9月4日に肝臓がんのため死去した音楽評論家・福田一郎さん(享年78)を「偲(しの)ぶ会」が12日、東京プリンスホテルで営まれた。福田さんとかかわりが深かった国民的アイドルグループ「モーニング娘。」。現役と“卒業生”の中澤裕子(30)、保田圭(22)、後藤真希(18)が顔をそろえ、同ユニットとしては過去最高の18人が遺影に向かって「LOVEマシーン」を熱唱。天国の福田さんのめい福を祈った。
白菊で美しく飾られた祭壇の中央で、優しく微笑する福田さんの遺影。同会には音楽関係者を中心に600人が参列し、別れを惜しんだ。
「モー娘。」と福田さんの付き合いはデビュー当初から。コンサートにはすべて足を運んだほど、福田さんは同ユニットを愛していた。卒業と新メンバー加入を繰り返す「メンバーチェンジ方式」を発案したのも福田さん。リッキー・マーティンを生んだプエルトリコのアイドルグループ「メヌード」を参考にしたという。
元リーダーの中澤は「いつも優しく見守ってくれた先生。きょうだけの特別編成、18人のモーニング娘。です!天国の福田先生、聞いてください!」と、何度も涙で声を詰まらせた。
また、同ユニットをプロデュースするつんく〓にとって、福田さんは「シャ乱Q」時代からの、よきアドバイザーだった。つんく〓は「Jポップシーンが世界のエンターテインメントとして認められるよう頑張ります。その時は“ああ、よくできました”と笑顔で褒めてください」と、遺影に向かって誓っていた。
会場には、歌手の堀内孝雄(53)、阿川泰子(51)、山下達郎(50)らも姿を見せ、山下はスタンダードナンバー「煙が目にしみる」を歌い、福田さんに別れを告げた。同会は参列者による献花で締めくくられ、行列の最後にステージ衣装から喪服に着替えた「モー娘。」の18人が並んだ。一人ひとりが、万感の思いを込めて、祭壇に花を添えていた。