日本食品科学工学会誌
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菌床栽培ブナシメジ・ナメコ・エノキタケの一般成分と無機質含量ならびに培地成分との関係
佐々木 弘子青柳 康夫春日 敦子田中 祐子松沢 睦子川井 英雄
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1995 年 42 巻 7 号 p. 471-477

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抄録

菌床栽培のブナシメジ10試料,ナメコ14試料,エノキタケ8試料の子実体とその菌床培地の一般成分と無機質含量を測定し,菌床成分の子実体への影響について検討した. (1) ブナシメジ,ナメコ,エノキタケいずれの場合も,培地窒素量と子実体タンパク質量との間に有意な相関はみられなかった.
(2) ブナシメジでは菌床から子実体への無機質の濃縮はカリウム(11.66±6.06倍),ナトリウム(99.73±3.34倍),亜鉛(1.81±1.02倍),カドミウム(4.30±1.87倍),水銀(1.80±0.13倍)でみられた.培地と子実体との相関は濃縮がみられたナトリウム(P<0.05),濃縮がみられなかった鉄(P<0.01)で有意が認められた.
(3) ナメコでは菌床から子実体への無機質の濃縮はカリウム(5.39±2.38倍),ナトリウム(2.31±1.16倍),マグネシウム(1.52±0.60倍),リン(4.52±2.12倍),銅(1.69±1.04倍),亜鉛(4.02±2.43倍),カドミウム(3.23±4.16倍)でみられた.培地と子実体との相関は濃縮がみられなかったカルシウム(P<0.05)で有意が認められた.
(4) エノキタケでは菌床から子実体への無機質の濃縮はカリウム(3.13±0.25倍),亜鉛(1.76±1.15倍),カドミウム(1.89±3.07倍),水銀(1.88±0.78倍)でみられた.培地と子実体との相関は濃縮がみられなかった銅(P<0.05)でのみ有意が認められた.

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