糖尿病
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症例報告
糖尿病性舞踏病の1例
—Magnetic resonance imaging (MRI)からみた病因についての考察—
葛籠 幸栄中山 修一山崎 正博浜重 直久公文 義雄
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2008 年 51 巻 11 号 p. 1001-1006

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抄録

症例は81歳の女性.2006年9月3日より突然右上下肢のくねるような動きが出現,症状は数日経過後も続くため当院受診入院した.初診時,右上下肢に特徴的な不随意運動を認め舞踏病と診断,随時血糖値は422 mg/dl, HbA1c 13.4%と糖尿病を認めた.インスリン治療を開始し,数日後には不随意運動は消失し糖尿病性舞踏病と診断した.以後,症状の再燃はない.頭部CT画像では左被殻にスリット状の高信号域を認めるも脳出血とは異なりMRI T1強調画像で同部位の高信号域とT2*強調画像では低信号域を認めた.MR Angiography (MRA)では同部位へ周辺血管からの染み出し様の辺縁不整な軽度の高信号域を認めた.この染み出し様の異常影は4カ月後には消失していた.糖尿病性舞踏病症例でのMRA所見の報告はなく,診断や病態の解明に有用と考え報告する.

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© 2008 一般社団法人 日本糖尿病学会
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