒の未知の可能性を開花させ、
ウイスキーの安定した品質を保つ「香りの芸術家」であるといえます。
ブレンドの重要性を説き、自ら実践した竹鶴政孝から、
世界有数のブレンダーチームまで、その真実に迫ります。


竹鶴 政孝 竹鶴 威 ブレンダーチーム
生産技術研究所
ウイスキー官能評価



 
masataka.gif 竹鶴 政孝

------- 私は、このブレンドの技術を、ウイスキーの本場スコットランドで 徹底的にたたきこまれてきた。そして今でも、本場の酒づくりを驚かせるだけの感覚を備えていると いう自信を持っている。私はまた、この技術を余市工場に働く技師たちの一人一人に徹底的に教え込 んだ。

------- 豊富に貯蔵された原酒によって、ニッカでは、うまい、コクのある ウイスキーを市場に送り出している。他には追随できぬところだと、私は密かに思っている。ところ で、ウイスキーの味は、原酒の量の多少だけが左右するのではない。原酒のブレンディングが大きく 影響する。〜略〜どのようにブレンド(配合)するかによって、ウイスキーの味が大きく変わってく る。ウイスキーがブレンドによる芸術品といわれるゆえんも、ここにある。
(竹鶴政孝著『ひげと勲章』)
 
 1918年(大正7年)から2年間のスコットランド留学を経て、日本にはじめてウイスキー造りの技術 を持ち込んだ彼は、ブレンダーはかくあるべきという姿を日本で最初に体現した人物でもありまし た。ウイスキー造りに適した気候風土と豊富なピート層を持つ北海道余市に『大日本果汁株式会社』 を設立し、文字通り一からウイスキーを創りはじめたのです。

 彼がはじめてウイスキーを世に送り出したのは、戦前の1940年のこと。そして、終戦後の“3級ウ イスキー”が主流の時代にも、原酒をたっぷり使った1級(特級)ウイスキーにこだわり続け、日本人に 本当のウイスキーの味を知らしめようとしていたのです。

 ブレンドに対する至高なまでの理念。豊かな芳香と味わいの可能性を広げるブレンデッド・ウイス キーにおいて、モルト原酒の比率は無原則に低下させてはならない-そんな鉄則を重んじていたのは、 日本のウイスキーの黎明期においては竹鶴政孝だけであったといえます。

 蒸溜の年度や熟成の度合、樽、ピートの薫香の強弱によっても細かく異なる原酒の性格を知り、ブ レンドする技は、数字では表わせない人間の五感に負う部分。

 竹鶴政孝は昭和54年に85才で没しましたが、彼のブレンダーとしての技術と理念のすべては、 現在マスターブレンダーである竹鶴威とブレンダーチームに受け継がれ、ニッカの製品の中でその真 髄を味わい知ることができます。
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ニッカの第1号ウイスキーと
ブランデー


 
iwao.gif 竹鶴 

 竹鶴威は、入社以来一貫してウイスキー造りにたずさわり、現在ではニッカ製品の味の最高責任者。 「鶴」や「スーパーニッカ」、「キングスランド」などニッカを代表する製品を、政孝やブレンダー チームとともに創りあげてきました。

 月に一度は必ずすべての自社製品を吟味するという彼の「品質第一主義」は父から学び、ブレン ダー・チームへと脈々と受け継がれています。ブレンダーチームでは、優れたブレンデッド・ウイ スキーを創るためには5つの“そうぞう”が必要であると考えています。

1.「想像」 つくられるウイスキーのイメージ
2.「捜造」 最適なモルト原酒とカフェ式グレーン原酒の探究
3.「操造」 それらの混合の工夫
4.「相造」 タイプの異なる原酒の調和
5.「創造」 4つの“そうぞう”のプロセスを経て、バランスの良い味わいとコク、香りを得た究極のブレン デッド・ウイスキーの完成
 


