タレント島田紳助さん(55)が芸能界を引退した問題で、十数年前に島田さんが抱えたトラブルを解決した暴力団関係者は、指定暴力団山口組の最高幹部の一人で、同組系列の組長であることが芸能関係者らへの取材で分かった。2005年にこの組長が大阪府警に逮捕された際に、島田さんが、知人の元プロボクシング世界王者、渡辺二郎被告(56)=恐喝未遂罪で大阪高裁から懲役2年の実刑判決を受け上告=に、警察批判ともとれるメールを送っていたことも分かった。
関係者によると、十数年前、関西テレビ(大阪市)制作のバラエティー番組「紳助の人間マンダラ」での島田さんの発言をめぐり、同局に街宣車が来てトラブルになった。芸能界を辞めようとまで悩んだ島田さんは、渡辺被告に相談。渡辺被告が組長に話をつなぎ、トラブルは解決したという。
組長は05年6月に競売入札妨害事件で、同11月に強制執行妨害事件でそれぞれ大阪府警に逮捕された。島田さんが渡辺被告に送ったメールの中には、組長が逮捕されたことについて、「警察も汚いことしますね」との文言もあった。
組長宅などへの府警の家宅捜索で、島田さんが組長にあてた手紙や、組長の妻と島田さんが一緒に写った写真も見つかっている。手紙は逮捕された組長の様子を気遣ったり、島田さん経営の飲食店への来店を感謝したりする内容だったという。
23日夜の会見で、島田さんは、組長に「個人的には直接メールすることはなかった」としたが、渡辺被告を通じてトラブル解決を感謝するメールや伝言を送ったと明かした。「実際に会ったのは十数年で約4、5回」とも話した。