長野電鉄3駅、7月から終日無人化 収益悪化で人件費削減
2021年6月16日 05時00分 (6月16日 11時07分更新)
長野電鉄(長野市)は七月一日から、長野市内の本郷、桐原、朝陽の三駅を終日駅員がいない「無人駅」にする。温泉地や観光地につながる小布施(小布施町)と湯田中(山ノ内町)も夜間、早朝を無人に。新型コロナウイルス禍による乗客の激減で収益が悪化し、人件費削減に迫られたことが背景にある。県内の他の鉄道でも無人駅が広がっている。
長野電鉄によると、新型コロナウイルスの感染が急拡大した二〇二〇年四月から九月までの半年間で、利用客は前年同期から約三割減少した。観光客など定期外の乗客に限れば、減少率は五割を超えた。
沿線の温泉地や観光地を訪れる首都圏の観光客を取り込んできただけに、担当者は「首都圏で緊急事態宣言が発令されるたびに打撃を受けている」と話す。中核の鉄道収入が大きく落ち込み、二〇年度三月期連結決算は約十一億円の最終赤字に陥った。事業を継続させるため、乗客が地元住民が中心で駅周辺の案内などの必要がない本郷駅などを無人駅にすると決めた。
ただ、地元の住民からは戸惑いの声も聞かれる。「駅員がいてくれた方が万一の時に安心なのに」と本郷駅を利用するパート女性(45)。長野電鉄は無人駅に本社とつながるカメ...
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