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バルーン

適切なコントロールかどうかの判断基準
使用パターン
ガイドライン
   表示のタイミング
   表示する時間の長さ
   表示方法
   パスワードや PIN 用のテキスト ボックス
   その他のテキスト ボックス
   対話操作
   アイコン
   アクセシビリティ
テキスト
ドキュメント

"バルーン" は、小さなポップアップ ウィンドウです。コントロールにおいて、それほど重大ではない問題や特殊な状態が発生していることをユーザーに通知します。

Caps Lock がオンであることを示すバルーンのスクリーン ショット

典型的なバルーン

バルーンは、アイコン、タイトル、および本文テキストで構成されます。この 3 つはいずれも省略可能です。ツールヒントおよび情報ヒントとは異なり、バルーンは吹き出しになっているので、ソースがすぐにわかります。ソースは、通常、コントロールです。その場合、バルーンのソースとなっているコントロールは、オーナー コントロールと呼ばれます。

バルーンはそれほど重大ではない問題を通知するものであり、問題を防ぐものではありません。問題を防ぐ機能は、オーナー コントロールで提供できることがあります。ユーザーが操作をコミットする際、未対応の問題がある場合は、所有元のユーザー インターフェイス (UI) で対応する必要があります。

バルーンは、通常、テキスト ボックス、または値の変更にテキスト ボックスを使用するコントロール (コンボ ボックス、リスト ビュー、ツリー ビューなど) と共に使用します。ここに挙げた以外のコントロールでは適切な制約が課されるので、バルーンによって追加のフィードバックを提供する必要はありません。また、そのようなコントロールでは、問題があったとしても複数のコントロール間の不整合が関係していることが多いので、バルーンの使用は適切ではありません。制約がなく、単一点エラーがよく起こるという 2 つの条件に該当するのは、テキスト入力用のコントロールだけです。

通知は、通知領域のアイコンに対して表示される特別な種類のバルーンです。

注: 通知ツールヒントと情報ヒント、およびエラー メッセージに関するガイドラインは、それぞれ別の項目として記載しています。

適切なコントロールかどうかの判断基準

以下の点に基づいて判断します。

  • 提供する情報が、問題または特殊な状態の説明かどうか。該当しない場合は、別のコントロールを使用します。コントロールに関する補足情報を表示する場合は、バルーンを使用するのではなく、代わりに静的テキスト情報ヒント段階的表示、またはプロンプトを使用するようにします。
  • その問題または特殊な状態が、すぐに検出できるものかどうか。入力時、または入力フォーカスがオーナー コントロールから外れたときに検出できるかどうかを判断します。該当しない場合は、タスク ダイアログまたはメッセージ ボックスでエラー メッセージを表示するようにします。
  • 問題の場合、重大な問題かどうか。該当する場合は、タスク ダイアログまたはメッセージ ボックスでエラー メッセージを表示するようにします。このようなエラー メッセージは対話操作が必須となるので、重大なエラーに適しています。バルーンでは対話操作は必須ではありません。
  • 特殊な状態の場合、その状態が有効で、かつ意図せず設定された可能性が高いかどうか。該当する場合は、バルーンが適しています。有効ではない状態の場合は、その状態の発生を防ぐことが先決です。意図的に設定された可能性が高い状態の場合は、何もする必要はありません。
  • その問題または特殊な状態が、簡潔に説明できるものかどうか。該当しない場合は、別のコントロールを使用します。バルーンでは詳細な説明や補足情報は提供できません。
  • 提供する情報が、現在ポインターがあるコントロールの説明かどうか。該当する場合は、対話操作の必要性がない限り、ヒントを使用します。
  • 提供する情報が、ユーザーの現在のアクティビティに関連しているかどうか。該当しない場合は、代わりに通知またはダイアログ ボックスを使用するようにします。ユーザーの現在のアクティビティの外で表示されるバルーンは見落とされがちです。既定では、バルーンは 10 秒でタイムアウトになります。
  • 情報のソースを特定の 1 つに限定できるかどうか。問題または状態のソースが複数あったり特定できない場合は、代わりにインプレース メッセージまたはダイアログ ボックスを使用します。

    間違った例:
    "ログインに失敗しました" というバルーンのスクリーン ショット

    この例では、問題はユーザー名にあることもパスワードにあることも考えられます。しかし、バルーンで問題を報告すると、パスワードだけに問題があるように見え、間違ったユーザー名を入力したことに対するフィードバックが適切に返されません。

バルーンは、情報ヒント、ダイアログ ボックス、およびインプレース メッセージの代わりに使用できます。ツールヒントおよび情報ヒントとの違いは次のとおりです。

  • バルーンは、現在のポインターの場所と関係なく表示できます (ソースを示す吹き出しがあります)。
  • バルーンは、タイトル、本文テキスト、およびアイコンで構成されます。
  • バルーンは対話的にクリックできますが、ヒントはクリックできません。

