カズ、中山引退に涙「ゴンがいたからここまで来られた」…横浜Ｃ

中山の引退を受けた会見で涙ぐむ横浜Ｃ・三浦

　サッカー元日本代表で、Ｊ１最多の通算１５７ゴールを誇る札幌ＦＷ中山雅史（４５）が４日、札幌市内で会見し、今季限りでの現役引退を表明した。２０１０年に手術した両膝の関節炎に苦しんだが、１１月２４日の横浜Ｍ戦ではＪ１最年長出場も達成。「まだ未練たらたらです」と話すなど、涙はなかった。今後の予定は未定ながら指導者資格の取得を視野に入れており、札幌はクラブアドバイザーへの就任を要請する。

　元日本代表ＦＷ三浦知良（４５）＝横浜Ｃ＝がこの日、中山の引退に、ときおり目頭を押さえ、言葉を詰まらせた。「昨日、電話で報告を受けました。あいつがいたからここまで来られた。メディアやサポーターの前では明るく振る舞っているが、本当は暗いやつなんです。寂しさもあるが、今後のサッカー界を盛り上げてほしい」

　Ｊ草創期の９０年代をともに駆け抜け、日本代表でも２トップを組み、日本サッカー界を引っ張ってきた。２人の思い出を聞かれ「２５歳くらいで代表でオランダに行った時に、２人で公園の芝生で寝ながら『Ｗ杯に行きたいな』と話していたら、周りがゲイのカップルだらけになっていた」と報道陣を笑わせたが、その表情はどこか寂しそうだった。

　これで、９３年の「ドーハの悲劇」を経験した中で、現役を続けているのはカズだけに。すでに横浜Ｃからは２年契約の提示を受けており、来季の現役続行は確実。「自分はけがも大丈夫。情熱もある。オファーしてくれているクラブもある。プロでやれる自信もある。できる限り続けたいと思う」。来年２月に４６歳となるが、キングは歩みを止めない。