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2005.12.15 更新

 

松井秀WBCやっぱりダメ!!ヤ軍から親書“出ないでくれ”

松井秀

ヤンキースの本音はやはりNO! 出場辞退を促す書簡が送られていたことが明らかになったことで、松井秀はますます頭を悩ましそうだ

ヤンキースはやはり水面下で出場辞退を促していた。ブライアン・キャッシュマンGM(38)が松井秀喜外野手(31)に来年3月初開催の野球の国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)に関する“親書”を送っていたことが14日、明らかになった。先に出場辞退を表明した同僚のホルヘ・ポサダ捕手(34)への内容と同じとみられる。絶対的な拘束力はないとはいえ、チーム首脳からの強烈なプレッシャーがかかり、松井秀の決断にも影響を与えそうだ。

先日、発覚したヤ軍によるポサダへのWBC不参加要請が、松井秀にも行われていたことが判明した。差出人名がキャッシュマンGMのA4版の封筒が国際郵便で最近、松井秀の元に届けられ、その中には数枚の白い便箋(びんせん)が入っていたもよう。手紙では「ヤ軍に拘束権はない」と前置きしながらも、ヤ軍としては出場してほしくないという旨が記されていたとみられる。

今回の松井秀のケースは、先日、明らかになったポサダとまったく同じだ。11日付の『ニューヨーク・ポスト』紙がヤ軍からWBC出場を反対されたポサダが参加を断念したと報道。同紙によるとポサダは当初、母国のプエルトリコ代表として出場を熱望していたが、これを知ったヤ軍が大リーグ機構に対して「捕手という重要なポジションであり、けがが心配」という理由で出場を認めないように要請。ポサダは参加をあきらめざるをえなかった。

ヤ軍の置かれた苦しい立場が“親書”送付に表れている。今オフ最大の課題である中堅手の補強が今のところ、成功していない。そのため来春キャンプで松井秀を中堅にコンバートさせる案も消えておらず、そうなった場合には練習に専念してもらいたい意向がある。

さらに6月12日のカージナルス戦の守備中にねんざした右足首の状態を憂慮していることも考えられる。

昨年のオーナー会議でジョージ・スタインブレナー・オーナー(75)が30球団で唯一、反対票を投じたが、キャッシュマンGMは「出場は個々の選手が決めることで球団に拘束権はない」と明言。実際、日本時間6日に出場合意と発表された中にはデレク・ジーター内野手(31)、アレックス・ロドリゲス内野手(30)、ロビンソン・カノ内野手(22)が含まれていた。しかし総年俸が全30球団で群を抜くスター軍団のヤ軍からの出場が16カ国で3人だけというのは疑問が残る。パナマ出身のマリアノ・リベラ投手(36)、台湾出身の王建民投手(25)らにも同様の要望が出された可能性はある。

当初から「ヤンキースの意向は大切な要素」と口にしてきた松井秀だけに、今月中にも出されると思われる最終決断に、大きな影響を及ぼすことになりそうだ。

★巨人・滝鼻オーナーがラブコール

巨人・滝鼻オーナー(読売新聞東京本社社長)はこの日、都内でWBC参加問題で揺れるヤ軍・松井秀にラブコールを送った。同社が興行にかかわっているだけに「出てもらいたいよ。ヤンキースから出る選手もいるんじゃないの。(出場を)熱望している。朗報を待っています」と決断の行方を注目していた。

★A・ロッドは強行出場…両親の祖国・ドミニカ代表を選択

A・ロドリゲスがニューヨークのラジオ局に出演。改めて「ドミニカ共和国の代表として出場したい」と語った。

A・ロッドはニューヨーク生まれだが、両親は同国出身。「米国代表はエキシビションのような感覚だろうが、ラテン諸国の選手は国の誇りを懸けてプレーするのじゃないかと思う」とラテン系選手には特別な意味がある大会と主張した。

ヤ軍は、バッテリーや松井秀のようにポジション変更の可能性のある選手には不出場を要望しているが、大きな故障もなく、サインプレーの少ない三塁というポジションからも、A・ロッドまでは“圧力”が及ばない可能性がある。

中南米出身の選手は、オフも祖国のウインターリーグに参加して調整しているが、A・ロッドも例年にない早期始動プランを描いている。