モーダル ダイアログ ボックスとの違いは次のとおりです。

  • バルーンに入力フォーカスが移動したり、バルーンでの対話操作が必須になることはありません。
  • バルーンのソースは特定の 1 つに限定されます。モーダル ダイアログのソースは複数あったり特定のソースというものが存在しないことがあります。

インプレース メッセージとの違いは次のとおりです。

  • インプレース メッセージよりバルーンのほうが目に付きます。
  • インプレース メッセージの表示に必要な空き画面領域または動的レイアウトは、バルーンには必要ありません。
  • バルーンはタイムアウトになると自動的に消えます。

使用パターン

バルーンの使用パターンを以下に示します。

入力の問題
単一のオーナー コントロール (通常はテキスト ボックス) をソースとする、それほど重大ではないユーザー入力の問題を示すパターン。                                 
オーナー コントロールに入力フォーカスがある状態でバルーンをエラー メッセージの表示に使用すると、入力フォーカスは移動しませんが、ユーザーは問題にすぐに気付くことができます。問題を修正するには、ユーザーが入力内容を変更するか最初から入力し直します。間違った入力がオーナー コントロールで無視される場合、ユーザーが変更する必要はありません。問題がそれほど重大なものではないので、エラー アイコンは不要です。

入力が不適切なことを示すバルーンのスクリーン ショット

それほど重大ではないユーザー入力の問題を報告するバルーン。

特殊な状態
オーナー コントロールが、入力に何らかの影響を及ぼす状態にあることを示すパターン(意図せず設定された可能性の高い状態で、ユーザーが入力への影響を認識していない可能性がある)。
最大入力文字数を超えたときや、誤って Caps Lock が設定されているときなど、特殊な状態が発生したときにすぐバルーンでユーザーに警告すると、ユーザーが余計なストレスを感じることがなくなります。意図的に設定された状態の可能性もあるため、入力フォーカスの移動や対話操作の強制をしないフィードバックにすることが大切です。特にパスワードや PIN 用のボックスでは、ユーザーが間違いに気付きにくいので、バルーンは重要視されます。このパターンのバルーンには警告アイコンが付きます。

Caps Lock がオンであることを示すバルーンのスクリーン ショット

特殊な状態を報告するバルーン。

ガイドライン

表示のタイミング

  • バルーンは、問題または特殊な状態が検出されたときにすぐ、間を置かずに表示します (繰り返しの表示になってもかまいません)。
    • 個々の文字や最大入力文字数に関係する問題の場合は、入力時にバルーンを表示します。
    • 空白文字を含む値が禁止される場合など、入力値に関係する問題の場合は、入力フォーカスがオーナー コントロールから移動するときにバルーンを表示します。これ以外のタイミングで、ユーザーが有効な値にするつもりで入力している最中にバルーンを表示すると、操作の妨げになります。
  • 一度に 1 つのバルーンだけを表示します。複数のバルーンを一度に表示するとユーザーは圧倒されます。1 つのイベントから複数の問題が発生した場合は、すべての問題を 1 回で示すか、最も重要な問題だけを報告します。

    間違った例:
    1 つのボックスから表示された 2 つのバルーンのスクリーン ショット

    この例では、2 つの問題が一度に報告されており、不適切な使用といえます。

表示する時間の長さ

  • 次の状態になったらバルーンを消します。
    • 問題が解決するか、特殊な状態ではなくなったとき。
    • ユーザーが有効なデータを入力したとき (入力の問題を示す場合)。
    • バルーンがタイムアウトになったとき。既定では、10 秒たつとバルーンは消えます。ただしユーザーは SPI_MESSAGEDURATION システム パラメーターを変更することでこの秒数を変更できます。
  • 問題が解決されるまでユーザーが操作を続行できない場合は、タイムアウトを無効にします。 開発者向け情報: Win32 では、TTM_SETDELAYTIME メッセージで表示時間を設定できます。

表示方法

  • バルーンは、オーナー コントロールの下に表示します。オーナー コントロールの下に表示することで、ユーザーはオーナー コントロールとそのラベルを含むコンテキストを確認できます。Microsoft® Windows® では、バルーン全体が画面に表示されるように、バルーンの位置が自動的に調整されます。既定の動作では、通知の場合のように、バルーンはオーナー コントロールの上に表示されます。

