発行日 : 2009年07月28日

ゲリラ雷雨防衛隊の軌跡 Vol.1

群馬県館林市の竜巻を捕捉

~ 約2万人の携帯サポーターがゲリラ雷雨を監視 ~

株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)では、昨日7月27日(月)、先日より開始した日本の“ゲリラ雷雨”を監視するプロジェクト「ゲリラ雷雨防衛隊」が東・北日本の激しい雷雨を監視するなかで、群馬県館林の竜巻をとらえ、進行先である地域にいち早く注意を促すことに成功いたしました。


風が強くなったと思ったら竜巻発生 漏斗状の雲
7月27日(月)群馬県館林市
「風が強くなったと思ったら竜巻発生」
 撮影:くろちゃんさん
7月27日(月)栃木県西方町から館林市方面
「漏斗状の雲」 撮影:隊員番号60677さん

昨日は、関東地域を中心に激しい雷雨が予想され、午前8時40分には、関東全域のゲリラ雷雨防衛隊(ゲリラ雷雨を監視し、報告する携帯電話サポーター)2万人に対し、監視体制強化メールを送信しました。12時30頃から、「AMラジオにも定期的にノイズが入るようになってきた」「南から南東方向に怪しいグレーのモクモク雲発見! 大きくなってる感じです」など群馬県から続々と雷雨の前兆リポートが届きました。


これらのレポートをもとに、ウェザーニューズでは、ゲリラ雷雨が発生する可能性が高いと判断し、13:00館林周辺地域に登録している人たちに対して、ゲリラ雷雨メールを送り、注意を喚起しました。


14:00ごろから届きだした雷雨の被害レポートに加え、14:36頃からは群馬県館林市からの竜巻リポートを確認し、竜巻を発生させた強い雨雲の進行先である宇都宮、水戸方面のサポーターに注意を促す号外メールを発信しました。


ウェザーニューズでは、その後、群馬県の竜巻と思われる被害があった地域に調査班を派遣し、速報的に検証しました。被害は、およそ長さ1.5kmにわたり発生幅は30-50mと想定できました。車が引っくり返った被害や窓ガラスが広範囲で破壊された様子も確認しました。竜巻のリポートもあり、竜巻を見たという証言等もあることから、突風ではなく竜巻である可能性が高いと考えています。竜巻の強さをあらわす藤田スケールではF1~F2の強さの竜巻だと推定されます。


また、竜巻を発生させた気象条件を、下記の通り分析しました。

  1. 大気の状態が非常に不安定で積乱雲が発生しやすい状況であった。
  2. 西風と南東風がぶつかり小さな前線が発生、さらに館林付近に“メソサイクロン”と呼ばれる風の渦の領域が京成されていた。
  3. 館林を中心に、東側が32度、西側が23度とおよそ10度もの気温差があり、上昇流と下降流 が強められやすい状況であった。

こうした“ゲリラ雷雨防衛隊”の報告は今年最多の7,000通にのぼり、報告を通じて周辺地域の人々に危険の可能性を知らせ、注意を喚起する活動は今後も続きます。ゲリラ雷雨防衛隊に参加する人は現在、約2万名。さらにたくさんの方に参加していただくことによって、注意を喚起し被害を減していきたいと考えています。

ゲリラ雷雨防衛隊について

当社では、“ゲリラ雷雨”の被害を軽減するため、“ゲリラ雷雨”を監視するネットワーク「ゲリラ雷雨防衛隊」の構築を現在一般の方と共に進めています。この「ゲリラ雷雨防衛隊」は、“ゲリラ雷雨”を事前に補足することを目的にウェザーニュース携帯サイト内で発足したコミュニティで、ウェザーニュース携帯サイトの月額315円会員の方ならば誰でも参加することができます。「ゲリラ雷雨防衛隊」へ入隊した方は“隊員”と呼ばれ、事前に登録をした地点を重点的に“感測”する役割を担います。“感測”はウェザーニュースから「監視体制始動メール」が届いたタイミングで実施し、届いたメールのリンク先のサイトで、“現在の天気”“雲のある方角”“雲の成長具合”“雷鳴の有無”、そして、“肌で感じた感覚”などを入力し、写真などと併せて送信します。昨年は1万人以上の方が参加し、全国の隊員の“目”で感測した“現地の実況情報”及び“感覚情報”を解析することで、観測機では捉えられない、急速に発達する“ゲリラ雷雨”発生を平均で70%以上の確率で事前補足し、その情報を利用者にお知らせすることに成功しました。

株式会社ウェザーニューズ(東証1部 <4825>)について

世界主要国 / 地域に32の営業拠点を持つ、世界最大の民間気象情報会社。
海、空、陸のあらゆる気象現象の世界最大規模のデータベースを有し、独自の予報により、航空、海運、流通、自治体などの各業務の問題解決情報を提供している。
一般個人に対しては、携帯電話、インターネット、BSデジタル放送等のメディアを通じて、個人の生活を支援する各種情報を提供。