「日本プロレス」が復活!?

★有力選手が集まるのならテレビ放映も

2010.11.11


力道山とともに創生期を支えたユセフ・トルコ氏は、80歳にして「日本プロレス」復活に力を注ぐ【拡大】

 日本プロレス史の草創期、力道山時代に選手やレフェリーとして活躍したユセフ・トルコ氏が、1973年まで活動していた団体「日本プロレス」(以下日プロ)の復活に動いていることが分かった。

 トルコ氏は近年、マット界を離れ、実業家として活躍していたが、ここに来て「今こそプロレス界を統一すべき」と、選手や関係者に声をかけ始めている。

 「有力選手を1つに集めてテレビのゴールデンタイム放送を復活させたい。既に某民放局からは実現するなら放送すると確約を得ています」

 こう語るのはトルコ氏の片腕として水面下で動いているベテランプロレスラーのS氏だ。

 「先日ある大手団体のトップと会ったんですが、苦しい経営に悩んでいたので、このまま赤字を増やすより動こうと話をしたところ」(S氏)

 テレビ局にも提出されたという企画書を見せてもらうと、そこにはT、M、C、S、Fといった有名レスラーの名前がズラリ。さらにトルコ氏の人脈を生かした自動車メーカーなどの有名企業がスポンサーとして参加。またコミッショナーに政治家の名前も記載されていた。

 「まずは有名選手に協力してもらう形ですが、もちろん将来を考えれば若いスター候補も必要なので道場の確保を急いでいます」(S氏)

 ただ、この計画が本当に実現するかは現段階で不透明だ。当初は今年の大みそかに向けて動いていたが、想定する規模が大きく延期された。それでもトルコ氏らは「現行のプロレスではビジネスとして限界がある。焦らずきちんとしたものを作る」と揺るがない。

 「ビジネスとして成立させるのが重要です。企画、経理、人事、営業、広報などしっかりしたものでなければやる意味はない。例えば“プロレスラーは引退したら人生の路頭に迷う”というのでは若い人が夢を見て入ってこない。引退後のケアも相撲を見習って株の分配や興行権の付与、もしくは指導などの立場を与えるべき。全スタッフの力を集結して、大きな基盤を作り、プロレスというジャンルを後世に継承できるシステムを構築したい」(S氏)

 トルコ氏も「プロレス界初の天覧試合が開催できるぐらいにしたい」と意気揚々だが、大規模な新興プロレス団体といえば、かつてメガネスーパーが数十億円の資金をもとに新団体を設立したが、わずか2年で崩壊した例もある。

 日プロ復活の計画も壮大なものだが、これが絵に描いたモチになるのか、それともプロレス新時代の一石になるのか。(ジャーナリスト・片岡亮)

 

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