    正しい例:
    コントロールの下に表示されたバルーンのスクリーン ショット

    間違った例:
    コントロールの上に表示されたバルーンのスクリーン ショット

    間違った例では、バルーンはオーナー コントロールの上の、最適ではない位置に表示されています。

パスワードや PIN 用のテキスト ボックス

  • Caps Lock がオンになっていることを示すときにバルーンを使用します。テキストは、次の例のようにします。

    Caps Lock がオンであることを示すバルーンのスクリーン ショット

    この例では、PIN テキスト ボックスで、Caps Lock がオンになっていることを示すバルーンを表示しています。

  • ユーザーが最大入力文字数を超えて入力しようとしたときにバルーンを表示します。パスワードや PIN 用のテキスト ボックスの場合、通常のテキスト ボックスよりも、最大入力文字数を超えたことがわかりにくくなっています。

    PIN コードの文字数制限を超えていることを示すバルーンのスクリーン ショット

    この例では、ユーザーが最大入力文字数を超えて入力しようとしたときにバルーンを表示しています。

  • ユーザーが正しくない文字を入力したときにバルーンを表示します。ただし使用文字の制限を示すことは、パスワードや PIN のセキュリティが低くなるのでお勧めしません。情報の漏えいを防ぐには、バルーンで示す内容を、有効なパスワードまたは PIN に関するドキュメント化された事実だけにします。

    入力が不適切なことを示すバルーンのスクリーン ショット

    この例では、PIN が数値でなければならないことを示すバルーンを表示しています。

その他のテキスト ボックス

  • 重要な短いテキスト ボックスには、使い慣れないユーザー向けに、最大入力文字数を超えて入力しようとしたときにバルーンを表示するようにします。例としては、ユーザー名やアカウント名などのテキスト ボックスが挙げられます。ユーザーが最大入力文字数を超えて入力しようとすると、テキスト ボックスでは警告音が鳴りますが、使い慣れないユーザーは警告音の意味を理解しない可能性があります。

    文字数制限を示すバルーンのスクリーン ショット

    この例では、ユーザーが最大入力文字数を超えて入力しようとしたときにバルーンを表示しています。

対話操作

  • ユーザーがバルーンをクリックしたら、単純にバルーンを消します (他の UI を表示したり他の効果を発生させたりしません)。通知とは異なり、バルーンに閉じるボタンは使用しません。

アイコン

アクセシビリティ

バルーンを適切に使用することにより、アクセシビリティが向上します。アクセシビリティを高めるバルーンにするには、以下のことに留意します。

  • ユーザーの現在のアクティビティに関連するバルーンだけを表示します。
  • バルーン テキストは常に簡潔にします。簡潔なバルーン テキストは、低視力のユーザーにとっても読みやすく、スクリーン リーダーで読み取られる場合も中断が最小限となります。
  • 問題や状態が再発生したときは常にバルーンを再表示します。

テキスト

タイトル テキスト

  • 入力の問題または特殊な状態を、明確でわかりやすい言葉で短く簡潔に要約したタイトル テキストを使用します。ユーザーが最小の努力でバルーンの目的をすばやく理解できるテキストである必要があります。
  • 語句または文を使用し、末尾に句読点は付けません。
  • センテンス スタイルの大文字化を使用します。
  • ローカライズを想定して、英語の場合の文字数は半角換算で 48 文字以内とします。タイトルの最大文字数は半角 63 文字ですが、ローカライズ用に 30% 以上の空白を残しておく必要があります。

本文テキスト

  • 本文テキストの 1 文目では、ユーザーとの関連をはっきりと示す形で問題または状態を説明します。タイトルに含まれている情報は繰り返しません。追加する情報がない場合、本文テキストは省略します。
  • 2 文目では、問題の解決または状態の解消のためにユーザーができることを説明します。スタイルとトーンに関するガイドラインに従うと、この文で "please (してください)" という言葉を使用する必要はありません。1 文目と 2 文目の間には、改行を 2 つ挿入します。

    タイトルと本文テキストを含むバルーンのスクリーン ショット

    この例では、バルーン テキストは標準的なレイアウトで構成されています。

  • 問題の解決方法や状態の解消方法を、明白な場合でも説明します。ただし、問題の説明と解決方法の間で冗長になる部分があれば省きます。次の場合は例外です。
    • 簡潔に説明できない場合や、かなり冗長になる場合は、解決方法を省略します。
    • 正しくない文字が無視される場合など、ユーザーの対応が必要ない場合は、解決方法を省略します。
  • 文を使用し、末尾に句点を付けます。
  • センテンス スタイルの大文字化を使用します。
  • ローカライズを想定して、英語の場合の文字数は半角換算で 200 文字以内とします。本文テキストの最大文字数は半角 255 文字ですが、ローカライズ用に 30% 以上の空白を残しておく必要があります。

ドキュメント

バルーンに言及するときは、以下のことに留意します。

  • 大文字と小文字の区別を含め、タイトル テキストを正確に引用します。
  • "通知" や "警告"、"アラート" ではなく、"バルーン" としてコンポーネントを示します。
  • タイトル テキストを二重引用符 (" ") で囲み、可能な場合は太字にします。
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