 
ブレンダーチーム生産技術研究所

●ブレンダーズ・ワーク
 柏工場の一角にある生産技術研究所は、ニッカ・ブレンダーチームの本拠地。チーフブレンダーで ある佐藤茂生氏によると、ブレンダーの仕事は大きく3つに分けられるといいます。

 「ひとつは、ニッカの全製品の品質管理。原酒は微妙な製造工程上の加減や樽などによって異なる ものです。混和の割合や調和によって、香りや味わいを常に一定に保つということは、非常に重要な 仕事なのです。

 もうひとつは新製品の開発。市場ニーズに対応した新しいウイスキーを、マーケティングをふまえ て創造するわけです。さらには、素材、つまり原酒からの開発。これは5年から10年にもわたる長 期的なスパンで成果を得る仕事です。また、原酒づくりの現場である工場からの提案もあります。そ うした原酒の評価やブレンドの可能性を探るのも、ブレンダーチームの役割です。
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生産技術研究所

●ブレンダーの資質
 ブレンダーに必要となる能力は訓練によってある程度まで開発できます。が、やはり潜在的才能な くして、ブレンダーとなることは困難。

 ニッカでは、理工・農学などの技術系社員は入社前はもちろん、入社後にも「官能テスト」が頻繁 に行われ、利き酒や微量な香りの判別力などを試されますが、これらはいわばブレンダーの原石探 し。磨かれた逸材となるためにはシステマチックなトレーニングを長きに渡って続けなければならな いのです。

●食文化とブレンダー
 ブレンダーにお国柄があることをご存じですか。素材の持ち味にこだわり、調理法を複雑に併用す る日本の食文化は、世界でも繊細な部類に入ります。だから日本人ブレンダーの官能も非常に細やか で緻密。人間の嗜好や味覚は環境に負うところが大きいのは本当のことなのです。

 また、「カレーは食べません。社員食堂に出る日は、お弁当持参ですよ」と佐藤氏も言うように、 香辛料・刺激の強いものは自粛します。ブレンダー候補として研究所に配属されれば煙草ともさよ なら。それは苦痛ではなく、ブレンダー精神による自然の行動なのです。
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チーフブレンダー 佐藤茂生



ウイスキー官能評価

 ウイスキーの中に潜むわずかな香りは、機械で発見したり数値で表わすことができません。ブレンダーが未知の香りを探し求めるとき、それは頭の中に香りのイメージとなってのぼりたつものなのだそうです。なんとアーティスティックな作業であることか!もちろん、成分分析や処方など、科学的数値が必要な作業も多々ありますが、それは決してブレンドを決定づけるメインの工程ではありえないのです。

 ブレンダーは、才能と技と鍛練、そしてバランス感覚を必要とする大変重要な仕事だけど、至福感をたくさん味わえる素敵な仕事です。もしもウイスキーが織り成す香りと味わいの深遠に近づけたら、それはきっと幸福なこと。ウイスキーが大好きな人なら、ぜひお気に入りのニッカのウイスキーで、自分の官能力を試してみてください。飲む楽しみが、さらに広がることでしょう。

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研究所のテイスティンググラス
■香りの量
調和している/普通/調和していない
豊か/普通/単調
軽い/普通/重い
個性的/やや個性的/普通

■香りの種類(多い方が好ましいもの)
穀物香(モルト香、穀類香)
エステル香(華やか、フルーティ、酢エチ香)
甘い香(バニラ、蜂蜜、カラメル香)
樽香(樽熟成香、バーボン樽香、チェリー樽香、新樽香)

■香りの種類(量の多少により評価が分かれるもの)
フェノール様(スモーキー、薬品香)
酸臭(酢酸様、チーズ香)
アルコール香(フーゼル油香、エタノール香)
ファッティ(油、バター)
サルファリィ(酵母臭、サルファ臭)

■香りの種類(好ましくないもの)
アルデヒド臭(青臭い)
異臭 (カビ臭、ゴム臭、紙臭、エッセンス香、金気様、焦げ臭、樽クセ、生木臭)
未熟臭

■味わいの種類(好ましくないもの)
異味(酸味、渋味、苦味)




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